早い話が 処女作 を一般化した論文です. 総実代数体の無限次非可換ガロワ拡大で, ガロワ群が p-進整数環と羃指数 p の有限 p 群の直積と同型となるときに p-進ゼータ関数の構成と岩澤主予想の証明を行ないました. また, 同変玉河数予想との関係についても若干触れています.
処女作での合同式の導出の際に用いたトリッキーな帰納法を調子に乗ってどんどん積極的に使い込んでみたら, こんな感じに一般化出来ちゃいました, という印象です. なので, 個人的には修士論文に毛が生えたようなものとしか思っていなかったのですが, 結果に関しては意外とウケは良いみたいです. ただ, このままではさらに一般化して有限部分を一般の p-群に拡張することは難しそうなのですが.........
p-捩れ部分の不定性の除去に結構時間がかかって, 投稿するまで結構寝かせていたネタでもあります.
記念すべき初論文. 総実代数体の特殊な無限次非可換ガロワ拡大 (詳細は本文ををご覧下さい) に対して p-進ゼータ関数を構成し, 岩澤主予想を証明しました.
加藤和也先生が総実代数体のハイゼンベルク型拡大に対して p-進ゼータ関数を構成したプレプリントに触発されて, 「それじゃあランクを一つ増やしてみよう!」と軽い気持ちで計算してみたらなんだか大変な計算になってしまいました, という論文です.
計算途中で必要な合同式がドリーニュ-リベットの q-展開原理から直接導出できないという何とも恐ろしい事態が発生し, 帰納法で巧くいきそうだと目処が立ったのが修士論文提出の2,3ヶ月前くらいと言う, 意外とスリリングな経歴を歩んできた作品でもあります.
分量が修士論文提出時に60ページ位, その後合同式の導出をリッター-ヴァイスの手法を引用しつつより精密に書き足したため77ページにまで (!) 膨れ上がりましたが, 流石に投稿時に嫌われましたので (笑), 大分ダイエットしまして結局30ページくらいの中堅作に落ち着きました.