津田塾大学整数論ワークショップ 2025
最終更新日:
講演概要
講演者五十音順・敬称略.印刷用の pdf ファイルも作成予定です.
記号凡例: ♭: 黒板での講演, ♯: プロジェクターでの講演
※ いずれの講演も,オンラインでの参加者には Zoom でのオンライン配信をいたします
Torsion of elliptic curves over Qp with good reduction in cyclotomic fields
吉田 学 (大和大学)♭
B. Mazur は1978年の論文において, $\mathbb{Q}$ 上の楕円曲線 $E$ の $\mathbb{Q}$ 有理点の成す群 $E(\mathbb{Q})$ の捩れ部分群として現れ得る群の分類を与えた. 2019年,M. Chou はこれを $\mathbb{Q}$ の最大アーベル拡大 $\mathbb{Q}^{\mathrm{ab}}$ の有理点へと拡張し, $E(\mathbb{Q}^{\mathrm{ab}})$ の捩れ部分群の分類を決定した. さらにこの Chou の結果に関連して, Gužvić–Vukorepa によって, $p=5,7,11$ および $0 \leq n \leq \infty$ に対する $E(\mathbb{Q}(\mu_{p^n}))$ の捩れ部分群の分類までもが与えられている.(ここで, $\mu_{p^n}$ は 1 の $p^n$ 乗根のなす群とする).本講演では,これらの結果の $p$ 進類似を与える.より正確には,$E$ を $\mathbb{Q}_p$ 上良還元をもつ楕円曲線とするとき,すべての素数 $p$ とすべての $0 \leq n \leq \infty$ に対して,$E(\mathbb{Q}_p(\mu_{p^n}))$ の捩れ部分群を分類する.本研究は,小関祥康氏(神奈川大学)との共同研究である.