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2年セミナー Seminar Ⅱ
津田塾大学学芸学部 数学科 2年 (月曜3限)
担当: 原 隆
場所: 7号館 3階 7304教室 (⑩ の建物が7号館です)
講義内容 (シラバスより):
英語で書かれた比較的平易な数学書を輪読することにより,初等整数論の基礎知識を学ぶとともに,数学の専門用語を含む洋書文献の読み方を実践的に身につけることを目的とする.
テキストの主題は整数 integers と多項式 polynomials である.高校の頃から慣れ親しんできたこの2つの対象は,一見しておよそ性格の異なるもののように思われるが,改めて見比べてみると不思議と似通った側面がいくつも観察されることに気づかれるだろう.両者は 環 rings の概念により統一的に理解される.整数や多項式といった具体的な数学的対象を通じて,現代代数学の中核をなす重要な抽象概念である環の概念に慣れ親しむことが,セミナーの到達目標の1つとなる.
なお,セミナーでは合同式について特に詳しく扱われるので,同時開講されている2年次選択科目『代数学基礎 (演習付)』も併せて履修することを強く薦める.
教科書: Ronald S. Irving, Integers, Polynomials and Rings, Springer–Verlag
※ テキストは学内から無料でダウンロード出来ます (VPN 接続を利用すれば自宅からもダウンロード出来ます)。
このページには主にセミナーの進捗状況を記録していきます (個人的な備忘録のようなものです)。
お知らせ / 更新履歴
- 6月2日
6月2日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月26日
5月19日, 26日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月12日
5月12日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 4月28日
4月21日 (月),4月28日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- セミナーの初回は 4月21日 (月) です.
進捗状況
2年セミナー予定表 (履修者のみ閲覧可 / gm.tsuda.ac.jp アカウントにログインした上でご覧下さい)
Springer e-book (テキストをダウンロードする場合は学内からアクセスするか,VPN接続をご利用下さい)
事前に読んでおいてください
- 2025年6月2日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm (続)
- 3.3 Bézout's Theorem
- ユークリッドの互除法の〈逆再生〉による最大公約数の線形結合表示の求め方
- ベズーの定理の証明: ユークリッドの互除法のステップ数に関する数学的帰納法
- 応用: a と b の公約数は,最大公約数の約数
- 3.4 Application of Bézout's Theorem
- a と b が互いに素で a|bc ならば a|c
- a と b が互いに素で a|bnc ならば a|c
- 応用: 整数係数方程式の有理数解に対するデカルトの定理
- 2025年5月26日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm
- 3.1 Greatest Common Divisors
- a と b の最大公約数 (a,b) の定義,「互いに素」の定義
- a | b のときの最大公約数
- (a,b)=(a,b-a) が成り立つこと: それぞれの公約数の集合が一致する (定理2.6を用いて)
- b=aq+r のとき (a,b)=(b,r) が成り立つこと,互除法の原理
- 2025年5月19日 (月)
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- 2. Induction and the Division Theorem (続)
- 2.2 The Tower of Hanoi
- ハノイの塔の規則
- n枚円盤のハノイの塔は,2n-1 手で解ける
- n枚円盤のハノイの塔を解く最短手数は 2n-1
- 応用: 「隣り当った支柱にしか円盤を動かせない」ルールでのハノイの塔の最小攻略手数
- 2.3 The Division Theorem
- 整除関係の基本性質 (「a が b を割り切ること」の定義を用いて)
- 剰余の原理: 商と余りの存在
- 商と余りの一意性について: 一意性とは?
- 商と余りの一意性のより具体的な形での定式化
- 商と余りの一意性の証明について
- 2025年5月12日 (月)
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- 2. Induction and the Division Theorem
- 2.1 The Method of Induction
- 奇数の和,偶数の和,1+2+…+n の公式
- 数学的帰納法の原理
- 定理2.1: 奇数の和の公式 (数学的帰納法を用いた証明)
- 演習: 自然数の和の公式,自然数の平方和の公式
- 定理2.2: 階乗と2の羃乗の大小関係
- 非定理2.3:「すべての猫は同じ色」の証明の瑕疵
- 2025年5月5日 (月) こどもの日
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休校日
- 2025年4月28日 (月)
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- 1. Introduction: The McNuggets Problem
- マックナゲット問題とは? 6個入り,9個入り,20個入りのマックナゲットを組み合わせて何個のマックナゲットを買えるか?
- 6連続で買えるならば,それ以降の個数のマックナゲットは買える (6個入りのマックナゲットを買い足していけば良い)
- 購入できないマックナゲット数の最高値 (43個) を求める方法
- 1. 総当たり
- 2. 個数の多い箱の個数を規準に場合分け
- 3. 先に6個と9個の箱で購入出来る個数 (6以上の3の倍数) を決定して,20個ずつ足していく
- さらに4個入りの箱も買えるとき… 4個周期で場合分け
- 2025年4月21日 (月)
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次回からセミナーの本編に入ります (1 The McNugget Problem から)
セミナー日程
第1ターム
4月 21日, 28日
5月 5日 (休校日・こどもの日), 12日, 19日, 26日
6月 2日, 9日, 16日, 23日 (第1ターム授業最終週)
第3ターム
9月 8日, 15日 (敬老の日 / 授業実施日), 22日, 29日
10月 6日, 13日 (スポーツの日 / 授業実施日), 20日 (津田塾祭後始末 / 休校日), 27日
11月 3日 (文化の日 / 授業実施日), 10日 (第3ターム授業最終週)
第4ターム
11月 17日, 24日 (勤労感謝の日振替休日 / 授業実施日)
12月 1日, 8日, 15日, 22日, 29日 (冬季休暇)
1月 5日, 12日 (成人の日/ 休校日), 19日, 26日 (第4ターム授業最終週)