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2年セミナー Seminar Ⅱ
津田塾大学学芸学部 数学科 2年 (月曜3限)
担当: 原 隆
場所: 7号館 7304教室
講義内容 (シラバスより):
英語で書かれた比較的平易な数学書を輪読することにより,初等整数論の基礎知識を学ぶとともに,数学の専門用語を含む洋書文献の読み方を実践的に身につけることを目的とする.
テキストの主題は整数 integers と多項式 polynomials である.高校の頃から慣れ親しんできたこの2つの対象は,一見しておよそ性格の異なるもののように思われるが,改めて見比べてみると不思議と似通った側面がいくつも観察されることに気づかれるだろう.両者は 環 rings の概念により統一的に理解される.整数や多項式といった具体的な数学的対象を通じて,現代代数学の中核をなす重要な抽象概念である環の概念に慣れ親しむことが,セミナーの到達目標の1つとなる.
なお,セミナーでは合同式について特に詳しく扱われるので,同時開講されている2年次選択科目『代数学基礎 (演習付)』も併せて履修することを強く薦める.
教科書: Ronald S. Irving, Integers, Polynomials and Rings, Springer–Verlag
※ テキストは学内から無料でダウンロード出来ます (VPN 接続を利用すれば自宅からもダウンロード出来ます)。
このページには主にセミナーの進捗状況を記録していきます (個人的な備忘録のようなものです)。
お知らせ / 更新履歴
- 12月3日
12月2日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。
- 11月19日
11月18日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 11月11日
11月11日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。
- 11月4日
11月4日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 10月28日
10月28日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 10月15日
10月14日 (月) のセミナーの内容を更新しました。次週 (10月23日) は津田塾祭後始末のため 休校日 です!!
- 10月7日
10月7日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月30日
9月30日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月10日
9月9日 (月) のセミナーの内容を更新しました。次週は出張のため休講、その翌週は休講日なので、次回のセミナーは 9月30日 です!!
- 9月2日
9月2日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月24日
6月24日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月17日
6月17日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月10日
6月10日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月4日
6月3日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月27日
5月27日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月20日
5月20日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月13日
5月13日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 4月22日
4月22日 (月) のセミナーの内容を更新しました。GWのため,次回のセミナーは5月13日です!!
- 4月15日
4月15日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- セミナーの初回は 4月15日 (月) です.
進捗状況
2年セミナー予定表 (履修者のみ閲覧可 / gm.tsuda.ac.jp アカウントにログインした上でご覧下さい)
Springer e-book (テキストをダウンロードする場合は学内からアクセスするか,VPN接続をご利用下さい)
事前に読んでおいてください
- 2024年12月2日 (月)
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- 6. Rings (続)
- 6.3 Fruit Rings (続)
- “ring game” の解としての環 (環の定義)
- オレンジ,バナナ,洋ナシの集合 (Z/3Z) が環 (かつ体) となること
- オレンジ,バナナ,洋ナシ,イチゴの集合が (体ではない) 環 (Z/4Z) となること
- オレンジ,バナナ,リンゴ,ベリーの集合が体 (F4) となること
- 2024年11月25日 (月)
-
- 6. Rings (続)
- 6.2 Number Rings (続)
- フェルマーの2平方和定理とガウスの整数環 Z[i]
- 自明な数の分解と非自明な数の分解
- 6.3 Fruit Rings
- 果物の集合 (オレンジ,バナナ,洋ナシ) に演算構造を入れて環にする
- 2024年11月18日 (月)
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- 6. Rings (続)
- 6.2 Number Rings
- 環の定義と例,環と体の違い: 自然数の集合は環ではない,整数環は体ではない環
- 単数: 乗法的逆元を持つ元
- 整数環に数を付け加えて新しく環を作る
- 環 Z[√2] とその単数
- ガウスの整数環 Z[i] とその単数
- 2024年11月11日 (月)
-
- 5. Prime Numbers (続)
- 5.3 Greatest Common Divisor Revisited (続)
- 6. Rings
- 6.1 Numbers (続)
- 整数から有理数へ: 乗法に関する逆元 (整数の比) の構成,0でない数での除法で閉じた世界
- 2024年11月4日 (月) 文化の日振替休日
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- 5. Prime Numbers (続)
- 5.3 Greatest Common Divisor Revisited (続)
- 6. Rings
- 6.1 Numbers
- 自然数,0の発見 – 自然数の集合は加法と乗法に関して閉じている
- 自然数から整数へ: 加法に関する逆元 (負の数) の構成,減法で閉じた世界
- 整数から有理数へ: 乗法に関する逆元 (次回に続く)
- 2024年10月28日 (月)
-
- 5. Prime Numbers (続)
- 5.2 Uniqueness of Prime Factorization (続)
- 素因数分解の一意性定理の証明 (Exercise 5.7): 素数性を用いた帰納法
- 5.3 Greatest Common Divisor Revisited
- 素因数分解と最大公約数の関係
- 素因数分解とユークリッドの互除法の違い
- 素因数分解と整除関係
- 2024年10月21日 (月)
- 休校日 (津田塾祭後始末)
- 2024年10月14日 (月)
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- 4. Congruences (続)
- 4.3 Congruence Classes and McNuggets (続)
- 完全代表系をどのような整数倍したときに,再び完全代表系となるか? (続)
- 合同類を用いたマック・ナゲット問題の解法 (ナゲットの種類が2種類のとき)
- 5. Prime Numbers (続)
- 5.2 Uniqueness of Prime Factorization
- 「素因数分解が一意的である」とはどういう意味か?
- 素因数分解を比較するために: 素数を掛ける順番を「小さい順」にする
- 素因数分解の一意性定理 (Theorem 5.5)
- ユークリッドの補題: 2数の積が素数 p の倍数なら,どちらかは p の倍数 (Theorem 5.6)
- ユークリッドの補題の一般化と帰納法 (Theorem 5.7)
- 2024年10月7日 (月)
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- 4. Congruences (続)
- 4.3 Congruence Classes and McNuggets (続)
- 完全代表系の定義と例
- 完全代表系をどのような整数倍したときに,再び完全代表系となるか?
- 5. Prime Numbers
- 5.1 Prime Numbers and Generalized Induction
- 素数と合成数の定義
- 「どんな整数でも素因数分解できる」ことの証明と一般化帰納法
- 2以上の整数が素数で割り切れること (Theorem 5.1)
- 2以上の整数が有限個の素数の積で表されること (Theorem 5.2)
- 2以上の合成数が,その平方根以下の素因子を持つこと (Theorem 5.3)
- 2024年9月30日 (月)
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- 4. Congruences (続)
- 4.2 Solving Congruences (続)
- 1次合同式の解が存在するための必要条件: x の係数と法が互いに素でないと ax≡1 (mod m) は解を持たない
- 一般の1次合同式の解き方: ユークリッドの互除法を用いて
- 4.3 Congruence Classes and McNuggets
- 合同類とマック・ナゲット問題
- 合同類の定義と例,代表元の取り方の任意性
- 2024年9月23日 (月) 秋分の日 振替休日
- 休講日
- 2024年9月16日 (月) 敬老の日
- 出張のため 休講
- 2024年9月9日 (月)
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- 4. Congruences (続)
- 4.1 Congruences (続)
- 合同式と乗法 (Proposition 4.3)
- 例: 大きい羃乗数を割った余りの計算
- 4.2 Solving Congruences
- 1次合同式の解が存在するための必要十分条件
- “if and only if” 型の命題 (同値条件) の証明について
- 2024年9月2日 (月)
-
- 4. Congruences
- 4.1 Congruences
- 合同式の定義と例
- 任意の整数は,m > 1 を法として 0,1,...,m-1 のいずれか1つのみと合同
- 合同式の推移性 (Proposition 4.2)
- 合同式と乗法 (Proposition 4.4)
- 合同式と除法: 法と割る数が互いに素な場合 (Theorem 4.5)
- 夏季休暇
- 2024年6月24日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm (続)
- 3.3 Bézout's Theorem (続)
- ベズーの定理の主張
- 例: 70 と 1869 の最大公約数を線形結合表示する
- 3.5 Diophantine Equations (続)
- 1次不定方程式が整数解を持つ十分条件
- 1次不定方程式が整数解を持つ必要条件: ベズーの定理を用いて
- 2024年6月17日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm (続)
- 3.2 Euclidean Algorithm (続)
- 互除法のアルゴリズムが有限回で終了すること (無限降下法)
- 最後の出力 (余り) が最大公約数となること (互除法の操作の回数に関する数学的帰納法)
- 3.5 Diophantine Equations
- ベズーの定理と1次不定方程式
- ディオファントス方程式: 1次不定方程式 (整数解を持つもの,持たないもの),ピタゴラス数とフェルマーの最終定理
- 2024年6月10日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm (続)
- 3.3 Bézout's Theorem
- ユークリッドの互除法の〈逆再生〉による最大公約数の線形結合表示の求め方
- 3.4 Application of Bézout's Theorem
- a と b が互いに素で a|bc ならば a|c
- 応用: 整数係数方程式の有理数解に対するデカルトの定理
- 2024年6月3日 (月)
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- 3. The Euclidean Algorithm
- 3.1 Greatest Common Divisors
- a と b の最大公約数 (a,b)
- 最大公約数の求め方,(a,b)-アクセス可能性との関係
- (a,b)=(a,b-a) が成り立つこと: それぞれの公約数の集合が一致する (定理2.6を用いて)
- (a,b)=(a,b-a) を用いた最大公約数の求め方とユークリッドの互除法の原理
- 3.2 The Euclidean Algorithm
- 互除法による最大公約数の求め方: 例題
- ユークリッドの互除法の形式的な定式化
- 2つの問題: アルゴリズムが必ず止まるか? 最後の出力が最大公約数となるか?
- 2024年5月27日 (月)
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- 2. Induction and the Division Theorem (続)
- 2.3 The Division Theorem (続)
- 整除関係の基本性質 (「a が b を割り切ること」の定義を用いて)
- 剰余の原理: 商と余りの存在
- 商と余りの一意性について: 一意性とは?
- 商と余りの一意性のより具体的な形での定式化
- 商と余りの一意性の証明について
- 2024年5月20日 (月)
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- 2. Induction and the Division Theorem (続)
- 2.1 The Method of Induction (続)
- 帰納法による不等式の証明
- 「すべての猫は同じ色」の証明の瑕疵
- 2.2 The Tower of Hanoi
- ハノイの塔の規則
- n枚円盤のハノイの塔は,2n-1 手で解ける
- n枚円盤のハノイの塔を解く最短手数は 2n-1
- 2.3 The Division Theorem
- a と b が n で割り切れるなら,ra+sb (r,s は整数) も n で割り切れる
- 割り算の余りとは?
- 2024年5月13日 (月)
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- 1. Introduction: The McNuggets Problem (続)
- (6,9,20)-アクセス可能な数を求める (マック・ナゲット問題) — 6で割った余りに着目する
- 2. Induction and the Division Theorem
- 2.1 The Method of Induction
- ガウスの計算: 1から100までの和
- 奇数の和,偶数の和,1+2+…+n
- 数学的帰納法の原理
- 奇数の和の公式の証明 (数学的帰納法を用いて)
- 2024年5月6日 (月) こどもの日 振替休日
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休講日
- 2024年4月29日 (月) 昭和の日
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休講日
- 2024年4月22日 (月)
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- 1. Introduction: The McNuggets Problem
- マックナゲット問題とは? 6個入り,9個入り,20個入りのマックナゲットを組み合わせて何個のマックナゲットを買えるか?
- 問題の簡略化: 箱が2個入りと3個入りの場合,箱が2個入りと4個入りの場合
- アクセス可能性の定義とマックナゲット問題の言い換え
- (3,4)-アクセス可能な数を求める問題の解法: 3で割った余りに注目する
- 2024年4月15日 (月)
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次回からセミナーの本編に入ります (1 The McNugget Problem から)
セミナー日程
第1ターム
4月 1日 (春季休暇), 8日 (オリエンテーション期間), 15日, 22日 29日 (昭和の日 / 休校日)
5月 6日 (こどもの日振替休日 / 休校日), 13日, 20日, 27日
6月 3日, 10日, 17日, 24日 (第1ターム授業最終週)
第3ターム
9月 2日,9日, 16日 (敬老の日 / 授業実施日), 23日 (秋分の日 / 休校日), 30日
10月 7日, 14日 (スポーツの日 / 授業実施日), 21日 (津田塾祭後始末 / 休校日), 28日
11月 4日 (文化の日振替休日 / 授業実施日), 11日 (第3ターム授業最終週)
第4ターム
11月 18日, 25日
12月 2日, 9日, 16日, 23日, 30日 (休校日)
1月 6日, 13日 (成人の日/ 休校日), 20日, 27日 (第4ターム授業最終週)