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2年セミナー Seminar Ⅱ
津田塾大学学芸学部 数学科 2年 (月曜3限)
担当: 原 隆
場所: 7号館 7408教室
講義内容 (シラバスより):
英語で書かれた比較的平易な数学書を輪読することにより,初等整数論の基礎知識を学ぶとともに,数学の専門用語を含む洋書文献の読み方を実践的に身につけることを目的とする.
テキスト『数論原論』は初等整数論の入門書である.整数の基本性質から始め,合同式やフェルマーの小定理,オイラーの定理といった基礎事項を確実に修得した上で,様々なディオファントス方程式の解き方を学び,「整数の世界を拡張する」という現代整数論のアイデアを身に付けていく.なお,途中で整数論の暗号理論への応用 (RSA公開鍵暗号) も学修する予定である.
途中で合同式の概念や群論の基礎事項が登場するので,(セミナー中でも補足する予定ではあるが) 同時開講されている『代数学基礎 (演習付)』『代数入門 (演習付)』も併せて履修することを薦める.
教科書: John Stillwell, Elements of Number Theory, Springer–Verlag
※ テキストは学内から無料でダウンロード出来ます (VPN 接続を利用すれば自宅からもダウンロード出来ます)。
このページには主にセミナーの進捗状況を記録していきます (個人的な備忘録のようなものです)。
お知らせ / 更新履歴
- 1月15日
1月15日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。
- 12月18日
12月18日のセミナーの内容を更新しました.年内のセミナーは以上です.よいクリスマス & お正月を!!
- 12月4日
12月4日のセミナーの内容を更新しました.次週 (12月11日) は出張のため 休講 です!! お間違えなく!!
- 11月27日
11月20日 (月), 27日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 11月13日
11月13日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。
- 10月30日
10月30日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。
- 10月16日
10月16日 (月) までのセミナーの内容を更新しました。次週 (10月23日) は津田塾祭後始末のため 休校日 です!!
- 10月2日
10月2日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月25日
9月25日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月18日
9月18日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月11日
9月11日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 9月4日
9月4日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月19日
6月19日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 6月5日
6月5日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月29日
5月29日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月22日
5月22日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月15日
5月15日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月10日
5月8日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 5月1日
5月1日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 4月24日
4月24日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 4月17日
4月17日 (月) のセミナーの内容を更新しました。
- 4月7日 セミナーの注意事項等のプリントをアップロードしました。
- セミナーの初回は 4月17日 (月) の予定です。
進捗状況
2年セミナー予定表 (履修者のみ閲覧可 / gm.tsuda.ac.jp アカウントにログインした上でご覧下さい)
Springer e-book (テキストをダウンロードする場合は学内からアクセスするか,VPN接続をご利用下さい)
事前に読んでおいてください
- 2024年1月15日 (月)
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- 7.1 The equation y3=x2+2
- y3=x2+2 の解が (x,y)=(±2, 3) のみであることのオイラーの証明
Z[√-2] での素因数分解の一意性と g.c.d.(x+√-2,x-√-2)=1 を仮定して
- 7.2 The division property in Z[√-2]
- Z[√-2] での割り算の定理
- Z[√-2] で立方数が互いに素な数に分解されるとき,どちらも立方数となること
- 2024年1月8日 (月) 成人の日
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休講日
- 2024年1月1日 (月) 元日
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冬季休暇のため 休講
- 2023年12月25日 (月)
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冬季休暇のため 休講
- 2023年12月18日 (月)
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- 6.6 Pythagorean triples
- 原始ピタゴラス数
- 鍵命題1: x, y が (通常の整数として) 互いに素なら、x+iy と x-iy はガウスの整数として互いに素
- 鍵命題2: ガウスの整数において,平方数の互いに素な因数はともに平方数
- 鍵命題 → 原始ピタゴラス数の公式
- 6.5 Conjugates
- 共役なガウス整数とその性質
- ガウスの素数である有理素数 = 平方数の和で表される有理素数
- 2023年12月11日 (月)
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出張のため 休講
- 2023年12月4日 (月)
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- 6.4 Division in Z[i]
- ガウス整数の割り算の定義
- ガウス整数の割り算の応用: 特に (単数倍の違いを除いた) 素因数分解の一意性
- 応用: 虚数であるガウスの素数は,通常の素数の素因子に現れるもののみ
- 6.5 Fermat's two square theorem
- ウィルソンの定理の復習
- ラグランジュの補題 (平方剰余の第1補充法則)
- フェルマーの2平方和定理とその証明
- 2023年11月27日 (月)
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- 6.1 Z[i] and its norm
- 2次の整数とノルム (復習)
- ガウスの整数,ガウスの整数環の定義,ガウス整数のノルム
- 平方和の積公式とガウス整数のノルムの乗法性の関係
- 6.2 Divisibility and primes in Z[i] and Z
- ガウスの整数の整除性
- ガウスの素数の定義: ノルムが真に小さい2つのガウスの整数の積で表せない
- ガウスの素数の例,ガウスの素数でない有理素数の例
- ガウスの整数に対する素因数分解の存在とその証明
- 2023年11月20日 (月)
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- 5.5 Pegionhole principle
- ペル方程式の解の構造を抽象的に調べる意味
- ディリクレの近似定理と鳩の巣原理
- ペル方程式の最小解の構成: ディリクレの近似定理と鳩の巣原理を用いて
- 2023年11月13日 (月)
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- 5.4 The general Pell equation and Z[√n]
- 整数環 Z[√n] とペル方程式 x2-ny2=1 の関係
- Z[√n] の元のノルムの定義
- ブラーマグプタの合成則: 2つのペル方程式の解から新しい解を作る方法
- ノルムの乗法性とその証明
- ペル方程式の解の数値計算例: n=5 の場合
- 2023年11月6日 (月)
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- 5.3 The group of solutions
- ペル方程式の解の構造: ペル方程式の解は群をなす
- ペル方程式の正の解の構造: 3+2√2 の生成する無限巡回群
- 2023年10月30日 (月)
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- 5.1 Side and diagonal numbers
- ペル方程式 x2-2 y2=1 の整数解が √2 の近似を与えること
- 側数と対角数の定義,それらが x2-2 y2=±1 の解を与えること
- a+b√n の形の数が等しくなる条件
- 5.2 The Pell equation x2-2 y2=1
- ペル方程式の自明な解 (±1,0)
- x2-2 y2=1 の整数解の合成則
- 合成則による解の構成の例
- 2023年10月23日 (月)
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休校日 (津田塾祭後始末)
- 2023年10月16日 (月)
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- 4.4 RSA encryption and decryption
- RSA 公開鍵暗号の送受信の仕組み — 公開鍵乗で暗号化し,秘密鍵乗で復号する
- 4.5 Digital signatures
- RSA 公開鍵暗号方式による電子署名の原理 — 秘密鍵乗で署名を生成し,公開鍵乗で検証可能
- 4.6 Other computational issues
- 2023年10月9日 (月)
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- 4.2 Ingredients of RSA
- Trapdoor: 素因数分解の困難性
- 2つの異なる素数の積に対するトーシェント関数の値: φ(pq)=(p-1)(q-1)
- 公開鍵 e と秘密鍵 d について
- 暗号化・復号の原理: 公開鍵,秘密数を用いて羃乗計算する
- 4.3 Exponentation mod n
- 指数計算の際に,掛け算の回数をいかに減らすか? (繰り返し2乗法)
- 2023年10月2日 (月)
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- 4.1 Trapdoor functions
- 落とし戸関数 (trapdoor function) とは — 一方の計算は簡単だが,逆方向の計算が困難
- 共通鍵暗号と公開鍵暗号
- 共通鍵暗号の例: シーザー暗号とワンタイムパッド
共通鍵暗号の欠点: 共通鍵が奪われると解読されてしまう (特に鍵輸送の問題)
- 落とし戸関数の例: 素因数分解問題 (PF) ※ 他に離散対数問題 (DLP) などがあります
- RSA公開鍵暗号の仕組み (概略)
- おまけ: RSA-129 (動画: Numberphile より)
RSA公開鍵暗号の考案者の1人 Ron Rivest のインタビューを交えつつ,RSA公開鍵暗号の仕組みとセキュリティについて解説されています (英語)
- 2023年9月25日 (月)
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- 3.5 Congruence theorems of Wilson and Lagrange (続)
- ラグランジュの多項式合同定理: 定理の主張と例
- (補足) 法が合成数のときにラグランジュの定理が成り立たないこと
- 3.4 Fermat's little theorem (続)
- 逆元の指数表記とフェルマーの小定理
- 法 p での原始根
- 2023年9月18日 (月) 敬老の日
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- 3.6 Inverse mod k
- 法が合成数のとき、0と合同でない数 a の逆元が存在するとは限らないこと
- 法が合成数のときの (乗法に関する) 逆元の存在規準
- Z/kZ の可逆元全体 (Z/kZ)× が群をなすこと
- 例: (Z/8Z)×
- (Z/kZ)× の位数: オイラーのトーシェント関数
- オイラーの定理とその証明
- 3.7 Quadratic Diophantine equations
- 合同式がディオファントス方程式の整数解の非存在の証明に使える例
- 素数の形状問題 (フェルマー) に関する歴史的解説
- 2023年9月11日 (月)
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- 3.3 Inverse mod p (続)
- 法 p での逆数の定義と例
- 逆数の存在の証明: ベズーの補題を利用して
- (Z/pZ)× が群をなすこと
- 3.4 Fermat's little theorem (続)
- ラグランジュの定理を用いないフェルマーの小定理の証明の概略
- 3.5 Congruence theorems of Wilson and Lagrange
- ウィルソンの定理とその証明: mod p での因数定理を用いた証明
- ラグランジュの多項式合同定理 (定理の主張まで)
- 2023年9月4日 (月)
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- 3.3 Inverse mod p
- (Z/pZ)× が群をなすこととその証明
(ラグランジュの定理の証明は一旦保留とします)
- 3.4 Fermat's little theorem
- mod p で a, a2, a3,...... の中に同じ値のものが存在すること (鳩の巣原理)
- ラグランジュの定理を用いたフェルマーの小定理の証明の概略
- 2023年6月19日 (月)
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- 3.1 Congruence modulo n
- 3.2 Congruence classes and their arithmetic
- 2.7 The vector Euclidean algorithm
- ベクトル表記を用いてユークリッドの互除法を展開してみる
- 2023年6月12日 (月)
- (補講日により授業なし)
- 2023年6月5日 (月)
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- 2.5 Consequences of unique prime factorization (続)
- 平方数でない自然数の平方根は無理数 (→ 立方根その他にも応用可)
- 素因数分解を用いた最大公約数・最小公倍数の求め方
- 2.6 Linear Diophantine equations
- 1次不定方程式が整数解を持つための条件
- 1次不定方程式の一般解
- 2023年5月29日 (月)
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- 2.4 Primes and factorization (続)
- 素因子の性質 (ユークリッドの補題)
- 素因数分解の一意性の証明 (ユークリッドの補題を用いた背理法)
- 2.5 Consequences of unique prime factorization
- 平方数の互いに素な因子は平方数 (→ 立方数その他にも応用可)
- 2023年5月22日 (月)
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- 2.2 The gcd by division with remainder
- 割り算による最大公約数の求め方 (ユークリッドの互除法)
- 2.3 Linear representation of the gcd (最大公約数の線形表示)
- 互除法による最大公約数の線形表示の求め方 (ベズーの補題)
- 線形表示の計算法
- 2.4 Primes and factorization
- 2023年5月15日 (月)
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- 1.8 Gaussian integers
- ガウスの整数の定義
- ガウスの整数を用いた2平方和恒等式の証明
- ノルムの性質,ノルムの乗法性と2平方和恒等式
- 2.1 The gcd by subtraction
- 2023年5月8日 (月)
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- 1.6 Diophantine equations (続)
- さまざまなディオファントス問題
- ピタゴラス数について: プリンプトン322 の話, ユークリッドの公式
- 1.7 Diophantus chord method
- 単位円周上の有理点の求め方
- ピタゴラス数 (ユークリッドの公式)との関係
- 2023年5月1日 (月)
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- 1.4 Division with remainders
- 余りのある割り算: 商と余りの定義
- 余りのある割り算の計算例
- 分数表記は余りを求めるのには役立たないこと
- 1.5 Binary notation
- 2進法表記の定義
- 2進法表記から10進法表記への “効率の良い” 戻し方
- 2進法表記から10進法表記への変換にかかる操作数の評価
- 1.6 Diophantine equations
- べき根による解の公式: 2次方程式, 3次方程式 (Cardano—Tartaglia), 4次方程式 (Ferrari)
- ディオファントス方程式 (問題) の定義
- 2023年4月24日 (月)
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- 1.1 Natural numbers
- 自然数とは,素数等の定義
- 素数が無限に存在することの証明 (ユークリッド)
- 1.2 Induction
- 帰納法による証明の例 (k3+2k は3の倍数)
- 自然数の帰納的構造と,自然数の演算の定義の仕方 (発展)
- 1.3 Integers
- 4m+7n で表される数はどんな数か? — m, n が自然数の場合と整数の場合
- 0 や負の整数も含めて考えることの欠点と利点
次回は 1.4 から
※ 来週5月1日は 通常授業日 なのでお間違えなく!!
- 2023年4月17日 (月)
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次回からセミナーの本編に入ります (1.1 Natural numbers から)
セミナー日程
第1ターム
4月 3日 (入学式), 10日 (オリエンテーション期間), 17日, 24日
5月 1日, 8日, 15日, 22日, 29日
6月 5日, 12日 (補講日), 19日 (第1ターム授業最終週)
第3ターム
9月 4日, 11日, 18日 (敬老の日 / 授業実施日), 25日
10月 2日, 9日 (スポーツの日 / 授業実施日), 16日, 23日 (津田塾祭 / 休校日), 30日
11月 6日 (第3ターム授業最終週)
第4ターム
11月 13日, 20日, 27日
12月 4日, 11日, 18日, 25日 (休校日)
1月 1日 (元日 / 休校日), 8日 (成人の日/ 休校日), 15日, 22日, 29日 (第4ターム授業最終週)