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数学特別講義B Special Lecture on Mathematics B
津田塾大学数学科 3年〜 (木曜1限)
担当: 原 隆
場所: 南校舎 S105教室
講義内容 (シラバスより):
ピエール・ド・フェルマーによる数学書『算術』への欄外の書き込みに端を発するフェルマーの最終定理 (フェルマー予想) は、1995年にイギリスの数学者アンドリュー・ワイルズによって証明が与えられるまでの実に360年もの間、整数論最大の未解決問題の1つとして君臨し続けてきた難問である。ワイルズによる最終解決までの間に数多の数学者たちがフェルマーの最終定理に挑み続けてきたが、その不断の努力と多角的な試みが現代整数論の劇的な発展に大きく貢献してきたことに疑いの余地はない。本講義は、フェルマーの最終定理をめぐる整数論の発展を概観することで、現代整数論の (ともすれば抽象的かつ難解な諸概念を) 具体例を通じて幅広く学ぶことを目的とした講義である。
教科書: 特定のテキストは指定しない。必要に応じて資料プリントを配布する予定である。
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
授業アンケート実施結果
お知らせ / 更新履歴
- 1月30日 1月30日 (最終回) の講義内容を公開しました。1年間お疲れ様でした!!
- 1月16日 1月16日の講義内容を公開しました。参考資料24については、後日演習問題付きのものに差し替えます。
- 1月9日 1月9日の講義内容を公開しました。参考資料は、作成次第差し替えます (金曜日にはアップ予定)。
- 1月6日 第4ターム 学期末レポートのアナウンスへのリンクが間違っていたようなので修正しました。
- 12月23日 第3ターム レポート講評を公開しました。
- 12月19日 12月19日の講義内容を公開しました。学期末レポートについて告知しました。 次回 (12/26) は休講 ですので、年内の講義はこれで終了です。良いお年をお迎え下さい ノシ
- 12月12日 12月12日の講義内容を公開しました。
- 12月5日 12月5日の講義内容を公開しました。
- 11月30日 第3ターム授業アンケート集計結果を公開しました。
- 11月28日 11月28日の講義内容を公開しました。
- 11月21日 11月21日の講義内容を公開しました。
- 11月14日 11月14日の講義内容を公開しました。これにて第3ターム終了です!! レポートは11月29日 (金)16:00 まで!!
- 11月7日 11月7日の講義内容を公開しました。今回配布予定だった資料は次回お配りします!! (ごめんなさい m(_ _)m)
- 10月31日 10月31日の講義内容を公開しました。今回は配布資料はありません!!
- 10月24日 10月24日の講義内容を公開しました。学期末レポートについて告知しました。
- 10月10日 10月10日の講義内容を公開しました。10月17日は津田塾祭準備で休講のため、次回の講義は 10月24日 (木) です!!
- 10月3日 10月3日の講義内容を公開しました。
- 9月26日 9月26日の講義内容を公開しました。
- 9月19日 9月19日の講義内容を公開しました。
- 9月12日 9月12日の講義内容を公開しました。
- 7月18日 学期末レポート講評、授業アンケート実施結果等 (第1ターム) をアップロードしました。
- 6月13日 6月13日の講義内容を公開しました。第1タームの講義は以上です。お疲れさまでした!!
- 6月6日 6月6日の講義内容を公開しました。
- 5月30日 5月30日の講義内容を公開しました。
- 5月23日 5月23日の講義内容を公開しました。
- 5月16日 5月16日の講義内容を公開しました。参考資料2の演習課題2-2, 2-3 に誤植がありましたので、赤字で修正しました。 (指摘してくださった方、ありがとうございます)
- 5月9日 5月9日の講義内容を公開しました。第1タームの学期末レポートについては、次回 (5月16日の講義) のときに周知します。
- 4月25日 4月25日の講義内容を公開しました。次回は5月9日 (木) です。良いGWを!!
- 4月18日 4月18日の講義内容を公開しました。
- 4月11日 4月11日の講義内容を公開しました。資料が足りなくてすみません。貰っていない方は下記リンクからダウンロードしてください。
- 初回の講義は 4月11日 (木) です。
講義内容
- 2020年1月30日 (木)
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- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- レベル付きモジュラー形式と谷山–志村予想
- 谷山–志村予想とモジュラー性 (復習)
- モジュラー性の例: ハッセ–ヴェイユ L 関数とエータ積の展開を比較してみる
- 谷山–志村予想とフェルマーの最終定理
- フライ曲線の定義: フェルマー方程式の非自明な解から作られる “特異な” 楕円曲線
- フライ–セール–リベの定理: “フライ曲線はモジュラーでない” !!
- ワイルズの仕事: 半安定な楕円曲線に対する谷山–志村予想の解決
→ フェルマーの最終定理解決!!
- 参考資料25 (谷山–志村予想とフェルマーの最終定理)
講義は以上です。半年間お疲れ様でした!!
- 2020年1月13日 (木)
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- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- モジュラー形式のフーリエ級数展開 (続)
- アイゼンシュタイン級数のフーリエ級数展開 (続)
- ラマヌジャンのデルタ関数の無限積表示とラマヌジャンのタウ関数
- ラマヌジャンの L 関数とそのオイラー積表示について
- レベル付きモジュラー形式と谷山–志村予想
- 合同部分群および (Γ0型) レベル付きモジュラー形式の定義
- モジュラー形式のヘッケ L 関数の定義: フーリエ係数に関するディリクレ級数として
- 谷山–志村予想の主張の紹介: L 関数の対応の観点から
- 参考資料24 (レベル付きモジュラー形式と谷山志村予想)
演習問題は後日更新します。 演習問題更新しました (2020/01/29)
次回 (1/30; 最終回!! ) はモジュラー性の例 (参考資料23の例) を概観した後、谷山–志村予想とフェルマーの最終定理の関係 (フライ曲線の非存在性) について解説します。
- 2020年1月9日 (木)
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- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- モジュラー形式 (続)
- 復習: 重さ 2k のモジュラー形式と尖点形式の (天下り式の) 定義
- モジュラー形式の例2: ラマヌジャンのデルタ関数 (重さ12の尖点形式)
※ G4 の3乗と G6 の6乗 (どちらも重さ12) の線形結合の係数を巧く選んで、z (の虚部) を無限大にしたときの極限値が打ち消しあうようにしている!!
※ ラマヌジャンのデルタ関数については、年明けに補足する予定。
- モジュラー形式のフーリエ級数展開
- モジュラー関数が周期1の周期関数であること: モジュラー性を用いて
- フーリエ級数展開: 周期関数の一般論を仮定して
- アイゼンシュタイン級数のフーリエ級数展開: cot z の2つの表示を利用して
※ 途中まで。残りは次回
- 参考資料23 (モジュラー形式のフーリエ級数展開)
※ コンパイルと間違えてデータ消しちゃいました (T_T) 作るのは大変なのに、消えるのは一瞬ですね……
復元 (再作成) が完成次第差し替えます
次回はフーリエ級数展開の導出の続きとレベル付き保型形式、谷山志村予想について
- 2019年12月26日 (木)
- 出張のため 休講
- 2019年12月19日 (木)
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- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- ポワンカレ上半平面とメービウス変換
- ポワンカレ上半平面の定義
- 参考: 双曲平面としてのポワンカレ上半平面と非ユークリッド幾何学
- メービウス変換の定義
- 参考: &ldqio;円円対応” としてのメービウス変換
- モジュラー群 (整数係数特殊線形群) の定義
モジュラー群はメービウス変換によってポワンカレ上半平面に作用する
- モジュラー形式
- 重さ 2k のモジュラー形式と尖点形式の (天下り式の) 定義
- モジュラー形式の例1: アイゼンシュタイン級数
正則性, モジュラー性, 尖点での正則性の確認の方針
※ ラマヌジャンのデルタ関数については、年明けに補足する予定。
- 参考資料22 (モジュラー形式の定義と例)
※ 脚注の番号が不適合 (注2が2つある) であったので修正しました。
※ 脚注2 (ユークリッドの平行線の公準の解説の方) の「内閣」はもちろん「内角」の誤植です。
※ モジュラー形式の定義 (定義22.4) で、k は0以上の整数としてください (自然数でも間違いとまでは言い切れませんが)
以上の誤植は、リンク先ファイルでは修正済みです。
- 学期末レポートについて (第4ターム)
※ プリントにも記載したように、今タームは 文献の引用の仕方 についてはシビアにチェックしますので、ご了承ください。
※ 4年生は提出締切・場所に注意すること!!
次回はモジュラー形式のフーリエ級数展開の話とモジュラー曲線について (そんなに話できなそうだけど)
それでは良いお年を!!
- 2019年12月12日 (木)
-
- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- 楕円曲線の Fp有理点
- 楕円曲線の法 p 還元と Fp有理点の集合
- Fp有理点の計算例
- p 欠損の定義とその分布, 虚数乗法を持つ / 持たない楕円曲線
… p 欠損の分布とモジュラー形式の強い関係を示唆するのが谷山–志村予想
- 楕円曲線の良い還元と悪い還元
- 楕円曲線のハッセ–ヴェイユ L 関数の定義
- 参考資料21 (楕円曲線の還元とハッセ–ヴェイユの L 関数)
※ 脚注2の「情報 ×」は「乗法 ×」の誤植です。
※ ハッセの不等式 (定理-定義21.5, 演習問題21-5.) の不等号に等号が入っていました。正しくは |ap(E)| < 2√p です。
以上の誤植は、リンク先ファイルでは修正済みです。
次回はモジュラー形式超入門 ※12/26は 休講 の予定です!!
- 2019年12月5日 (木)
-
- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- 楕円曲線の有理点
- 楕円曲線の群構造の復習
- 楕円曲線の有理点の集合が部分群をなすこと (モーデル–ヴェイユ群)
- モーデル–ヴェイユの定理: モーデル–ヴェイユ群は有限生成アーベル群
- 捩れ点の構造: メイザーの捩れ点定理、ナーゲル–ルッツの定理
- 例題: 捩れ点の決定
- 参考資料20 (楕円曲線の有理点)
※ n<0 のときの [n](P) の定義で−が1つ余分についてました。
※ メイザーの定理の m≧10 は m≦10 の誤植です。
※ ナーゲル–ルッツの定理の (2) で y0 の指数2が抜けていました (いずれもリンク先では訂正済み)
次回は楕円曲線の還元とハッセ–ヴェイユの L 関数について
- 2019年11月28日 (木)
-
- フェルマーの最終定理と楕円曲線 (続)
- 楕円曲線
- 楕円曲線の定義とワイエルシュトラスの標準形
- 楕円曲線の例 (ユークリッド平面内の曲線として)
- “無限遠点” と射影平面
- “無限遠点” の考え方 — 平行な2直線は “無限遠” で交わっていると考える
- “無限遠点” の定義、射影平面=ユークリッド平面+“無限遠点”
- 射影平面の “作り方”
- 楕円曲線の群構造
- 単位元 (“無限遠点”) の定義
- 楕円曲線の加法の定義、加法に関して可換群となること (主張のみ)
- 楕円曲線の2点の和の計算例
- 参考資料19 (楕円曲線とその群構造、射影平面の幾何の基礎)
※ 未配布です。次回配布します (すみません)
※ 次回は楕円曲線の有理点の構造についてお話しする予定です。
- 2019年11月21日 (木)
-
- フェルマーの最終定理と楕円曲線
- ピタゴラス数と単位円の有理点
- ピタゴラス数と単位円上の有理点との対応
- 単位円上の有理点の無限構成: 適切な直線との交点として
- フェルマーの最終定理とフェルマー曲線
- フェルマー曲線の定義と、最終定理との関係
… フェルマー曲線上には自明でない有理点は存在しない (だろう)
- 代数曲線の非特異性、種数の定義とその “図形的” な意味
- 種数と有理点の関係
- モーデル–ファルティングスの定理: 種数が2以上の代数曲線の有理点は有限個
- 参考資料18 (ピタゴラス数と単位円、フェルマー曲線の有理点)
※ 次回から少しずつ楕円曲線の幾何学に入っていきます。
- 2019年11月14日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- 類数とフェルマーの最終定理
- クンマーの定理の証明の概略
- 円分整数を用いた因数分解と、各因子の “理想数” としての最大公約数の計算
- 最大公約 “理想数” に応じる場合分け
- 〈ケース2〉の無限降下法による証明方針
- “理想素因子” と正則性の条件がどこで活かされているかの解説
- 参考資料17 (クンマーの定理の証明の概略)
※ 次回 (第4ターム) からは、楕円曲線とフェルマーの最終定理の関係について解説します (がらっと雰囲気が変わります)。
- 2019年11月7日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- 類数とフェルマーの最終定理
- ラメによるフェルマーの最終定理の証明のアイデア (復習)
- クンマーのアイデア: 理想素因子分解を用いる → 理想数と実際の數との差を知りたい!!
- 理想数の同値関係の定義、理想数の類群 (イデアル類群) の定義
- イデアル類群の有限性と類数の定義
- 正則素数に対するフェルマーの最終定理 (クンマーの定理) の紹介
- クンマーの判定法: p が正則 ⇔ p が第 (p-3) までの関–ベルヌーイ数の分子を割り切らない
- 関–ベルヌーイ数の定義とファウルハーバーの公式
- 非正則素数のイデアル類群の p 部分と岩澤理論
- 参考資料16 (イデアル類群と類数について)
※ 次回、正則素数に対するフェルマーの最終定理の証明の概略を解説して第3タームは終了です!!
- 2019年10月31日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- クンマーの “理想数” の理論 (続)
- “理想素因子” を取り出すアイデア: q の素因子のうち1つだけが欠けている円分整数を「試薬」として用いる
- “理想素因子” の定義
- 円分整数の “理想素因子” 分解とその一意性
- デデキントのイデアル論
- “理想数” からイデアル (集合) へ — “理想数” で割り切れる数の集合を考える
- “理想数” で割り切れる数の集合の性質
- イデアルの定義と例
- 有理整数環では、2元生成のイデアルは最大公約数で生成される単項イデアルと一致 (1次不定式論の帰結)
- クンマーの例のイデアル論的解釈
※ 次回、次々回は “理想素因子” 分解を用いた正則素数に対するフェルマーの最終定理の証明の概略 (クンマー) を扱う予定。
- 2019年10月24日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- 復習と補足: 有理素数の円分整数による “素元分解”
qf≡1 (mod p) を満たす有理素数は、或る素元の (p −1) 個の共役のうちの (p −1)/f 個の積として表される (はず)
- クンマーの “理想数” の理論
- 有理素数の “素元分解” が存在しない例
23次円分体に於いて、ノルムが 47, 139 となる素元 (円分整数) は存在しない!!
- クンマーのアイデア: 47, 139 は “理想素因子” の22個の共役の積に “仮想的に” 分解しており、組み合わさることで実在する円分整数となる!!
“理想素因子で割り切れている” ことをどのようにして (絵空事を持ち出さずに) 定式化するか?
- 学期末レポートについて (第3ターム)
- 参考資料15 (理想素因子とイデアルとの関係)
※ 次回は “理想素因子” の定式化と、イデアルとの関係について扱う予定です。
- 2019年10月17日 (木)
- 津田塾祭準備のため 休講
- 2019年10月10日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- k−ζp の素因子の性質 (続)
- 定理: 仮定の元で、素元 π のノルムは qπ と一致
- 証明の方針: ケース1とケース2で大きく異なる
- 完全分岐する素数 p と完全分解する素数
- 円分整数の素元を求めて
- p=5,7 のときの素元の計算例
- p=23 のとき、ノルムが 47 となる素元は存在しない (予告)
- 参考資料14 (クンマーの理想素因子について)
※ 式1 の左辺を 47 から 47・139 に修正しました (酷い誤植ですね、すみません)。
※ 次回はクンマーによる “理想素因子” の概念の紹介と、現代のイデアルの概念との関係について扱う予定
- 2019年10月3日 (木)
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- クンマーの円分整数論 (続)
- 素元と既約元
- 有理素数の2つの側面: 復習
- 既約元と素元の定義
- 補題: 円分整数環の素元 π に対し、π で割り切れる有理素数が唯一つ存在する
- 円分整数の合同式
- 円分整数の合同式の定義
- 補題: 円分整数を法とする有理整数間の合同式を、有理整数を法とする合同式に帰着させる方法
- k−ζp の素因子の性質
- 仮定 π | (k−ζp) から従うこと: 円分整数の世界での議論を有理整数の世界での議論に帰着出来る
- k, qπ の満たすべき条件
- 定理: 仮定の元で、素元 π のノルムは qπ と一致 (証明は次回)
- コメント: 定理の逆も従うので、ノルムが素数となる円分整数を見つければそれが素元となる
- 参考資料13 (クンマーの円分整数論: k−ζp の素因子を求めて)
※ 演習問題13-5, 演習問題13-6 に落丁がありました (次回修正版を配布します)。リンク先では演習問題の落丁は 赤字で 修正してあります。
※ 次回は、定理の証明とクンマーによる “素元捜し” のテクニックの紹介です (時間があれば理想数の話の前振り)
- 2019年9月26日 (木)
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- クンマーの円分整数論
- 円分整数 cyclotomic integers
- 1の n 乗根について (復習)
- 円分整数の定義
- クンマーの記法と注意: 違う多項式が同じ円分整数を表すことがある
- 円分整数に対する約数・倍数の定義、単数の定義
- 円分単数のノルム (n=p が奇素数の場合)
- 共役元の定義とノルムの定義
- 円分整数のノルムの計算例 — 計算に少しだけ工夫して
- 円分整数のノルムは0以上の有理整数
- ノルムが0となるのはもとの数が0のときのみ
- ノルムが1となるのはもとの数が単数のときのみ
(証明は割愛: 参考資料12の命題12.9の証明を参照)
- 参考: ノルムの計算の工夫とガロワ理論の関係
- 参考資料12 (クンマーの演習円分論: 序論)
※ 演習問題12-1. の等式の最後の ζnn-1 は ζnn-1 の誤植です (リンク先では修正済み)
※ 参考資料12の最後の命題は12.7ではなく12.10でした (したがって演習問題12-6. も命題12.10の証明となります)。リンク先では番号修正済みです。
※ 次回は、クンマーの考察に沿って円分整数の素元について探っていきます。
- 2019年9月19日 (木)
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- n=4,3 以降の展開 (続)
- ソフィー・ジェルマンの定理 (続)
- ソフィー・ジェルマンの定理の一般形の証明
- ソフィー・ジェルマンの定理の着眼点
議論するのに “都合の良い素数” (での剰余類) を考える
- n=4,3 以降の証明の経緯
- 1847年の事件
- ラメによる “複素数の範囲での因数分解” を用いるアイデア
- クンマーの指摘: “拡張した整数の世界” では素因数分解の一意性は成り立たない!!
- “素因数分解の一意性” が成り立たない例 — 2次体の整数環の場合
- クンマーのアイデア: 理想数 ideale Zahlen とは
- 参考資料11 (ラメ–コーシーの争いからクンマーの円分整数論へ)
※ 演習問題番号が 13-** となっていたので 11-** に直しておいてください (リンク先の資料は修正してあります)
※ 次回からは、クンマーの円分整数論を通じて理想数のアイデアに迫っていく予定です
- 2019年9月12日 (木)
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- 第1タームの復習、合同式について
- n=4,3 以降の展開
- ソフィー・ジェルマンの定理
- フェルマーの最終定理の第1の場合 / 第2の場合
- ソフィー・ジェルマンの定理の主張: q=2p+1 が素数ならば、n=p でのフェルマーの最終定理の第1の場合は正しい
- ソフィー・ジェルマン素数について
- 補題: (ap+bp)/(a+b) の性質
- ソフィー・ジェルマンの定理の一般形: p が法 q で p 乗数でなく、かつ法 q での (指数 p の) フェルマー方程式が自明な解しか持たないような奇素数 q が存在するならば、n=p でのフェルマーの最終定理の第1の場合は正しい
- ソフィー・ジェルマンの定理 (q=2p+1が素数の場合) の一般形からの導出
— フェルマーの小定理と関係式 q=2p+1 を組み合せて
- 参考資料10 (ソフィー・ジェルマンの定理)
※ 次回はソフィー・ジェルマンの定理の一般形の証明からです。
〜夏休み〜
- 2019年6月6日 (木)
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- ガウスの整数の応用 (続)
- n=4 でのフェルマーの最終定理 — ガウスの整数を用いて
- 主張: n=4でのフェルマー方程式は、非自明なガウスの整数解を持たない
- 方針: ガウスの整数の素因数分解の一意性と矛盾させる
— 素因子 λ=1-i に着目する
- 証明の概略 (ヒルベルトの証明?)
※ 高木貞治『初等整数論講義』も参照にしました。
- 補足: アイゼンシュタインの整数を用いると、同様の議論で n=4 でのフェルマーの最終定理も証明出来る (ガウスの証明)
→ 整数を “拡張して” フェルマー方程式を因数分解すれば、最終定理が証明出来るのでは?
… 代数的整数論の世界へ (第3タームへと続く)
- 参考資料9 (ガウスの整数の応用2)
第1タームの講義は以上で終了です お疲れさまでした!!
- 2019年6月6日 (木)
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- ガウスの整数 (続)
- ガウスの素数の分類
- ガウスの素数の分類の復習
- 複素平面上で見たガウスの素数 — ガウスの絨毯
- ガウスの整数の応用
- ピタゴラス数とガウスの整数
- 原始的ピタゴラス数のディオファントスの公式の復習
- 方針: x2+y2=(x+yi)(x-yi) と因数分解
- 命題: 互いに素なガウスの整数の積が平方数なら、それぞれのガウスの整数は平方数と同伴になる
- ガウスの整数を用いたディオファントスの公式の証明: 特にガウスの単数, 同伴の扱いに注意して
- 授業評価アンケート を実施しました。
本日出席していない / 回答していない方は、6月19日 (水) までに上記リンクよりログインして回答してください。ご協力をお願いします (特に自由回答欄に要望・感想などを少しでも書いていただけると嬉しいです)
- 参考資料8 (ガウスの整数の応用1)
- 2019年5月30日 (木)
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- ガウスの整数 (続)
- 割り算の定理 (続)
- 割り算の計算法: 複素数平面上で α/δ に “一番近いガウスの整数” を商とする
- 割り算の定理から広がる世界: ユークリッドの互除法、ベズーの補題、ユークリッドの補題、素因数分解の存在と一意性定理
- ガウスの素数の分類
- 有理素数は、ガウスの素数であるかガウスの素数のノルムとして表される
- ガウスの素数の分類
- 4で割ると1余る奇素数が、或るガウスの素数のノルムとして表されることのガウスの整数を用いた説明
- 参考資料7 (ガウスの整数3)
- 2019年5月23日 (木)
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- ガウスの整数 (続)
- ガウスの整数とノルム
- ノルムの定義,ガウスの単数の定義
- ガウスの整数が単数であるための必要十分条件は、ノルムが1となること
- ガウスの単数の決定
- ノルムの応用
- 割り算の定理
- 割り算の定理の主張
- 例題: ガウスの整数の商と余りの計算
- 参考資料6 (ガウスの整数2)
- 2019年5月16日 (木)
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- フェルマーの無限降下法 (続)
- 肯定的な命題への応用: フェルマーの2平方和定理 (無限降下法による証明)
- 「x^2+y^2=pn を満たす整数 x,y が存在する」という形の命題に無限降下法を用いる
- Step 1. 平方剰余の相互法則の第1補充法則を用いて x^2+1=pn0 が成り立つことを示す
- 割り算とブラーマグプタの公式を用いて、より小さい n でも命題が成り立つことを示す
- ガウスの整数
- ガウスの整数の定義
- 2平方和定理の意味: 4で割ると1余る奇素数は、ガウスの整数の世界ではさらに分解する!!
- ガウスの単数の定義
次回はガウスの単数が4つしかないことを証明したのちに、ガウスの素数について考察します。
- 学期末レポートについて
- 参考資料5 (フェルマーの無限降下法2, ガウスの整数1)
- 2019年5月9日 (木)
-
- フェルマーの無限降下法
- 無限降下法とは? — 自然数を “無限に降りることは出来ない” ことを利用した背理法の一種
- n=4 でのフェルマーの最終定理 — 無限降下法を用いて (オイラーの証明)
- 原始ピタゴラス数に対するディオファントスの公式の利用
- “互いに素な整数 a,b の積が平方数ならば、a,b はどちらも平方数” を用いて 〇4+△4=□2 の形を復元する
- 参考資料4 (フェルマーの無限降下法1)
- 2019年5月2日 (木)
- 国民の祝日による休講日 (ゴールデンウィーク)
- 2019年4月25日 (木)
-
- 有理整数の性質 (続)
- ユークリッドの補題: p が ab を割り切るならば、p は a と b の一方を割り切る
- 素因数分解の存在と一意性定理
- 系: 互いに素な整数 a,b の積が平方数ならば、a,b はどちらも平方数
- 原始的ピタゴラス数に対するディオファントスの公式と証明の概略
- 参考資料3 (有理整数の性質2)
- 2019年4月18日 (木)
-
- 有理整数の性質
- 有理数の集合と整数の集合 — 有理数の集合には “底がある”
- 割り算の定理とその証明 (商と余りの存在のみ; 一意性は演習問題)
- 約数, 倍数, (最大) 公約数, (最小) 公倍数
- ベズーの補題と1次不定方程式の解の存在条件
- 参考資料2 (有理整数の性質1; 誤植をいくつか修正しました)
- 2019年4月11日 (木)
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- ピタゴラス数とフェルマーの最終定理
- ピタゴラス数
- ピタゴラスの定理 (三平方の定理) の復習
- ピタゴラス数の定義と例: ピタゴラス数は「整数の範囲で考えるから難しい」
- ピタゴラス数の性質: x2+y2=z2 のとき、x, y の少なくとも一方は偶数
- フェルマーの最終定理
- フェルマーの最終定理の主張の紹介
- 歴史的な経緯: ディオファントスによるピタゴラス数の公式からワイルズによる完全解決まで
- この講義の目的: フェルマーの最終定理解決への取り組みと整数論の発展を概観しよう!!
- 講義のガイダンス (事務的な内容について) ガイダンス資料
- 参考資料1 (ピタゴラス数とフェルマーの最終定理)
セミナー日程
第1ターム
4月 11日, 18日, 25日
5月 2日 (国民の祝日 / 休講日), 9日, 16日, 23日, 30日
6月 6日, 13日 (第1ターム最終授業日), (11日, 12日) (補講日)
第3ターム
9月 12日, 19日, 26日
10月 3日, 10日, 17日 (津田塾祭準備 / 休講), 24日, 31日
11月 7日, 14日 (第3ターム最終授業日), (2日, 6日 補講日)
第4ターム
11月 21日, 28日
12月 5日, 12日, 19日, 26日
1月 2日 (冬期休暇), 9日, 16日, 30日 (第4ターム最終授業日), (21日, 23日 補講日)