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4年セミナー Seminar Ⅳ
津田塾大学数学科 4年 (木曜3, 4限)
担当: 原 隆
場所: 7号館7301教室
講義内容 (シラバスより):
代数的整数論 (特に2次体の整数論) にまつわる様々な話題を輪講形式で学習する。また、学生生活の総決算として、これまでに学習してきた知識をもとに卒業研究に取り組む。
取り上げるテーマは2次体の整数論である。2次体は代数体の中でも、有理数体
Q に2次無理数を付け加えて出来る (有理数体に次いで) 最も単純なものであるが、その性質は非常に奥深く、2次体に関連する未解決問題も多い。また “素因数分解の一意性の崩壊” といった、近現代の整数論に於ける重要な問題が具体的に観察できるという意味でも格好の研究対象であると言えよう。2次体の整数論の奥深い世界に触れつつ、各々の興味に基づいて卒業研究に取り組まれたい。
教科書: 青木昇著 『素数と2次体の整数論 (数学のかんどころ15)』 共立出版
このページには主にセミナーの進捗状況を記録していきます (個人的な備忘録のようなものです)。
お知らせ / 更新履歴
- 12月19日 11月28日(木), 12月5日(木), 12月12日(木), 12月19日(木) の内容を公開しました。12月26日(木)は休講です!!
- 11月26日 11月21日(木) の内容を公開しました。
- 11月14日 11月14日(木) の内容を公開しました。
- 11月14日 10月17日(木), 10月24日 (木), 10月25日(金), 10月31日(木), 11月7日 (木) の内容を公開しました。溜め込んですみません m(_ _)m
- 10月10日 10月3日(木), 10月10日 (木) の内容を公開しました。次回は変則日程で 10月17日 (木) です。
- 7月14日 7月4日(木), 7月11日 (木) の内容を公開しました。
- 6月13日 6月13日 (木) の内容を公開しました。6月27日 (木) は 出張のため休講です!! 次回は 7月4日 (木) (於 研究室) です
- 6月6日 6月6日 (木) の内容を公開しました。
- 5月30日 5月30日 (木) の内容を公開しました。
- 5月23日 5月23日 (木) の内容を公開しました。
- 5月16日 5月16日 (木) の内容を公開しました。
- 5月9日 5月9日 (木) の内容を公開しました。
- 4月27日 4月18日 (木), 4月25日 (木) の内容を公開しました。5月の10連休のため、次回のセミナーは 5月8日 です!! 良いGWを!!
- セミナーの初回は 4月11日 (木) です。
進捗状況
- 2019年12月19日 (木)
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- 卒業研究進捗報告
- 素イデアル分解班: 素イデアルの性質、素イデアル分解の存在と一意性
- 単数班: 2次無理数の連分数展開に対するガロワの定理、連分数分解を用いたペル方程式の解の構成
- 卒業論文添削, コメント
- 2019年12月12日 (木)
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- 卒業研究進捗報告
- 単数班: 実数の連分数展開と収束性、ラグランジュの定理
- 素イデアル分解班: イデアルのノルムについて
- 2019年12月5日 (木)
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- 卒業研究進捗報告
- 素イデアル分解班: イデアルの積と演算について
- 単数班: 連分数の定義と簡単な性質
- LaTeX デモンストレーション
- 2019年11月28日 (木)
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- 5.7 x3+y3=z3 と x4+y4=z4 の整数解
- n=3 のフェルマーの最終定理のオイラーによる証明 (残り)
- 卒業研究: グループ分けとテーマ設定
- 2019年11月21日 (木)
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- 5.6 ヤコブスタール和
- ヤコブスタール和の定義と性質
- フェルマーの2平方和定理のヤコブスタール和を用いた明示的証明
- 5.7 x3+y3=z3 と x4+y4=z4 の整数解
- n=3 のフェルマーの最終定理のオイラーによる証明 (最初のケースまで)
- 2019年11月14日 (木)
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- 5.5 UFD における有理素数の素因数分解 (続)
- UFDである2次体における有理素数の素因数分解 (続)
- 素数2および分岐する素数に対する証明
- 素数の分解則の証明のまとめ
- 有理素数の2次形式による表示: 素数の分解則の応用として
- 2019年11月7日 (木)
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- 5.4 PID と UFD (続)
- PID は UFD
- (2次体の) 整数環が UFD ならば PID ※ 一般の環では成り立たない!!
- 5.5 UFD における有理素数の素因数分解
- 2次体の判別式の定義
- UFDである2次体における有理素数の素因数分解 (途中まで)
- 2019年10月31日 (木)
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- 5.3 ユークリッド整域とPID
- ユークリッド整域の定義
- ユークリッド整域となる虚2次体
- 単項イデアル整域 (PID) の定義
- ユークリッド整域は PID
- ユークリッドの互除法のユークリッド整域への一般化
- 5.4 PID と UFD
- 2019年10月25日 (金)
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- 5.2 イデアル
- イデアルの定義と基本性質
- 原始的イデアルと標準基底
- 2次体の整数環の任意のイデアルは2元生成
- 2019年10月24日 (木)
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- 4.6 フィボナッチ数列の周期性 (続)
- p≡±1 (mod 5) のときの証明: mod 5 での特性多項式の根を用いる
- p≡±2 (mod 5) のときの証明: 2次体の整数を用いた証明
- 5.1 2次体の素数
- 2次体の素数の定義 (※ 環論的には “既約元” の定義)
- ノルムを用いた素数の判定法
- 2次体の整数の素因数分解 (既約元分解)
- 素因数分解の一意性と一意分解整域 (UFD)
- 2019年10月17日 (木)
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- 4.5 2次体の単数群 (続)
- 実2次体の単数群の構造
- 無理数の有理数による近似
- 基本単数 (1より大きい最小の単数) の存在の証明 …… “鳩の巣論法” を用いて
- 4.6 フィボナッチ数列の周期性
- フィボナッチ数列の周期性の例と主定理
- フィボナッチ数列の一般項
- 2019年10月10日 (木)
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- 4.3 2次体の整数環における整除 (続)
- 最大公約数・最小公倍数の定義 ※ 単数倍の不定性!!
- 最大公約数が存在しない例
- 4.4 2次体の整数環における合同
- 2次体の整数に対する合同式の定義
- 2次体の整数環の剰余類とその有限性
- 4.5 2次体の単数群
- 単数群の定義、K× の部分群となること
- 虚2次体の単数群の決定
- 実2次体の単数群の構造と基本単数 (次回は証明から)
- 補足: 実2次体の基本単数とペル方程式について
- 2019年10月3日 (木)
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- 4.2 2次体の整数環
- 2次体の整数環の定義、整数環の元の特徴付け
- 2次体の整数環と有理数体の共通部分は有理整数環, 整数環は2次体の部分環
- 4.3 2次体の整数環における整除
- 約数・倍数の定義
- 単数の定義、同伴関係の定義
- 単数の特徴付け: ノルムが ±1 の元
- 整除関係とノルム
- 2019年9月26日 (木)
- 教育実習期間のため休講
- 2019年9月19日 (木)
- 教育実習期間のため休講
- 2019年9月12日 (木)
- 教育実習期間のため休講
〜夏休み〜
- 2019年7月11日 (木)
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- 4.1 2次体
- 2次体の定義、2次体が有理数体上の2次元ベクトル空間となること
- 2次体の共役元の定義とその性質
- 2次体の元の (Z上の) 最小多項式, 共役元の最小多項式が一致すること
- 2次体の元のノルムとトレースおよびその性質
- 線形代数との関係; α倍写像の特性多項式/行列式/トレース
※ 第3タームは (教育実習等の都合により) 10月3日 (木) からです。4.2節から始めます。間が空いてしまうので、しっかり予習復習しておきましょう!!
- 2019年7月4日 (木)
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- 3.4 平方剰余の相互法則の証明
- 第2補充法則の証明: オイラーの規準と1の羃根を用いた計算
- 相互法則の証明: τqp≡(p/q)τp (mod p) を用いて
※ 次回は4.1節から
- 2019年6月6日 (木)
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- 3.1 ルジャンドル記号 (続)
- 3.2 ヤコビ記号
- 3.3 ガウス和
- ガウス和の定義と例 (p=3, 5 のときの計算)
- ガウス和の2乗の計算 (±p と一致すること)
※ 次回は3.3節の残りから (メインは平方剰余の相互法則の証明です)
- 2019年6月6日 (木)
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- 2.6 既約剰余類群 (続)
- 既約剰余類の位数
- 素数羃を法とする既約剰余類群の構造
- 3.1 ルジャンドル記号
- 平方剰余, 平方非剰余, ルジャンドル記号の定義
- ルジャンドル記号の性質
- オイラーの規準
※ 次回は3.1節の残りから
- 2019年5月30日 (木)
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- 2.5 整数の剰余類 (続)
- 剰余類の集合が環となること
- 中国式剰余定理 — 環の同型の観点から
- 2.6 既約剰余類群
- 既約剰余類の定義、既約剰余類の集合が群をなすこと
- 位数が4の既約剰余類群で同型になるものとならないものの例
- 中国式剰余定理と既約剰余類群
※ 次回は2.6節の残りから
- 2019年5月23日 (木)
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- 2.4 原始根 (続)
- 整数係数多項式の割り算の定理
- 素数を法として、n 次多項式は高々 n 個しか根を持たない
- 原始根の存在定理の証明
- 応用: ウィルソンの定理の証明
- 2.5 整数の剰余類
- 剰余類の定義、剰余類の加法と乗法の well-definedness
- 可換環の定義と例
※ 次回は2.5節の残りから
- 2019年5月16日 (木)
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- 2.3 オイラーの定理
- オイラーのφ関数 (トーシェント関数)
- オイラーの定理とその証明
- φ関数の乗法性
- φ関数の等式
- 2.4 原始根
- 法 m での位数 (order) の定義
- 位数 (order) の性質と例
- 法 p での原始根の定義
※ 次回は2.4節の残り+2.5節の前半
- 2019年5月9日 (木)
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- 1.6 ユークリッドの互除法
- ユークリッドの互除法のアルゴリズム
- ユークリッドの互除法の原理と証明
- 計算例
- 1.7 ピタゴラス数
- ピタゴラス数の定義、原始的ピタゴラス数
- 原始的ピタゴラス数に対するディオファントスの公式
- 鍵補題: 互いに素な数の積が平方数ならば、それぞれの数が平方数
- ディオファントスの公式の概略
- 補足: 原始的ピタゴラス数の計算例、フェルマーの最終定理について
※ 次回は2.3節から。代数入門や3年セミナーで扱ったということで、「2.1 合同式」「2.2 フェルマーの小定理」は復習も兼ねて各自で読んでおいてください!!
- 2019年5月2日 (木)
- 国民の祝日による休講日 (ゴールデンウィーク)
- 2019年4月25日 (木)
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- 1.3 Z のイデアル (残り)
- 応用: Z の単項イデアルの共通部分は最小公倍数で生成される単項イデアル
- 1.5 p 進付値
- p 進付値の定義と諸性質
- GCD(a1,...,an) は pmin{vp(a1),...,vp(an)} の積と一致する
- p 進付値の有理数への拡張と well-definedness
- 整数=すべての p 進付値が0以上であるような有理数
- 応用: 平方数でない整数の平方根の無理性の証明
- 補足: 乗法的 p 進付値と p 進数体
- 課題1: イデアルの共通部分がイデアルとなることを確かめる
- 課題2: LCM(a1,...,an) が pmax{vp(a1),...,vp(an)} の積と一致することをきちんと証明する
※ 次回は1.6節、1.7節
- 2019年4月18日 (木)
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- 1.3 Z のイデアル (続き)
- Z のすべてのイデアルは mZ の形で表される (つまり Z は単項イデアル整域)
- 応用: Z の単項イデアルの和は、最大公約数で生成される単項イデアル
※ Z の単項イデアルの共通部分が最小公倍数で生成される単項イデアルとなることは次回
- 1.4 素因数分解の一意性
- 素数と合成数の定義
- ユークリッドの補題: p|ab ならば p|a または p|b
- 素因数分解の存在と一意性の証明: 数学的帰納法を用いて
※ 次回は1.2節の残りと1.4節です
- 2019年4月11日 (木)
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- ガイダンス: セミナーに参加するに当たって
- 1.2 約数と倍数 〜 1.3 Z のイデアル (冒頭部)
- 約数,倍数,最大公約数,最小公倍数の定義と性質
- Z のイデアルの定義,整数の1次形式で表される部分集合が Z のイデアル となること
- 群,部分群の定義と例 (復習; グループ学習)
- Z のイデアルが加法に関して Z の部分群となっていることの確認 (グループ学習)
- 課題: 問題1.5 にきちんと証明をつける
※ 次回は2.3節の続きからです。
セミナー日程
第1ターム
4月 11日, 18日, 25日
5月 2日 (国民の祝日 / 休講日), 9日, 16日, 23日, 30日
6月 6日, 13日 (第1ターム最終授業日), (11日, 12日) (補講日)
第3ターム
9月 12日, 19日, 26日
10月 3日, 10日, 17日 (津田塾祭準備 / 休講), 24日, 31日
11月 7日, 14日 (第3ターム最終授業日), (2日, 6日 補講日)
第4ターム
11月 21日, 28日
12月 5日, 12日, 19日, 26日
1月 2日 (冬期休暇), 9日, 16日, 30日 (第4ターム最終授業日), (21日, 23日 補講日)