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3年セミナー Seminar Ⅲ
津田塾大学数学科 3年 (月曜2限)
担当: 原 隆
場所: 7号館7305教室
講義内容 (シラバスより):
整数論の基本的なテキストを利用して輪読式のセミナーを実施し、近現代の整数論にまつわる専門知識を身に付け、本格的な数学の研究に向けて数学的な基礎力を確立することを目的とする。
テキストは、初等整数論の話題 (ピタゴラス数、素数、合同式など) から解析的数論 (ディオファントス近似、連分数など)、代数的整数論 (ガウスの整数など)、数論幾何 (楕円曲線など) まで幅広いジャンルから様々なトピックスを取り上げて解説した、まさに「整数論の玉手箱」のような一冊である。その分ボリュームのあるテキストであるため1年間のセミナーで通読するのは難しいが、受講者の興味も加味しつつ、なるべく多くの話題に触れられるようにセミナーを進めてゆきたい。
教科書: ジョセフ・H・シルヴァーマン著,鈴木治郎訳『はじめての数論-発見と証明の大航海 ピタゴラスの定理から楕円曲線まで』(丸善出版)
このページには主にセミナーの進捗状況を記録していきます (個人的な備忘録のようなものです)。
お知らせ / 更新履歴
- 1月6日 明けましておめでとうございます。1月6日 (月) の内容を更新しました。1月13日は成人の日のため休講 (休校日) です。
- 12月23日 12月23日 (月) の内容を更新しました。それでは良いお年を!!
- 12月19日 12月6日 (月) の内容を更新しました。
- 12月12日 12月9日 (月) の内容を更新しました。
- 12月5日 12月2日 (月) の内容を更新しました。
- 11月26日 11月25日 (月) の内容を更新しました。
- 11月18日 11月18日 (月) の内容を更新しました。
- 11月14日 11月11日 (月) の内容を更新しました。
- 11月4日 11月4日 (月) の内容を更新しました。
- 10月28日 10月28日 (月) の内容を更新しました。
- 10月16日 10月14日 (月) の内容を更新しました。10月21日は 津田塾祭のため休講 です。
- 10月7日 10月7日 (月) の内容を更新しました。
- 9月30日 9月30日 (月) の内容を更新しました。
- 9月23日 9月23日 (月) の内容を更新しました。
- 9月16日 9月16日 (月) の内容を更新しました。
- 6月17日 6月17日 (月) の内容を更新しました。第1タームのセミナーは終了しました。それでは楽しい夏休みを!!
- 6月10日 6月10日 (月) の内容を更新しました。次回は第1ターム最終週につき 10:40開始 となります!!
- 6月3日 6月3日 (月) の内容を更新しました。
- 5月27日 5月27日 (月) の内容を更新しました。
- 5月23日 5月20日 (月) の内容を更新しました。
- 5月13日 5月13日 (月) の内容を更新しました。来週 (5月20日) は 全学避難訓練です!!
- 4月22日 4月22日 (月) の内容を更新しました。5月の10連休のため、次回のセミナーは 5月13日 です!!
- 4月15日 4月15日 (月) の内容を更新しました。
- 4月8日 4月8日 (月) の内容を更新しました。
- セミナーの初回は 4月8日 (月) です。
進捗状況
- 2020年1月6日 (月)
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- 第25章 平方剰余の相互法則 (続)
- ルジャンドル記号の計算
- ヤコビ記号と平方剰余の相互定理の一般化 (次回少し補足します)
- 問題演習: ルジャンドル記号の計算 (テキスト 練習問題25.1 (a), (b))
- 注意: ヤコビ記号が1だからといって、法 m での平方剰余となっているとは限らない!!
- 平方剰余の相互法則の証明についての補足
(すみません、証明がまったく載っていないとは思いませんでした。相互法則の証明については、年明けに補足します)
- 補足資料 (平方剰余の相互法則のガウスによる第3証明について)
残り (1/20, 27) は第26章です
- 2019年12月23日 (月)
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- 第25章 平方剰余の相互法則 (続)
- 平方剰余の相互法則の証明 (高木貞治『初等整数論講義』に基づいて)
- ガウスの補題: 第2補充法則の証明の一般化
- ガウスの補題を用いた相互法則の証明
格子点を利用して、ガウスの補題を満たす整数組を “数え上げる”
(すみません、証明がまったく載っていないとは思いませんでした。相互法則の証明については、年明けに補足します)
- 年末レポート課題 (ルジャンドル記号の計算)
年明けのセミナーの際に原まで直接提出してください。
次回 (1/6) は平方剰余の相互法則に関する補足等です
- 2019年12月16日 (月)
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- 第24章 pを法として–1は平方数ですか? 2はどうですか? (続)
- 第25章 平方剰余の相互法則
次回 (12/23) は平方剰余の相互法則の証明を、出来るところまでやる予定
- 2019年12月9日 (月)
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- 第24章 pを法として–1は平方数ですか? 2はどうですか? (続)
- 平方剰余の相互法則の第1補充法則とその証明
- 平方剰余の相互法則の第2補充法則
- 証明のアイデア: 代表元2を2つに分けて、大きい方は–pして “折り返す”
次回 (12/16) は第24章の残り (第2補充法則) と第25章 (平方剰余の相互法則)
- 2019年12月2日 (月)
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- 第23章 法 p での平方数 (続)
- ルジャンドル記号の定義
- 平方剰余の積法則のルジャンドル記号を用いた言い換え
- 第24章 pを法として–1は平方数ですか? 2はどうですか?
- –1が平方数となるような奇素数の法のパターン
- オイラーの規準とその証明: 原始根を用いて
次回 (12/9) は第24章の残り (平方剰余の第1補充法則、第2補充法則)
- 2019年11月25日 (月)
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- 第23章 法 p での平方数 (続)
- 平方剰余の個数は (p-1)/2 個である
- 原始根と平方剰余の関係
- 平方剰余の積法則とその証明 —原始根を利用して
次回 (12/2) は第23章の残り (ルジャンドル記号) を終えて、第24章に入ります。
- 2019年11月18日 (月)
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- 第22章 数論世界の対数 — 原始根と指数 (続)
- 原始根の利用例: 掛け算, 羃乗, 1次合同式の計算
- 離散対数問題とエルガマル暗号
- 第23章 法 p での平方数
- 法 p での平方数の計算の具体例
- 平方剰余および平方非剰余の定義
- 平方剰余の個数は (p-1)/2 個である (証明は次回)
- 第21章の補足資料
次回 (11/25) は第23章の残りから
- 2019年11月11日 (月)
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- 第21章 法 p での羃乗と原始根 (続)
- 原始根の存在定理の証明2: Xn-1 の解で指数が n のものの個数 ψ(n) が、オイラーのトーシェント関数の値 φ(n) と一致すること
- 原始根を具体的に見つけるのは難しい: アルティン予想など
- 第22章 数論世界の対数 — 原始根と指数
- 原始根に対する指数の定義
- 指数法則 (対数法則) とその証明
次回 (11/18) は第22章の残りから
- 2019年11月4日 (月) 文化の日振替休日
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- 第21章 法 p での羃乗と原始根
- 法 p での元の指数の定義
- 位数の整除性定理: 法 p での元の位数は (p—1) の約数
- 原始根の存在定理と意味: 法 p の乗法群は巡回群
- 原始根の存在定理の証明1: 法 p で Xp-1—1 はちょうど (p—1) 個の根を持つ。
次回 (11/11) は第21章の残りから
- 2019年10月28日 (月)
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- 第18章 べき乗、べき乗根、そして解読不能な暗号
- 羃乗を用いた暗号化の手順
- 羃乗を用いた複号の手順
- RSA公開鍵暗号の安全性: 巨大な数の素因数分解の困難さ
- 補足
- 公開鍵暗号と共通鍵暗号: 鍵共有問題について
- 楕円曲線暗号: “足し算の出来る曲線” の構造を用いて、暗号に用いるデータ量を格段に抑える
- m=pq および ku≡1 (mod φ(m)) が成り立つとき、どんな整数 x に対しても xku≡x (mod m) が成り立つこと
…… 平文として (m と互いに素なものだけでなく) どんな整数を用いても良い!!
次回は第21章 (原始根) です; 第19, 20章は飛ばしますが、興味のある人は是非読んでみましょう!!
- 2019年10月21日 (月)
- 津田塾祭後始末のため 休講
- 2019年10月14日 (月) 体育の日
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- 第17章 法 m で k 乗根を計算する
- 羃乗根の計算例: 法1073での758の131乗根
- b と k が m と素なときの b の法 m での k 乗根の計算手順
オイラーの定理を利用して “羃乗根の計算” を “羃乗の計算” に擦り換える
- 応用: b と k が m と素なときの b の法 m での k 乗根の一意性
10月21日 (月) は 休講 です。次回 (10/28) は第18章 (RSA公開鍵暗号他) です。
※ 10月28日のセミナーでは 次年度ガイドブック用の写真撮影 が予定されています!!
- 2019年10月7日 (月)
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- 第16章 平方を繰り返して法 m のべき乗を計算する
- フェルマーの小定理・オイラーの定理を利用して “べきを小さくする”
- 大きいべき乗の計算法: 繰り返し自乗法
- 素数 (合成数) の判定, フェルマー・テストを潜り抜ける合成数 (カーマイケル数)
- 補足: 計算機の数学, 計算効率とは
次回は第17章 (法 m での羃乗根の計算) です
- 2019年9月30日 (月)
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- 第15章 メルセンヌ数と完全数 (続)
- 約数和関数 σ(n) の定義
- 約数和関数の性質: 素数の羃乗での値と乗法性
- 補足: 数論的関数 (乗法性を持つ自然数上の関数) について
- オイラーの完全数定理の証明: 背理法による証明
次回は第16章 (法 m での羃乗の計算) です
- 2019年9月23日 (月) 秋分の日
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- 第14章 メルセンヌ神父の素数
- an-1 で表される数が素数となる必要条件は a=2 かつ n=p が素数
- メルセンヌ数の定義
- 第15章 メルセンヌ数と完全数
- 完全数の定義
- ユークリッドの完全数定理: 2p-1 がメルセンヌ素数ならば 2p-1(2p-1) は完全数
- オイラーの完全数定理の主張
- 補足: メルセンヌ数と疑似乱数生成 — 松本眞と西村拓士の メルセンヌ・ツイスタ について
次回は第15章の残り (約数和関数とオイラーの完全数定理の証明) です
- 2019年9月16日 (月) 敬老の日
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- 第12章 数の原子—素数
- 素数の無限性: ユークリッドの証明
- 法4で3と合同な素数の無限性: ユークリッドの証明を応用して
※ 何故法4で1と合同な素数の無限性がこの方法で証明出来ないか?
- 補足
- ディリクレの算術級数定理で使われている道具: ディリクレの L 関数
解析的整数論 — ゼータ関数や L 関数の解析的性質を調べることで、整数の性質を導き出すことを目指す分野
- 素数にまつわる種々の話題: 双子素数予想, ゴルトバッハ予想, グリーン—タオの定理など
次回は 第14章 から (第13章は飛ばすので、各自で読んでおいてください)
- 2019年9月9日 (月)
- 台風のため休講 (補講については未定)
〜夏休み〜
- 2019年6月17日 (月)
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- 第11章 オイラーのφ関数と中国の剰余定理
- オイラーのφ関数の計算法と計算例
- 素数の羃乗に対するオイラーのφ関数の値
- オイラー関数の乗法性
- 写像 a mod mn → (a mod m, a mod n) の構成
- 単射性の証明
- 全射性の証明 — 連立合同式に対する中国剰余定理
第1タームはこれで終了です。第3タームは 9月9日 (月) からです (第12章)。それでは良い夏休みをお過ごしください!!
- 2019年6月10日 (月)
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- 第10章 合同式,べき乗,そしてオイラーの定理
- オイラーの定理の発見的考察
- オイラーのφ関数とその例
- 具体的な数でのオイラーの定理の証明
- オイラーの定理とその証明: 一般の場合
次回は第11章です 第1ターム最終週につき 10:40開始 となります!!
- 2019年6月3日 (月)
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- 第9章 合同式,べき乗,そしてフェルマーの小定理
- フェルマーの小定理の発見的考察
- フェルマーの小定理の主張
- フェルマーの小定理の応用: 大きいべき乗の余りの計算など
- 具体的な数でのフェルマーの小定理の証明
- フェルマーの小定理の証明: 一般の場合
- フェルマーの小定理の合成数判定への応用
次回は第10章です
- 2019年5月27日 (月)
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- 第8章 余りを調べる — 合同式
- 合同式の定義と性質 (加減乗)
- 合同式と割り算
- 合同方程式と具体例
- 1次合同式の解
- 解の存在条件: 1次不定方程式に帰着させる
- 法 m での解の個数
- 課題 セミナーで省略された
- 合同式が同値関係であること (同値関係を忘れている人は、定義を思い出しておくこと)
- 合同式の足し算、引き算、掛け算が出来ること (演習問題8.1)
- 割る数と法が素であったら、割り算が出来ること (演習問題8.2)
の証明をレポート用紙等にまとめて 6月10日 (月) のセミナー時までに 提出すること!!
次回は第9章です
- 2019年5月20日 (月)
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- 第7章 素因数分解と算術の基本定理
- ユークリッドの補題: 素数 p が ab を割り切るなら、p は a, b の少なくとも一方を割り切る
- ベズーの補題 (一次不定方程式の解の存在定理) を用いた証明
- 素数の整除性定理: ユークリッドの補題+個数に関する帰納法
- 偶数世界: 素因数分解の一意性が成り立たない世界
- 算術の基本定理 (素因数分解の存在と一意性定理)
次回は第8章です
- 2019年5月13日 (月)
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- 第6章 一次方程式と最大公約数
- 式 ax+by の取り得る値の正の最小値は a,b の最大公約数と等しい
- “ax+by の正の最小値”=“a,b の最大公約数” を直接 (抽象的に) 示す方法
- “ユークリッドの互除法の逆再生” による証明について
- 両者の証明の長所と短所: 前者はすっきりしているけど直接計算には向かない、後者は直接計算に応用出来るけど、証明としては面倒くさい
- 一次不定方程式のすべての解の求め方
次回は第7章 全学避難訓練のため、15分早く終了します
- 2019年5月6日 (月)
- こどもの日 振替休日による休講日 (ゴールデンウィーク)
- 2019年4月29日 (月)
- 昭和の日による休講日 (ゴールデンウィーク)
- 2019年4月22日 (月)
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- 第3章 ピタゴラス数と円周上の点
- 単位円上の有理点の求め方: 傾きが有理数であるような直線との交点を求める
- 単位円周上の有理点とピタゴラス数との関係
- 補足: x2+y2=(有理数) 上の有理点が1つ求まっているならば、無限個の有理点を見つけることが出来る!
次回は第6章から
- 2019年4月15日 (月)
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- 第2章 三平方の定理とピタゴラス数
- ピタゴラス数が無数に存在すること
- 既約 (原始的) ピタゴラス数の定義と性質 (a, b の一方は偶数で一方は奇数)
- 既約ピタゴラス数の定理 (ディオファントスの公式)
- 補足: (a,b,c) が既約ピタゴラス数ならば, a,b,c のどの2つも共通因子を持たない
※ 一般には「(a,b,c) のどの2つも共通因子を持たない」ことは「(a,b,c) が共通因子を持たない」ことよりも強い性質である。
次回は第3章から
- 2019年4月8日 (月)
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セミナー日程
第1ターム
4月 8日, 15日, 22日, 29日 (昭和の日 / 休講日)
5月 6日 (こどもの日振替休日 / 休講日), 13日, 20日, 27日
6月 3日, 10日, 17日 (第1ターム最終授業日), (11日, 12日) (補講日)
第3ターム
9月 9日, 16日 (敬老の日 / 通常授業実施日), 23日 (秋分の日 / 通常授業実施日), 30日
10月 7日, 14日 (体育の日 / 通常授業実施日), 21日 (津田塾祭後始末 / 休講日), 28日
11月 4日 (文化の日振替休日 / 通常授業実施日), 11日 (第3ターム最終授業日), (2日, 6日 補講日)
第4ターム
11月 18日, 25日
12月 2日, 9日, 16日, 23日, 30日 (冬期休暇)
1月 6日, 13日 (成人の日 / 休講日), 20日,27日 (第4ターム最終授業日), (21日, 23日 補講日)