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線形代数学Ⅲ Linear Algebra Ⅲ
東京電機大学未来科学部2年 FI科 他 (金曜5限)
担当: 原 隆
場所: 2号館 2504 教室
講義内容 (シラバスより):
「行列の標準形」の理論とは、ベクトル空間の基底を巧く取り替えて行列 (線形変換) をなるべく簡潔な形で表す理論であり、理論上も実用上も非常に重要な理論である。
本講義では内積空間及び行列の標準形の理論について解説する。最初に数ベクトル空間の基礎事項について、1年次開講の『線形代数学II』の講義では時間的制約のため扱わなかった内容(線形変換の行列表示、基底の変換行列など) を中心に学ぶ。続いて数ベクトルの内積と正規直交基底の概念を導入した上で、行列の標準形の理論 (特に対称行列の直交行列による対角化) について解説する。応用として2次形式の理論や2次曲線・2次曲面の分類、ジョルダン標準形などを取り上げる予定である。
教科書: 特に指定しない (配布する資料に基づいて講義を進める)
なお、参考書として以下のテキストを挙げておく (本講義の内容についてというよりも、線形代数学全般に対する参考書である)。
- 平岡和幸, 堀玄共著 『プログラミングのための線形代数』 (オーム社)
- 中村郁著 『線形代数学』 (数学書房)
- 三宅敏恒著 『線形代数学 —初歩からジョルダン標準形へ』(培風館)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
授業アンケート実施結果
お知らせ / 更新履歴
- 7月26日 WebClass にて学期末考査の答案の返却を開始いたしました。学期末考査採点講評・授業評価アンケートに関するコメントをアップロードしました。
- 7月23日 学期末試験の集計結果 (速報版) を更新しました。答案返却 (WebClass) は 7月26日 (金) を予定しています
- 7月20日 7月19日 (金) に学期末考査を実施いたしました。半年間お疲れ様でした!! 採点結果は7月26日までに WebClass にアップロードする予定です (あくまで予定)
- 7月14日 7月12日 (金) 分の講義内容を更新しました。今学期の講義はこれにて終了です。それでは試験頑張ってください!!
- 7月9日 6月21日 (金), 7月12日 (金) の講義内容を更新しました。
出張ボケで6月21日分の講義内容の更新をすっかり忘れてました。ごめんちゃい。。
- 6月17日 6月14日 (金) 分の講義内容を更新しました。
- 6月10日 6月7日 (金) 分の講義内容を更新しました。
- 6月3日 5月31日 (金) 分の講義内容を更新しました。
- 5月27日 5月24日 (金) 分の講義内容を更新しました。
- 5月23日 5月17日 (
金) 分の講義内容を更新しました。おそくなってごめんなさい m(_ _)m
- 4月27日 4月26日 (金) の講義内容を公開しました。また、WebClass の小テストデータの見方も掲載しました。来週は GW で5月10日 (金) は 休講 としますので、次回の講義は2週空いて 5月17日 (金) です。それでは良いGWを!!
- 4月20日 4月19日 (金) 分の講義内容を更新しました。小テストは読み取りエラーが発生した人 (14名分) はまだ WebClass にアップロードされていません! ごめんなさい m(_ _)m
- 4月15日 4月12日 (金) 分の講義内容を更新しました。参考資料のリンク先の後半部に演習問題の解答も掲載しています。
- 初回講義は 4月12日 (金) です。昨年度までと開講曜日が異なるので注意すること!!
講義内容
Webページの更新は、基本的に 授業実施日の翌週の月曜日 となります。
- 2019年7月19日 (金)
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- 2019年7月12日 (金)
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- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の自己随伴性とその証明
- 対称行列の異なる固有値に関する固有ベクトルが直交すること
- ジョルダン標準形入門
- ジョルダン標準形とは — 対角化不可能な行列を “対角化もどき” に変形したい!
- 例題: 2次正方行列のジョルダン標準形の作り方
- 参考資料10 (2次・3次行列のジョルダン標準形について)
- 小テスト10 問題および解答 採点結果 42名受験 平均6.33点/9点 最高点: 9点 (3名)
実質的に2次対称行列の対角化の問題であるため、途中までは出来が非常に良かったです。最後の図まで正しく描けていた人は多くなかったですが。。
- 2019年7月5日 (金)
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- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の対角化の応用: 2次曲線の概形
- 2次曲線とその分類: 楕円、双曲線、放物線
- 斉次2次式 (2次形式) を対称行列を用いて表す
- 対角化に用いた直交行列による変数変換
- 2次曲線の概形
- 参考資料9 (2次曲線・2次曲面の分類)
- 小テスト9 問題および解答 採点結果 40名受験 平均3.68点/9点 最高点: 9点 (2名)
全小テスト中ぶっちぎりの最難関だと思います。解答を参考にしつつ、良く復習しておこう。満点が2人も出たのは大健闘。おめでとう!!
※ 次回の小テスト (最終回) の出題範囲は 2次曲線の概形 です。講義で解いた例題と、参考資料9の最初の例、演習問題9-1. を良く復習しておこう。
- 2019年6月28日 (金)
- 休講 出張です、すみません。。
- 2019年6月21日 (金)
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- 対称行列の対角化 (続)
- 3次対称行列の対角化: 特性多項式が重根を持つ場合
- 特性多項式の計算: どこかの成分を0にしてから余因子展開してみる
- 重根の固有値に対する (線形独立な) 固有ベクトルをグラム–シュミットの正規直交化法を用いて直交化する
- 参考資料8 (2次形式) ※ 今年度は2次形式の一般論は 試験範囲外 とします
- 小テスト8 問題および解答 採点結果: 49名受験 平均4.88点/9点 最高点: 9点 (3名)
- 2019年6月14日 (金)
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- 対称行列の対角化
- 対称行列の定義: 転置しても元の行列と一致する行列
- 固有値・固有ベクトルの求め方、対角化の手順の復習
…… 2次対称行列 (小テスト7の問題の例) を題材として
- 対称行列の、異なる固有値に関する固有ベクトルが必ず直交すること (証明は次回)
- 3次対称行列の場合の例: 固有値が相異なる場合
※ サイズの大きい行列の特性多項式の計算は、それなりに工夫が必要 (基本変形、余因子展開など)
- 参考資料7 (対称行列の対角化)
- 小テスト7 問題および解答 採点結果 (参考) 48名受験 平均6.17点/8点 最高点: 8点 (11名)
※ 問題7-3. の行列が違っているという酷い出題ミスがありましたので、問題7-3. は 特性多項式の立式が読み取れる 答案はすべて4点満点として採点しました。ごめんなちゃい m(_ _)m
※ 次回の小テストは 3次対称行列の直交対角化 (固有値が相異なる場合) を出題します。授業の最後に扱った例題を良く復習しておくこと!!
- 2019年6月7日 (金)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- 直交行列と直交変換
- 直交変換の定義 (復習)
- 正規直交基底の直交変換での像は正規直交基底
- 直交変換のイメージ: 「形を変えない線形変換」
- 直交変換の行列表示と直交行列の定義
- 直交変換の行列表示の性質: 証明の概略
- 直交行列=「列ベクトルも行ベクトルも正規直交基底」
- 参考資料6 (行列の対角化と対角化可能性)
- 小テスト6 問題 および 解答 採点結果 50名受験 平均5.20点/8点 最高点: 8点 (8名)
※ 次回の小テストの計算問題は 直交行列 (問題5-1. Ⅱ) と 2次正方行列の対角化 (問題6-1. 前半) の 2題 を出題します。特に 固有値・固有ベクトルの求め方、対角化の基本手順 を良く復習しておくこと!!
- 2019年5月31日 (金)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- グラム–シュミットの正規直交化法 (続)
- 正規直交化のアルゴリズムのまとめ — 「正規化」と「直交化」を繰り返す
- 正規直交化の例: 空間ベクトルの場合
- 問題演習: 空間ベクトルに対するグラム–シュミットの正規直交化法
- 直交行列と直交変換
- 参考資料5 (直交行列と直交変換)
- 小テスト5 問題および解答 採点結果 49名受験 平均6.47点/8+2点 最高点: 9点 (2名)
※ 次回の小テストの出題は 空間ベクトルに対するグラム–シュミットの正規直交化法 です。参考資料4の演習問題4-11. (2) も参照のこと。
- 2019年5月24日 (金)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- 発展: フーリエ級数展開と正規直交基底 ※ 長々と解説してしまいましたが、まるっと試験範囲外です
- 区間 [-π,π] 上の関数の「内積」
- 三角関数の直交性の「正規直交基底」としての再解釈
- フーリエ級数展開=正規直交基底に関する成分表示
- 抽象ベクトル空間 − “数ベクトル” も “関数” も《ベクトル》として捉える
- グラム–シュミットの正規直交化法
- 単位ベクトルへの正射影の定義
- グラム–シュミットの正規直交化法の原理: 「正射影成分を取り除く」
- 参考資料4 (グラム-シュミットの正規直交化法)
※ 次回 (5/31) も持参して下さい!
- 小テスト4 問題および解答 採点結果 51名受験 平均4.31点/8点 最高点: 8点 (3名)
※ 次回の小テストの計算問題は、参考資料3 演習問題3-1. の類題を出題予定 (小テスト4の出題範囲と重複するので、しっかり復習して高得点を狙おう!!)
- 2019年5月17日 (金)
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- 数ベクトル空間と線形変換 (続)
- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示 (続)
- 線形変換の行列表示と基底の取り替え
- 対角化の図形的な意味: 行列を掛ける線形変換は、固有ベクトルを基底とすると偏倍変換と見做せる!!
- 数ベクトルの内積と正規直交基底
- 数ベクトルの (ユークリッド) 内積
- (ユークリッド)内積の定義とノルム (数ベクトルの “大きさ”) の定義
- 内積の性質1: 正値性, 対称律, 双線形性
※ 内積の性質2: コーシー-シュヴァルツの不等式と三角不等式 は今年度は割愛します (試験範囲外)
- 正規直交基底
- 正規直交基底の定義
- 正規直交基底の例: 標準基底、平面の標準基底の「回転」
- 正規直交基底の成分表示と内積
- 小テスト3 問題および解答 採点結果:52名受験 平均2.67点/7点 最高点: 7点 (1名) — …… (七言絶句)
- 2019年5月10日 (金)
- 休講 早く帰って五月病を癒やしてくださいノシ
- 2019年5月3日 (金)
- 昭和の日による休講日 (ゴールデンウィーク)
- 2019年4月26日 (金)
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- 数ベクトル空間と線形変換
- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示
- 数ベクトル空間 Rn の線形変換の定義
- 線形変換の例: 回転変換、変倍変換
- 基底に関する線形変換の行列表示 (または表現行列)
- 数ベクトルの成分表示と線形変換の行列表示
※ 次回の小テストは 線形変換の行列表示 から出題します。ノリは小テスト2と似た感じ (基底の変換行列と線形変換の行列表示の類似性をしっかり認識していれば満点も狙えるはず)
- 参考資料3 (数ベクトルの内積と正規直交基底) 少し授業の間が空いてしまうので、内積と正規直交基底の定義 の部分は予め良く読んでおくこと!! 次回はこの部分を予習して来ていることを前提に授業します (と言っても結局ある程度説明しちゃうと思うけど ^^;) また、次回授業時 (5/17) にも必ず持参すること!!
- 小テスト2 問題および解答 採点結果: 51名受験 平均4.12点/9点 最高点: 7点 (4名) — ボーナス問題ちょっと難しめだったけど、完答している人が数人いました!! 良く復習しておこう!!
- 2019年4月19日 (金)
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- 数ベクトル空間と線形変換 (続)
- 基底の変換行列
- 基底の変換行列の定義
- 基底の変換行列の計算例
- 基底の取り換えに伴う成分表示の変換公式
- 参考資料2 (線形変換と基底の取り換え) 次回 (4/26) 必ず持参すること!!
※ 次回の小テストは 基底の変換行列 / 成分表示との関係 から出題します (演習問題1-2. の類題)。
- 小テスト1 問題および解答 採点結果: 55名受験 平均3.51点/7点 最高点: 7点 (2名) — 結構大惨事。ヤバすクリニック
- 2019年4月12日 (金)
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- 講義についてのガイダンス ガイダンス資料
- 数ベクトル空間と線形変換
- 数ベクトル空間の基底と成分表示
- 数ベクトルの線形独立性の判定、基底による成分表示: 演習問題
- 数ベクトル空間の基底と基底に関する成分表示の定義
- 「基底を選ぶ」とはどういうことか? — 自分の都合の良いように《番地割り》の基準を取り替える
- 参考資料1 (次回 (4/19) も持参して下さい!)
※ 次回の小テストは 線形独立性の判定/基底に関する成分表示の計算 から出題します (授業中に実施した練習問題や演習問題1-1. の類題)。
講義日程
4月 12日, 19日, 26日
5月 3日 (憲法記念日), 10日, 17日, 24日, 31日
6月 7日, 14日, 21日, 28日
7月 5日, 12日, 19日, (23日)