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線形代数学Ⅲ Linear Algebra Ⅲ
未来科学部2年 FI科
および教職課程 (数学) 履修者 (月曜5限)
担当: 原 隆
場所: 5号館 5301 教室
講義内容 (シラバスより):
「行列の標準形」の理論とは、ベクトル空間の基底を巧く取り替えて行列 (線形変換) をなるべく簡潔な形で表す理論であり、理論上も実用上も非常に重要な理論である。
本講義では内積空間及び行列の標準形の理論について解説する。最初に数ベクトル空間の基礎事項について、1年次開講の『線形代数学II』の講義では時間的制約のため扱わなかった内容(線形変換の行列表示、基底の変換行列など) を中心に学ぶ。続いて数ベクトルの内積と正規直交基底の概念を導入した上で、行列の標準形の理論 (特に対称行列の直交行列による対角化) について解説する。応用として2次形式の理論や2次曲線・2次曲面の分類、ジョルダン標準形などを取り上げる予定である。
教科書: 特に指定しない (配布する資料に基づいて講義を進める)
なお、参考書として以下のテキストを挙げておく (本講義の内容についてというよりも、線形代数学全般に対する参考書である)。
- 平岡和幸, 堀玄共著 『プログラミングのための線形代数』 (オーム社)
- 中村郁著 『線形代数学』 (数学書房)
- 三宅敏恒著 『線形代数学 —初歩からジョルダン標準形へ』(培風館)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
お知らせ / 更新履歴
- 9月4日 学期末試験の採点講評および授業アンケートの自由回答欄へのコメントを掲載しました (お待たせしました)。
- 8月7日 学期末試験の集計結果 (確定版) を更新しました。採点講評は……気長にお待ち下さい m(_ _)m
- 7月27日 学力考査の速報 (暫定版) を掲載しました。
- 7月9日 7月9日 (月) 分 (最終回) の講義内容を更新しました。学期末試験は7月23日 (月) 実施です!
- 7月2日 7月2日 (月) 分の講義内容を更新しました。授業アンケートを実施しました。参考資料8の2ページ目の計算ミス (誤植) を修正しました。次週は講義最終回です!
- 6月28日 6月25日 (月) 分の講義内容を更新しました。6月25日の講義内容に 「学期末考査・成績評価について」のプリントへのリンクを貼りました (実施日時、試験範囲等についての注意)。
- 6月18日 6月18日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 6月11日 6月11日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 6月4日 6月4日 (月) 分の講義内容を更新しました。今回は 参考資料は配布しておりません!
- 5月28日 5月28日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料5,6 の演習問題の解答も公開しています。
- 5月21日 5月21日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料4の演習問題の解答の残りも公開しました。
- 5月14日 5月14日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料4の演習問題の解答は (1) のみ公開しています。
- 5月7日 5月7日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料3の演習問題の解答も公開済です。
- 4月23日 4月16日 (月) 分の講義内容を更新しました。今回は参考資料は配布しておりません。なお 次週はゴールデンウィークのため休講です。良いGWを!! (復習もそれなりに、ね☆)
- 4月18日 演習問題2-3. の解答を公表しました (参考資料2のリンク先の最後の部分)。なお、問題分に若干の修正があります。
- 4月16日 4月16日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料のリンク先の後半部に演習問題の解答も載っています。
- 4月11日 4月9日 (月) 分の講義内容を更新しました。参考資料のリンク先の後半部に演習問題の解答も載っています。
- 初回講義は 4月9日 (月) です。
講義内容
- 2017年7月23日 (月)
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- 2018年7月9日 (月)
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- ジョルダン標準形入門
- ジョルダン標準形とは — 対角化不可能な行列を “対角化もどき” に変形したい!
- 例題: 2次正方行列のジョルダン標準形の作り方
- 参考資料10 (2次・3次行列のジョルダン標準形について)
- 小テスト12 問題 解答
- 2018年7月2日 (月)
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- 2次形式 (続)
- 2次形式の符号とシルヴェスターの慣性法則
- 2次形式の符号の例: どんな変数変換でクロスタームを消しても、+の項の数と-の項の数は常に一定!
- シルヴェスターの慣性法則 (Sylvester's law of inertia) と符号の定義
- 2次曲線・2次曲面の分類
- 2次形式の直交対角化と2次曲線の概形 (参考資料9の1ページ目例を解説)
- 2次形式の符号による2次曲線・2次曲面の分類 (ざっくりと)
- 参考資料9 (2次曲線・2次曲面の分類)
- 小テスト11 問題 解答
採点結果 35名受験 平均6.20点/8点 最高点: 8点 (7名)
- 2018年6月25日 (月)
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- 2次形式
- 導入: クロスターム xy を含む x と y の2次式はどんな曲線を表すか?
- 2次形式の定義 (2次形式=斉次2次式)
- 2次形式の対称行列を用いた表し方
- 直交変数変換による2次形式の対角化: 対称行列の直交対角化の応用として
- 計算例 (資料): 対称行列の対角化は原理的にはいつでも出来るけど、計算結果がいつもきれいであるとは限らない
→ 2次曲線の “形” を知りたいだけであれば、符号 を計算するだけで十分 (詳細は次回)
- 学期末試験・成績評価について
- 参考資料8 (2次形式)
- 小テスト10 問題 解答
採点結果 36名受験 平均6.36点/8点 最高点: 8点 (14名)
- 2018年6月18日 (月)
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- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の内積に関する自己随伴性について
- 対称行列の相異なる固有値に関する固有ベクトルが (自動的に) 直交すること
- 対称行列の直交対角化可能性定理の証明の概略
- 小テスト9 問題 解答
採点結果 37名受験 平均点 4.86点/8点満点 最高点: 8点 (9名)
※ 次回の小テストの計算問題は 2次対称行列の直交行列による対角化 から出題します。参考資料7の演習問題等で慣れておきましょう。
- 2018年6月11日 (月)
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- 対称行列の対角化
- 行列の対角化可能性 (続)
- ケース2: 特性多項式が重根を持つ場合 (続)
例題の種明かし、各固有値に関して「固有値の重複度=固有空間の次元」が成り立てば対角化可能
- 対称行列の対角化
- 対称行列の定義と例
- 定理: 対称行列は直交行列によって対角化出来る
- 練習問題: 対称行列の対角化
対角化に用いる正則行列 (“バンズ”) が直交行列となるように固有ベクトルを正規化する
- 参考資料7 (対称行列の対角化)
- 小テスト8 問題 解答
採点結果: 36名受験 平均4.92点/8点 最高点: 8点 (4名)
※ 次回の小テストの計算問題は 3次正方行列の対角化可能性 から出題します。今回の講義の前半で解説した例題を良く復習しておいてください。
- 2018年6月4日 (月)
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- 対称行列の対角化
- 行列の対角化可能性 … 正方行列が対角化出来ない場合を考察しよう!
- ケース1: 特性多項式が虚数根を持つ場合 (固有値が 複素数 となる場合; 回転行列など)
… 複素固有値、複素固有ベクトルまで考える範囲を広げれば対角化可能 (本講義ではこれ以上踏み込みません)
- ケース2: 特性多項式が重根を持つ場合 … 対角化出来たり出来なかったりする
例題: 固有値2,1 (重根) を持つ3次正方行列 A, B のどちらが対角化可能か? (次回種明かし)
- 小テスト7 問題 解答
採点結果 36名受験 平均4.92点/7点 最高点: 8点 (4名)
※ 次回の小テストの計算問題は 2次正方行列の対角化: リベンジ篇 (問題6-1. 前半) とします。点数獲得の絶好の機会ですので、小テストの問題7-3. の間違えた箇所を中心に良く復習して 全員満点を掻っ攫う 位の意気込みで臨んで下さいね!!
- 2018年5月28日 (月)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- 直交変換と直交行列
- 直交変換の定義 — 内積との両立性
- 正規直交基底の直交変換での像は正規直交基底
- 直交変換のイメージ: 「形を変えない線形変換」
- 直交変換の行列表示の性質と直交行列の定義
- 直交変換の行列表示の性質: 証明の概略
- 直交行列=「列ベクトルも行ベクトルも正規直交基底」
- 参考資料5 (直交変換と直交行列)
- 参考資料6 (行列の対角化と対角化可能性)
- 小テスト6 問題 解答
採点結果 36名受験 平均4.92点/8点 最高点: 8点 (4名)
※ 次回の小テストの計算問題は 直交行列 (問題5-1. Ⅱ) と 2次正方行列の対角化 (問題6-1. 前半) の 2題 を出題します。特に 固有値・固有ベクトルの求め方、対角化の基本手順 を良く復習しておくこと!!
- 2018年5月21日 (月)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- グラム–シュミットの正規直交化法 (続)
- 正規直交化のアルゴリズムのまとめ — 「正規化」と「直交化」を繰り返す
- 正規直交化の例: 空間ベクトルの場合
- 問題演習: 空間ベクトルに対するグラム&ndasj;シュミットの正規直交化法
- 小テスト5 問題 解答
採点結果 39名受験 平均4.97点/7点 最高点: 7点 (13名)
※ 今回は 参考資料は未配布 です。次回の小テストの出題は 空間ベクトルに対するグラム–シュミットの正規直交化法 です。参考資料4の演習問題4-11. (2) も参照のこと。
- 2018年5月14日 (月)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底 (続)
- 発展: フーリエ級数展開と正規直交基底
- 区間 [-π,π] 上の関数の「内積」
- 三角関数の直交性の「正規直交基底」としての再解釈
- フーリエ級数展開=正規直交基底に関する成分表示
- グラム-シュミットの正規直交化法
- 単位ベクトルへの正射影
- 平面ベクトルに対する正規直交化法: 例題
- 参考資料4 (グラム-シュミットの正規直交化法) 5/21 演習問題の残りの解答も公開
※ 次回 (5/21) も持参して下さい!
- 小テスト4 問題 解答
採点結果 39名受験 平均5.46点/8点 最高点: 8点 (3名)
※ 次回の小テストは平面ベクトルに対するグラム-シュミットの直交化法 (演習問題4-1. (1) の類題) を出題します。
- 2018年5月7日 (月)
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- 数ベクトルの内積と正規直交基底
- 数ベクトルの (ユークリッド) 内積
- (ユークリッド)内積の定義とノルム (数ベクトルの “大きさ”) の定義
- 内積の性質1: 正値性, 対称律, 双線形性
- 内積の性質2: コーシー-シュヴァルツの不等式と三角不等式
- コーシー-シュヴァルツの不等式の応用: 数ベクトルの “なす角” の定義
- 正規直交基底
- 正規直交基底の定義
- 正規直交基底の例: 標準基底、平面の標準基底の「回転」
- 正規直交基底の成分表示と内積
- 参考資料3 (数ベクトルの内積と正規直交基底)
※ 次回の小テストは問題3-1.の類題を出題します。
- 小テスト3 問題 解答
採点結果 41名受験 平均3.66点/7点 最高点: 7点 (3名)
- 2018年4月30日 (月)
- 昭和の日振替休日による休講
- 2018年4月23日 (月)
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- 数ベクトル空間の基底と成分表示 (続)
- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示 (続)
- 線形変換の行列表示の例
- 鏡映変換の行列表示: “基底を巧く選ぶ”
- 線形変換の行列表示と基底の取り換え
- 行列の対角化との関係
※ 次回の小テストは 線形変換の行列表示と基底の取り替え から出題します (演習問題2-1., 2-2. の類題)。
- 小テスト2 問題 解答
採点結果 41名受験 平均5.76点/7+1点 最高点: 8点 (12名)
- 2018年4月16日 (月)
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- 数ベクトル空間の基底と成分表示 (続)
- 基底の変換行列 (続)
- 基底の変換行列の定義 (復習)
- ベクトルの成分表示と基底の変換行列, 演習問題演習
- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示
- 数ベクトル空間 Rn の線形変換の定義
- 基底に関する線形変換の行列表示 (または表現行列)
- 数ベクトルの成分表示と線形変換の行列表示
具体例は次回扱います!!
- 参考資料2 (次回 (4/23) も持参して下さい!)
※ 演習問題2-3. (10) の問題文に修正があります! (4/18追記)
※ 次回の小テストは 基底の変換行列 / 成分表示との関係 から出題します (演習問題1-2. の類題)。
- 小テスト1 問題 解答
採点結果 44名受験 平均5.75点/7点 最高点: 7点 (22名)
- 2018年4月9日 (月)
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- 講義についてのガイダンス ガイダンス資料
- 数ベクトル空間の基底と成分表示
- 数ベクトル空間の基底と成分表示
- 数ベクトルの線形独立性の判定、基底による成分表示: 問題演習
- 数ベクトルの線形独立性/従属性の定義 (復習)
- 数ベクトル空間の基底と基底に関する成分表示の定義
- 基底の変換行列
- 参考資料1 (次回 (4/17) も持参して下さい!)
※ 次回の小テストは 線形独立性の判定/基底に関する成分表示の計算 から出題します (演習問題1-1. の類題)。
講義日程
4月 9日, 16日, 23日, 30日 (昭和の日振替休日)
5月 7日, 14日, 21日, 28日
6月 4日, 11日, 18日, 25日
7月 2日, 9日, 16日 (海の日), 17日 (月曜授業実施日), (23日)
※ 7月17日 (火) は 月曜日の講義実施日 (14週目) です!