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メディア処理の (ための) 基礎数学 (線形代数学Ⅲ) Linear Algebra Ⅲ for Media Processing
未来科学部2年
FI科 (月曜5限)
担当: 原 隆
場所: 2号館 2504 教室
講義内容 (シラバスより):
「行列の標準形」の理論とは、ベクトル空間の基底を巧く取り替えて行列 (線形変換) をなるべく簡潔な形で表す理論であり、理論上も実用上も非常に重要な理論である。
本講義では内積空間及び行列の標準形の理論について解説する。最初に数ベクトル空間の基礎事項について、1年次開講の『線形代数学II』の講義では時間的制約のため扱わなかった内容(線形変換の行列表示、基底の変換行列など) を中心に学ぶ。続いて数ベクトルの内積と正規直交基底の概念を導入した上で、行列の標準形の理論 (特に対称行列の直交行列による対角化) について解説する。応用として2次形式の理論や2次曲線・2次曲面の分類、ジョルダン標準形などを取り上げる予定である。
教科書: 特に指定しない (配布する資料に基づいて講義を進める)
なお、参考書として以下のテキストを挙げておく (本講義の内容についてというよりも、線形代数学全般に対する参考書である)。
- 平岡和幸, 堀玄共著 『プログラミングのための線形代数』 (オーム社)
- 三宅敏恒著 『線形代数学 —初歩からジョルダン標準形へ』(培風館)
- 中村郁著 『線形代数学』 (数学書房)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
お知らせ / 更新履歴
- 2018年3月12日 参考資料へのリンクを外しました (小テストのリンクは残しています)。
- 8月23日 期末試験採点講評・アンケート自由回答欄へのコメントを掲載しました。
- 8月10日 学期末試験の結果速報 (確定版) および学期末試験の講評・返却についてのお知らせを更新しました。
- 7月17日 学力考査の速報を掲載しました。
- 7月12日 7月10日 (月) 分の講義内容を更新しました。期末試験頑張って下さい!!
- 7月4日 7月3日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 6月26日 6月26日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 6月23日 6月19日 (月) 分の講義内容を更新しました (遅くなってすみません)。
- 6月12日 6月12日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 6月6日 6月5日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 5月29日 5月29日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 5月22日 5月22日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 5月15日 5月15日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 5月8日 5月8日 (月) 分の講義内容を更新しました。
- 初回講義は 4月10日 (月) です。
講義内容
- 2017年7月17日 (月) 海の日
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- 2017年7月10日 (月)
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- 2次形式 (続)
- 対角化出来ない行列の標準形について —ジョルダン標準形
- 2次正方行列のジョルダン標準形 — 対角化不可能な行列の “標準形”
- 例題: 2次正方行列のジョルダン標準形
- 参考資料10 (2次・3次行列のジョルダン標準形について)
- 小テスト13 問題 解答
- 2017年7月3日 (月)
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- 2次形式 (続)
- 2次形式の符号とシルヴェスターの慣性法則 (続)
- シルヴェスターの慣性法則と符号の定義
- 例題: 2次形式の符号
- 2次曲線・2次曲面の分類
- 参考資料9 (2次曲線・2次曲面の分類)
- 小テスト12 問題 解答
- 2017年6月26日 (月)
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- 2次形式 (続)
- 2次形式と対称行列の対応
- 直交変数変換による2次形式の対角化: 対称行列の直交対角化の応用として
- 2次形式の符号とシルヴェスターの慣性法則
どんな変数変換でクロスタームを消しても、符号は一定になる!
- 小テスト11 問題 解答 18名受験 平均2.89点/8点 最高点: 8点 (1名)
- 2017年6月19日 (月)
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- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の対角化 (続)
- 対称行列の内積に関する自己随伴性について
- 対称行列の相異なる固有値に関する固有ベクトルが (自動的に) 直交すること
- 対称行列の直交対角化可能性定理の証明の概略
- 2次形式
- 2次形式の定義
- 2次形式の理論でやりたいこと: 変数変換をしてクロスタームを消去する
- 2次形式と対称行列の関係
- 参考資料8 (2次形式)
- 小テスト10 問題 解答 18名受験 平均4.83点/8点 最高点: 8点 (1名)
- 2017年6月12日 (月)
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- 対称行列の対角化
- 対称行列の対角化
- 対称行列の定義
- 対称行列が直交行列を用いて対角化出来ること
- 練習問題: 対称行列の対角化
固有値・固有ベクトルを求めて、各固有値毎に固有ベクトルをグラム・シュミットの正規直交化法を適用する
- 参考資料7 (対称行列の対角化)
- 小テスト9 問題 解答 集計中 17名受験 平均4.76点/8点 最高点: 8点 (2名)
- 2017年6月5日 (月)
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- 対称行列の対角化
- 固有値・固有ベクトルと行列の対角化
- 固有値・固有ベクトルと行列の対角化: 問題演習
- 固有値と固有ベクトルの求め方について (復習)
- 対角化可能性: 特性多項式が重根を持つときは、対角化できない可能性がある
固有値の重複度=固有ベクトルのパラメータの個数 (固有空間の次元) のときに対角化可能
- 小テスト8 問題 解答 19名受験 平均4.58点/7点 最高点7点 (8名)
- 2017年5月29日 (月)
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- 直交変換と直交行列 (続)
- 直交変換の正規直交基底に関する行列表示
- 直交行列の定義と例
- 直交変換の行列表示の証明の概略
- 直交行列は「正規直交基底を並べたもの」
- 参考資料6 (行列の対角化と対角化可能性)
- 小テスト7 問題 解答 20名受験 平均4.45点/7点 最高点: 7点 (6名)
- 2017年5月22日 (月)
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- 数ベクトルの内積 (続)
- グラム・シュミットの正規直交化法 (復習)
- 問題演習: グラム・シュミットの正規直交化法
- 直交変換と直交行列
- 直交変換の定義 — 内積との両立性
- 正規直交基底の直交変換での像は正規直交基底: 直交変換は「形を変えない変換」
- 参考資料5 (直交変換と直交行列)
- 小テスト6 問題 解答 20名受験 平均5.00点/7点 最高点: 7点 (4名)
- 2017年5月15日 (月)
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- 数ベクトルの内積 (続)
- 単位ベクトルへの正射影
- 正射影 πe(x) の定義
- 正射影の図形的意味
- 直交化の原理: x'=x-πe(x) は e と直交
- グラム-シュミットの正規直交化法 — 与えられた基底から正規直交基底を構成するアルゴリズム
- 正規直交化のアルゴリズム — 「正規化」と「直交化」を繰り返す
- 正規直交化の例: 空間ベクトルの場合
- 参考資料4 (グラム・シュミットの正規直交化法)
※ 未配布 次週配布します (すみません m(_ _)m)
- 小テスト5 問題 解答 23名受験 平均4.00点/8点 最高点: 8点 (1名)
※ 次回の小テストは 正射影 および 簡単な場合 (平面ベクトル) の正規直交化法 から出題します。参考資料4 (上記リンクを参照) の演習問題4-1. (1) も参考にして下さい。
- 2017年5月8日 (月)
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- 数ベクトルの内積 (続)
- 正規直交基底
- 正規直交基底の定義
- 正規直交基底の例: 標準基底、平面の標準基底の「回転」
- 正規直交基底の成分表示と内積
- フーリエ級数展開と正規直交基底 (発展)
- 区間 [-π,π] 上の関数の「内積」
- 三角関数の直交性の「正規直交基底」としての再解釈
- フーリエ級数展開=正規直交基底に関する成分表示
- 参考資料3 (ベクトルの内積と正規直交基底)
- 小テスト4 問題 解答 23名受験 平均4.00点/8点 最高点: 8点 (1名)
※ 次回の小テストは 線形変換の行列表示の基底の取り換えによる変換公式 (参考資料2) から出題します。参考資料3は次回配布します (すみません)
- 2017年5月1日 (月)
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- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示
- 線形変換と基底の取り換え
- 線形変換の行列表示の基底の取り換えによる変換公式
- 発展: 行列の対角化との関係
- 数ベクトルの内積
- 数ベクトルの (ユークリッド内積) の定義
- 性質1: 交換法則と双線形性
- 性質2: 同じベクトルの内積は正の実数, 数ベクトルのノルムの定義
- コーシー-シュワルツの不等式と三角不等式、及び “図形的意味”
- 小テスト3 問題 解答 23名受験 平均3.52点/7点 最高点: 7点 (5名)
※ 次回の小テストの計算問題は 線形変換の行列表示の基底の取り換えによる変換公式 (参考資料2) から出題します。参考資料3は次回配布します (すみません)
- 2017年4月24日 (月)
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- 数ベクトル空間の基底と成分表示 (続)
- 異なる基底に関するベクトルの成分表示の間の関係 (証明)
- 数ベクトル空間の線形変換と行列表示
- 数ベクトル空間 Rn の線形変換の定義
- 線形性の重要性: 基底を写した先の成分表示が計算出来れば、任意のベクトルを写した先も計算可能
- 基底に関する線形変換の行列表示 (または表現行列)
- 線形変換の行列表示の意味 — 線形変換を「行列を掛ける」操作として捉える
- 計算例
- 参考資料2 (線形変換と基底の取り替え) 次回 (5/1) も持参して下さい!
- 小テスト2 問題 解答 26名受験 平均3.96点/8点 最高点: 8点 (4名)
- 2017年4月17日 (月)
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- 数ベクトル空間の基底と成分表示 (続)
- 数ベクトル空間の基底と成分表示 (続)
- 「任意の数ベクトルが基底に関して1通りに《番地割り》表示出来ること」の証明
- 基底の変換行列
- 基底の変換行列の定義
- 基底の変換行列の計算方法と例, 計算演習
- 異なる基底に関するベクトルの成分表示の間の関係, 計算演習
- 小テスト1 問題 解答と講評 21名受験 平均4.61点/7点 最高点: 7点 (2名)
- 2017年4月10日 (月)
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- はじめに — 本講義で扱う内容=「線形変換の幾何学と行列の標準形」
- 講義についてのガイダンス ガイダンス資料
- 数ベクトル空間の基底と成分表示
- 数ベクトルの線形独立性/従属性の定義 (復習)
- ベクトルの線形独立性/従属性の例: 平面ベクトル、空間ベクトルの場合 (復習)
- ベクトルの線形独立性の判定: 問題演習
- 数ベクトル空間の基底の定義
- 任意の数ベクトルは、基底に関して《番地割り》表示出来る (証明は次回)
- 基底に関する成分表示の例: 平面ベクトルの場合
- 参考資料1 (次回 (4/17) も持参して下さい!)
※ 次回の小テストは 線形独立性の判定 から出題します。
講義日程
2FI科 (UNIPA も参照のこと)
4月 10日, 17日, 24日
5月 1日, 8日, 15日, 22日, 29日
6月 5日, 12日, 19日, 26日
7月 3日, 10日, 17日 (海の日 / 授業実施日), (24日)