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代数学入門 Introduction to Algebra
工学部・未来科学部 1年生
全学科 (月曜5限)
担当: 原 隆
場所: 2号館2504教室
講義内容 (シラバスより):
整数 (0,±1,±2,...) は最も「素朴な」数の概念であり、あまりにも身近な数であるため、ともすれば実数などと比べて非常に単純な数の様にも考えられがちである。しかし、〈整数の世界〉が〈実数の世界〉とはまた違った意味で非常に奥深く魅力的な構造を持っていることは古来より知られており、現代に至るまで数多の数学者達を魅了し、研究へと駆り立ててきた。さらに近年では、暗号理論など我々の生活に密接に関わる分野にも整数の理論が応用されるようになってきている。
この講義では初等整数論の初歩について学習する。整数を割った「余り」の概念の復習から始め、「余りの数の世界」に於ける様々な法則の金字塔たるフェルマーの小定理、オイラーの定理を理解することを目指して講義を進める。時間が許せば応用的なトピックスについても扱う予定である。
教科書: 遠山啓著『数の不思議 — 初等整数論への招待』 (SBクリエイティブ)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
お知らせ / 更新履歴
講義内容
- 2018年1月22日 (月)
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- 2018年1月15日 (月)
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- 学期末考査 試験問題 略解
採点講評およびアンケート自由回答欄へのコメントは、用意が出来次第こちらに掲載する予定です。
- 2017年12月18日 (月)
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- 初等整数論の応用2: ガウスの整数
- ガウスの整数の定義: ガウス平面 (複素数平面) 上の格子点
- ガウスの整数の分類: 単数, ガウスの素数
— 通常の整数と非常に似た性質を持つ!
- フェルマーの2平方和定理とその意味: 4で割ると1余る奇素数はガウス整数としてさらに素因数分解出来る!
- ガウスの素数とその分布 (ガウスの絨毯)
- 素因数分解の一意性と単数: 1の約数 ±1, ±i の差は本質的ではない
- 応用: 原始的ピタゴラス数の求め方
- 参考資料10 (ガウスの整数について) 演習問題の解答等もついています
- 小テスト12 問題 解答
33名受験 平均点: 5.24点/9点 最高点: 9点 (2名)
- 2017年12月11日 (月)
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- 初等整数論の応用1: RSA公開鍵暗号
- 公開鍵暗号とは
- 暗号を用いたメッセージ伝達問題の設定
- 共通鍵暗号 (古典的暗号) とその問題点 — 特に鍵の共有問題 (リスク) について
- 公開鍵暗号 — 鍵の共有問題に対するディフィー、ヘルマン等の「解答」
ディフィー・ヘルマンの鍵共有問題の「実装化」としての RSA 公開鍵暗号
- RSA公開鍵暗号
- 鍵生成プロトコルとメッセージ伝達方法について
- 計算演習: RSA公開鍵暗号の鍵生成プロトコルと暗号化、復号プロセス
- 暗号化、複合化の原理: オイラーの定理の応用
- RSA公開鍵暗号の安全性 — (大きい数の) 素因数分解の困難性
- 参考資料: 楫元著『工科系のための初等整数論入門 --- 公開鍵暗号をめざして』(培風館) 第6章
たった15ページ (!) で RSA 公開鍵暗号のエッセンスを見事に纏めてあります。講義ではやはり駆け足の説明になってしまいましたので、RSA公開鍵暗号の詳細に興味がある方は是非ご一読を。暗号の話題も散りばめられていて楽しいです。
- 参考資料9 (RSA 公開鍵暗号) 定理の証明、演習問題の解答付き
- 小テスト11 問題 解答
38名受験 平均点: 6.37点/8点 最高点: 8点 (5名)
- 2017年11月6日 (月)
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出張による 休校日
- 2017年11月27日 (月)
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- フェルマーの小定理とオイラーの定理 (続)
- オイラーのトーシェント関数とその性質
- トーシェント関数の乗法性
- 素数の羃乗に対するトーシェント関数の値
- 一般の自然数に対するトーシェント関数の値の計算法 — トーシェント関数の乗法性を用いて
- 問題演習: トーシェント関数の値の計算
- トーシェント関数の乗法性の証明の概略
「1,2,...,m の中でmと素なもの」と「1,2,...,nの中でnと素なもの」のペアと、「1,2,...,mnの中でmnと素なもの」との間に1対1対応 (全単射) を構成する
(詳細は参考資料8の加筆部分を参照)
- オイラーの定理の証明の概略
- 「1,2,...,nの中でnと素なもの」に対する mod n での「九九の表」とその性質
— 各行、各列にまったく同じ数字が1度ずつ現れる
- 「九九の表」を利用したオイラーの定理の証明法
※ 例年オイラーの定理の証明は華麗にスルーされるのですが、今年度は何名かから質問をいただきました。意欲的な方が多くて感心しています。講義では時間の関係で非常に大雑把な説明しか出来ませんでしたが、『数の不思議』の p.133—137 にも分かり易く証明の方針が書かれていますので、是非参考にして下さい!
- 学期末考査・成績評価について (学期末試験のアナウンス)
- 参考資料8 (フェルマーの小定理とオイラーの定理) 問題の解答も付けています
- 小テスト10 問題 解答
36名受験 平均点: 5.17点/8点 最高点: 8点 (7名)
- 2017年11月20日 (月)
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- フェルマーの小定理とオイラーの定理
- フェルマーの小定理
- 問題演習: an-1 (mod n) の計算
- フェルマーの小定理の例: 成り立つ場合と成り立たない場合
- 応用: 「大きい羃乗」を素数 p で割ったときの余りの計算、法 p での逆元の求め方
- オイラーのトーシェント関数
- オイラーのトーシェント関数: 定義と例
- 問題演習: 定義に基づいてトーシェント関数の値を計算する
- オイラーの定理
- オイラーの定理の主張: 法が合成数の場合へのフェルマーの小定理の拡張
- 参考資料7 (フェルマーの小定理とオイラーの定理) 問題の解答も付けています
※ 問題7-4. の内容はまだ扱っていなかったため 削除しました。次回配布する参考資料8に、似たような問題が載っていますので、そちらを参照して下さい。
- 小テスト9 問題 解答
39名受験 平均点:5.21点/8点 最高点: 8点 (6名)
- 2017年11月13日 (月)
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- 合同式 (続)
- 連立1次合同方程式 — 中国式剰余定理
- 『孫子算経の数当て問題』 — 「余りの情報からもとの数を求める」
- 中国式剰余定理 — 連立1次合同方程式の解の存在と一意性
- 連立1次合同方程式の解法 Step 1, Step 2
- 問題演習: 連立1次合同方程式
- 参考資料6 (連立合同方程式と中国式剰余定理) 演習問題解答 (+講義の補足) 付き
- 小テスト8 問題 解答
39名受験 平均点: 5.21点/8点 最高点: 8点 (6名)
- 2017年11月6日 (月)
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旭祭による 休校日
- 2017年10月30日 (月)
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- 合同式 (続)
- 1次合同方程式 (続)
- 一般の場合の1次合同方程式
- 1次合同方程式が解を持つための条件
- x の係数と法 n が互いに素でない場合: “両辺を最大公約数で約分する”
- 問題演習: 一般の1次合同方程式
- 1次不定方程式への応用
- 1次不定方程式の合同式を用いた解法: 適当に modulo して x か y の1次合同方程式に帰着する
- 問題演習: 1次合同方程式の1次不定方程式への応用
- 今回は 参考資料は配布していません。次回の小テストの出題範囲は参考資料5の後半 (1次不定方程式への応用等) です。
- 小テスト7 問題 解答
38名受験 平均点: 6.24点/8点 最高点: 8点 (15名)
- 2017年10月23日 (月)
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- 合同式 (続)
- 1次合同方程式とその応用
- 1次合同方程式とは? — (実数の世界での) 1次方程式と比較して
- 1次合同方程式の解法Ⅰ: x の係数と法 n が互いに素なとき
- 法nでの逆元の定義: mod nの世界での “逆数”
- 1次合同方程式の解法: x の係数の逆元を両辺に掛ける
- 逆元と1次合同方程式: 例題と問題演習
- 参考資料5 (1次合同方程式とその応用) 10月30日 問題5-2. の解答公開
※ 問題5-1. (1), (2), (3), (7) は x の係数と法 n が互いに素なケースなので、先ずはこれらを確実に解けるようにしておこう。
また、テキスト『数の不思議』の問題31も解ける筈なので、是非チャレンジを!!!
- 小テスト6 問題 解答
38名受験 平均点: 5.39点/7+2点 最高点: 9点 (1名)
- 2017年10月16日 (月)
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- 合同式 (続)
- 合同式 (続)
- 合同式の応用Ⅱ: 大きな羃乗数を割った余り
- 方針: “1と合同になるような羃乗”を探す
- 問題演習: 大きな羃乗数を割った余り
- 羃乗の底と法が 互いに素 なら、必ず1と合同になるような羃乗が存在する — オイラーの定理の帰結
- 今回は 参考資料は配布していません。次回の小テストの出題範囲は参考資料4の後半 (大きな数を割った余り) です。
- 小テスト5 問題 解答
41名受験 平均点: 5.26点/7+2点 最高点: 9点 (7名)
- 2017年10月9日 (月) 体育の日
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- 合同式
- 合同式とは?
- 定義とその意味 — 「整数を余りで分類する」
- 合同式の基本性質: 合同式の加減乗について
※ 合同式同士の 割り算は一般には出来ない ことに注意!!
- 合同式の応用例1: 暦の計算
- 曜日の計算の仕方の復習
- 合同式の威力: “〇年後は何曜日?”
- 干支と暦について
- 問題演習: 暦の計算 「2037年10月9日の曜日と日干支は?」
- 参考資料4 (演習問題解答付)
※ 次回もご持参下さい!!
※ まだ 問題4-3. の内容は扱っていないので、問題4-3. の解答は次週公開します。
- 小テスト4 問題 解答
39名受験 平均点: 6.28点/8+1点 最高点: 9点 (6名)
※ 次回の小テストは「暦の計算」 (参考資料4 演習問題4-2.) から出題します。
- 2017年10月2日 (月)
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- 1次不定方程式 Ⅰ (続)
- 補足1: “ax=by” が成り立つとき、x と y が 互いに素 ならば x は b の倍数、y は a の倍数
- 補足2: 1次不定方程式の整数解の図形的意味: 直線上の格子点の座標
- ベズーの補題: 1次不定方程式が整数解を持つための必要十分条件
- 例題: ユークリッドの互除法を用いた1次不定方程式の特殊解の構成
- 演習問題: 1次不定方程式
- 参考資料3 (ベズーの補題 / 素因数分解の存在と一意性定理の証明)
※ 演習問題解答、素因数分解の存在と一意性定理の証明の概略などを加筆
- 小テスト3 問題 解答
46名受験 平均点: 7.30点/7+2点 最高点: 9点 (8名)
※ 今年度は 素因数分解の一意性 は、時間の都合上扱いませんでした。興味のある人は、参考資料の補足説明や、テキスト『数の不思議』の p.36, p.37 などを参照して下さい。
- 2017年9月25日 (月)
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- 約数と倍数 (続)
- 1次不定方程式
- 不定方程式 (ディオファントス方程式) の定義と例
- 1次不定方程式の整数解が存在する必要条件
- 1次不定方程式の解の構造 — ひとつ整数解が存在すれば、無限個の整数解が存在する
- 例題: 特殊解が与えられたときの、全ての整数解の求め方
- 参考資料2 (演習問題の解答付)
- 映像資料
- ユークリッド: 偉大な思想家の生涯 Euclid: Biography of a Great Thinker (英語)
ユークリッド『原論』でお馴染の数学者ユークリッド。現在の「定義」「定理」「証明」型の数学様式は、『原論』から始まると言っても過言ではない。小難しい『原論』の著者にして、「幾何学に王道なし」の名言を残す、厳格そうなイメージのユークリッド。彼は果たしてどんな人物であったのか? しばしユークリッドの世界を除いてみよう。
- 【算数クイズ】古代ギリシャの数学者「ディオファントスの一生」(IQテスト・脳トレ)brain plus*
ディオファントスの墓石に記されているという数学の問題。まぁ単なる1次方程式ではあるが、果たして解けるであろうか? 頭の体操だと思って挑戦してみよう!! ……それにしても、墓碑銘にまで数学の問題を残すとは、根っからの数学者だったんでしょうかね?
- 小テスト2 問題 解答
47名受験 平均点: 6.32点/8点 最高点: 8点 (9名)
※ 問題2-2. が「最小公倍数」を求める問題になっていましたが、誤植です。すみませんでした。取り敢えず互除法を正しく用いて 375 が求められていると確認出来る答案はすべて満点として採点します。
次回の小テスト3は、参考資料2 の演習問題2-1. (講義で扱った例題と同様の問題) の類題を出題します。
- 2017年9月18日 (月 / 敬老の日)
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- 約数と倍数
- 割り算定理
- 割り算定理の主張と例 (特に負の数が絡む場合)
- 問題演習: 整数の割り算
- 約数と倍数
- 約数、倍数の定義
- 素数の定義とエラトステネスの篩
- 公約数、最大公約数、公倍数、最小公倍数の定義
- ユークリッドの互除法
- 互除法を用いた最大公約数の求め方
- 問題演習: ユークリッドの互除法
- 割り算定理の証明 (発展): 「最小性」を用いた背理法
- <参考資料1 (演習問題の解説付)
- 小テスト1 問題 解答
49名受験 平均点: 7.43点/7+2点 最高点: 9点 (15名)
- 2017年9月11日 (月)
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- ピタゴラス数について
- ピタゴラス数の定義、例
- ピタゴラス数は「整数の範囲で考えるから難しい」
- ピタゴラス数の公式 (証明は後半で扱うかも?)
- ピタゴラス数の性質: x2+y2=z2 のとき、x, y の少なくとも一方は偶数
- 証明の概略: 「余りで分類する」
- 履修についてのガイダンス 配布資料
- 参考資料0 (ピタゴラス数について)
- 映像資料
- ザックリTV 第2話 ザックリ ピタゴラスの定理
毎週水曜22時54分から TBS 系列にて好評放送中 ……だったのですが、どうやら 9月27日 (水) で最終回のようです (汗)
Youtube のアカウントも9月30日 (金) で見れなくなるようなので、もう一度見たい方はお早めに。
- Numberphile ルート2 Root 2 (英語)
ルート2についてのあれこれ。中盤に出て来る「ピタゴラス教団とルート2」の話は非常に有名で、先日しくじり先生の中田偉人伝でも取り上げられていました (こちらも近日最終回ですね……)。
終盤ではルート2が無理数である (分数で表せない) ことの証明も扱っていますので、忘れてしまった方は是非ご覧下さい。ゆっくりとした非常に聞き取り易い英語ですし、字幕も付けられますので、リスニングの練習にも活用出来るのでは?
※ 履修予定の方は、なるべく次週の履修登録期間中に 速やかに 履修登録を済ませていただけると助かります。
講義日程
9月 11日, 18日 (敬老の日 / 授業実施日), 25日
10月 2日, 9日 (体育の日 / 授業実施日), 16日, 23日, 30日
11月 6日 (旭祭による休校日), 13日, 20日, 27日
12月 4日, 11日, 18日, 25日 (休校日)
1月 1日 (元日 / 休校日), 8日 (成人の日 / 休校日), 15日, (22日)