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線形代数学Ⅱ Linear Algebra Ⅱ
工学部 1年
EJ・EH・ES 科 (木曜2限)
EK・EF 科 (金曜1限)
担当: 原 隆
場所: 1EJ・1EH・1ES科 … 2号館2703教室
1EK・1EF科 … 2号館2804教室
講義内容 (シラバスより):
線形代数学Ⅱは線形代数学Ⅰの続編であり、3つのテーマ
(1)行列式(2)数ベクトル空間(3)固有値と固有ベクトル
について学ぶ。前期にくらべ、対象がやや抽象的になるが、幾何学的なイメージをもちながら学習することが大切である。
予備知識として、前期に学んだ「線形代数学Ⅰ」の内容を前提とする。
教科書: 新井啓介 他共著,『ベクトルと行列 —基礎から始める線形代数—』 (培風館)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
お知らせ / 更新履歴
- 2月2日 学期末考査の速報 (確定版) および答案返却についてのお知らせ、採点講評を更新しました。個別の問題講評および授業アンケートへのコメントはまだ作成中ですので、完成次第差し替えます。
- 1月30日 1月30日の講義内容 (学力考査)を更新しました。今年度の講義はすべて終了です。半年間または1年間ご清聴ありがとうございました。
学力考査の採点結果、答案返却についてのお知らせ、採点講評および授業アンケートの自由回答欄へのコメントは順次このページで更新してゆきます。
- 1月27日 1月26日、27日の講義内容を更新しました。確認問題12の解答もアップロード済みです。
- 1月25日1月19日、20日の講義の補足資料末尾の問の解答を公開しました (問題に不備があったので、漸化式の初項を若干変更しました。すみません)。
- 1月24日 確認問題8の解答の行基本変形において、拡大係数行列の第2列の右端の成分が 4k となっていますが、-4k の誤植です。修正しておきました (解答自体には影響はない筈です)。
- 1月20日 1月19日、20日の講義内容を更新しました。また、演習問題6, 確認問題10, 確認問題11 の解答を公開しました。さらに連立漸化式への応用の説明が駆け足になってしまったため、補足資料を掲載しています (補講の冒頭でも少し触れます)。また、試験も近いため、配布した確認問題11 については既に解答を公開しています。
- 1月16日
演習問題5の解答を公開しました (遅くなってすみません)。
- 初回講義は 9月15日 (木), 9月16日 (金) です。また、9月22日 (木 / 秋分の日), 9月23日 (金) は 休講 です。
- この講義の試験は 特定科目考査日 (2017年1月28日 または 30日) に実施されます。
講義内容
確認問題が講義時間内に解き終わらなかった人は、その次の講義 の際に提出して下さい (それ以降は解答を公開してしまうので受け取りません)。確認問題の提出は受講生の皆さんの自由意志にお任せしますが、自分がどの程度講義内容を理解しているのか、どの部分が分かっていないのかを知る非常に良い目安になると思いますので、積極的に提出することをお薦めします。
ウェブページの更新は概ね木曜クラス、金曜クラスの両方の講義が終了した後となります。
- 2017年1月30日 (月)
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- 2017年1月26日 (木), 27日 (金)
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- 固有値と固有ベクトル (続)
- ケーリー-ハミルトンの定理と行列の n 乗
- 例題と解法の解説
- 問題演習: ケーリー-ハミルトンの定理と行列の n 乗
- ケーリー-ハミルトンの定理を用いると、特性多項式が重根を持つ場合でも行列の n 乗が計算出来る
- 行列の対角化可能性
- 行列の対角化可能性: 固有値の重複度と固有空間の次元の関係について
- 参考資料10 (行列の対角化可能性)
- 確認問題12 1月27日 解答公開済み
今年度は時間の関係で扱いませんでしたが、講義の終盤で紹介したような
対角化出来ない行列 も頑張れば「対角化もどき」の形で表すことが出来ます。このことをまとめたものが、有名な
ジョルダン標準形の理論 です。以下に資料を置いておきますので、興味のある方は是非ご参照下さい (勿論
試験範囲外です)。来年度の前期月曜5限開講の『メディア処理の (ための) 基礎数学』では、終盤に (簡単な場合の) ジョルダン標準形について触れる予定です。
参考資料α 参考資料α+
- 2017年1月19日日 (木), 20日 (金)
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- 固有値と固有ベクトル (続)
- 行列の対角化 (続)
- 行列の対角化の計算: 具体例を通して (復習)
- 問題演習: 行列の対角化
- 行列の m 乗: 行列の対角化の応用として
- 対角化を用いた行列の m 乗の計算
- 問題演習: 行列の m 乗
- 連立漸化式への応用: 等比数列の一般項の求め方の「ベクトル版」
※ 駆け足になってしまったので補足資料を作成しました (次回の冒頭でも触れます)
連立漸化式への応用についての補足資料 1月25日 問の解答公開 (および問題文修正)
- 確認問題11 1月20日 解答公開済
- 2016年12月23日 (金), 2017年1月12日 (木)
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- 固有値と固有ベクトル (続)
- 固有値と特性多項式 (続)
- 特性多項式と固有値の求め方 (復習)
- ケーリー-ハミルトンの定理
- 問題演習: 固有値と特性多項式
- 固有値ベクトルの求め方
- 固有ベクトルの求め方: 固有値を引いた行列を係数に持つ斉次1連立1次方程式の解として
- 問題演習: 固有値と固有ベクトル
- 行列の対角化
- 行列の対角化の計算: 具体例を通して
次回は対角化の復習および問題演習から初めます。
- 参考資料9 (行列の対角化とm乗計算)
- 演習問題6 1月20日解答公開
- 確認問題9 1月13日 解答公開
- 確認問題10 1月20日解答公開
- 2016年12月16日 (金), 22日 (木)
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- 数ベクトル空間 (続)
- 斉次連立1次方程式の解空間 (続)
- 斉次連立1次方程式の解空間の構造 例題の補足
—パラメーターを括り出すことで Span と見做す、解空間の次元=パラメータの個数
- 線形部分空間が Span で表されることの証明
※ 線形独立性、線形従属性、線形部分空間の定義を余すところなく用いた上、背理法などの証明のテクニックもふんだんに盛り込まれた証明ですので、数学の論証問題に興味のある方は良く復習されることをお薦めします。線形独立性/従属性を用いた論証問題の雛形です。
- 固有値と固有ベクトル
- 固有値、固有ベクトルの定義と例
- 固有値と特性多項式
- 実数λが行列Aの固有値となるための条件: det(A-λIn)=0
- 特性多項式の定義、特性多項式の根が固有値となること
- 特性多項式を用いた固有値の求め方の例
次回は固有値の計算演習から初める予定。
- 参考資料8 (固有値と特性多項式、ケーリー-ハミルトンの定理)
- 2016年12月9日 (金), 15日 (木)
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- 数ベクトル空間 (続)
- 線形部分空間 (続)
- 線形部分空間の例: Span が線形部分空間であること
- 線形部分空間でない部分集合の例: 放物線、原点を通らない平面、第1象限、x軸+軸
- “線形部分空間=どこまでも続く原点を通るまっすぐな空間”
- 線形部分空間は必ず Span で表される (証明は次回)
- 線形部分空間の次元と基底の定義
- 斉次連立1次方程式の解空間
- 斉次連立1次方程式の解全体が線形部分空間となること (解空間)
- 例題: 斉次連立1次方程式の解空間 (解空間の構造については次回補足します)
- 学期末考査・成績評価について
- 確認問題8 12月26日 解答公開, 2017年1月24日 誤植訂正
- 2016年12月2日 (金), 8日 (木)
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- 数ベクトル空間 (続)
- Span とその次元・基底 (続)
- Span の次元・基底の定義とその意味 (復習)
- 行基本変形後も線形関係が変わらないこと
- Span の次元・基底の求め方、問題演習
- 線形部分空間
- 参考資料7 (線形部分空間, 斉次連立1次方程式の解空間) 次回講義時も持参すること!!!
- 演習問題5 1月16日 解答公開
- 確認問題7 12月15日 解答公開
- 2016年11月25日 (金), 12月1日
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- 数ベクトル空間 (続)
- 数ベクトルの線形独立性と線形従属性 (続)
- 連立1次方程式の解のパラメータの個数 = 非ピボット未知数の個数 (前期の復習)
- 係数行列の階数と線形独立性/線形従属性の関係
- 応用: 数ベクトル空間の次元よりも個数の多い数ベクトルは線形従属
- Span とその次元・基底
- 数ベクトルの線形結合と Span の定義
- 線形結合の意味: 与えられたベクトルから和とスカラー倍を使って新しいベクトルを作る
- 空間ベクトルの場合の Span の例 —同じ個数の数ベクトルでも Span の “大きさ” は異なり得る!!
- Span の “大きさ” と線形独立性/線形従属性の関係
- Span の次元および基底の定義: 線形独立なものの最大個数として
- 演習問題4 12月8日 解答公開
- 2016年11月18日 (金), 11月24日 (木)
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- 数ベクトル空間
- 数ベクトルと数ベクトル空間: 定義と例
1,2,3次元数ベクトル空間と数直線, 座標平面, 座標空間 4次元数ベクトル空間とミンコフスキーの時空間
- 数ベクトルの線形独立性と線形従属性
- 数ベクトルの線形独立性と線形従属性の定義
- 基本ベクトルの線形独立性 — 定義に即して
- 数ベクトルの線形独立性/従属性の判定: 例題
- 問題演習: 数ベクトルの線形独立性/従属性の判定 演習問題解答例
- 参考資料6 (数ベクトルとその線形独立性/線形従属性) 次回講義時も持参すること!!!
- 確認問題6 12月1日 解答公開
- 2016年11月11日 (金), 17日 (木)
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- 行列式 (続)
- 行列式の明示式
- 行列式の明示式
- 行列式の基本3性質を用いた明示式の導出: 3次行列式の場合を例に 講義で用いたスライド
- 多重線形歪対称関数の展開公式
- 行列式の乗法性
- 行列式の乗法性: (行列の) 積の行列式は、行列式の積
- 具体例の計算 — 行列の積は交換しないが行列式を取ると交換する
- 応用: 正則行列の行列式は0でない、逆行列の行列式は行列式の逆数
- 定理の証明の概略: 多重線形歪対称関数を巧く作る
- 転置行列の行列式
- 転置行列とは — 「横書き」を「縦書き」にする操作
- 定理: 転置行列の行列式は、もとの行列の行列式と等しい
- 図形的意味: 列ベクトルの張る平行四辺形の面積と列ベクトルの張る平行四辺形の面積が等しい
- 応用: 行列式の列ベクトルに関する性質は、行ベクトルに関しても成立する (詳細は演習問題A-3. 参照)
- 証明の概略: 「基本行列の積」の形にして基本行列に対して定理を示す (行列式の乗法性の利用)
- 参考資料5 (行列式のやや難しい性質について) ※ ウェブページ掲載版のみの加筆あり
- 演習問題A 11月17日 解答公開
講義で解説出来なかった箇所を演習問題形式に纏めたもの。自習課題
- 行列式の “マインド・マップ”
「行列式」の単元は内容も抱負で、色々な話題が複雑に絡み合っているため、このような「視覚的」に理論の全体を展望出来る “地図” を作成するのは非常に良い勉強になると思います。
- 今回は 確認問題はありません!
今回の内容は、「行列式」の分野で “やり残した箇所” をすべて詰めこんだため、若干発展的であり、「難しい」と感じられただろう。実際、今回の内容をしっかり身につけるためには 行列式の計算に或る程度慣れ親しんでいる 必要があり、一朝一夕で身につく内容ではない。したがって、テスト勉強等する際はいきなり本日の内容を復習するのではなく、先ずは 行列式の計算、余因子行列、クラーメルの公式 辺りの計算問題からしっかりと復習すること! 或る程度修行を積んでから、またチャレンジしてみて下さいね!!
- 2016年11月4日 (金), 11月10日 (木)
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- 行列式 (続)
- ラプラスの余因子展開の応用Ⅰ: — 余因子行列と逆行列 (続)
- 余因子行列の性質の証明: Ã と A の積の各成分が余因子展開の形となることを確認する
- ラプラスの余因子展開の応用Ⅱ: — クラーメルの公式
- n 元1次連立方程式とクラーメルの公式
- 問題演習: クラーメルの公式
- 定理の証明: 逆行列 (余因子行列) を左から掛ける
- 連立1次方程式と行列式: その歴史的背景について 講義終盤で用いたスライド
- 参考資料4+ (連立1次方程式の解の公式と行列式の歴史的背景について; 試験範囲外)
- 演習問題3 (レポート問題; 11月24日 解答公開予定)
- 確認問題5 11月17日解答公開
- 2016年11月3日 (木) 文化の日
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休校日 (木曜2限 1EJEHESクラスのみ)
- 2016年10月27日 (木), 28日 (金)
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旭祭による休校日
- 2016年10月20日 (木), 21日 (金)
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- 行列式 (続)
- 行列式の計算法Ⅱ: ラプラスの余因子展開 (続)
- ラプラスの余因子展開の応用Ⅰ: — 余因子行列と逆行列
- 余因子行列の定義
- 定理: 余因子行列ともとの行列の積は、単位行列の行列式倍
- 帰結: 行列式が 0 でないならば正則行列, 行列式が0ならば零因子を持つ
- 計算例: 2次正方行列の場合
- 問題演習: 余因子行列の計算
次回は定理の証明から始める予定です。
- 講義中に実施した演習問題の 解答例
- 参考資料4 (ラプラスの余因子展開の応用)
- 演習問題2 (レポート問題; 11月11日 解答公開)
- 確認問題4 11月10日 解答公開
- 2016年10月9日 (金)
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- 行列式 (続)
- 行列式の計算法Ⅰ: 行列の三角化 (続)
- 行列の三角化を用いた行列式の計算についての補足 (注釈)
- 整数行列の行列式は整数 (分数になってしまったら計算ミス)
- 基本変形の際には分数の計算が出て来ないように工夫するべし
- 行基本変形、行に関する基本3性質も成立する
(転置行列の行列式がもとの行列の行列式と一致することの帰結; このことは行列式の単元の終盤に扱います)
- 4次以上の行列式に対してはサラスの公式は成り立たない
- 三角行列の行列式が対角成分の積になることの説明
— さらに掃き出して対角行列の場合に帰着する
- 行列式の計算法Ⅱ: ラプラスの余因子展開
- 余因子の定義 (特に余因子の符号について)
- ラプラスの余因子展開定理
- 余因子展開を用いた行列式の計算例、問題演習
- 参考資料3 (ラプラスの余因子展開)
- 確認問題3 10月21日公開
- 2016年10月6日 (木), 7日 (金)
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- 行列式 (続)
- n 次行列式
- n 次行列式の定義
- 例題: 基本3性質を用いた行列式の計算
- 行列式の計算法Ⅰ: 行列の三角化
- 全ての成分が0である列を含む行列の行列式は0
- 同じ列ベクトルを含む行列の行列式は0 (ファンデルモントの定理)
- 列基本変形と行列式
- 三角行列の行列式は対角成分の積 (次回補足します)
- 行列の三角化による行列式の計算例
- 参考資料2 (n 次行列式, 行列の三角化による行列式の計算)
- 演習問題1 (レポート問題; 10月21日 解答公開)
- 確認問題2 10月14日 解答公開
- 2016年9月29日 (木), 30日 (金)
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- 行列式 (続)
- 行列式の基本3性質 (続)
- 2次行列式の基本3性質: 多重線形性, 歪対称性, 単位行列の行列式は1 (復習)
- 基本3性質のみを用いて行列式が計算出来ること
- 問題演習: 基本3性質を用いた行列式の計算
- 3次行列式の基本3性質について
- 行列式の基本3性質の図形的意味
- 講義中に実施した演習問題の 解答例
- 参考資料1 (行列式の基本3性質とその証明; Webページ公開版のみの加筆あり)
- 参考: 2次行列式の多重線形性の解説アニメーション (背景をクリックすると進行します; Adobe Flash Player を推奨)
※ 繰り返し閲覧する際はリロードして下さい。
- 確認問題1 10月7日 解答公開
- 2016年9月22日 (木) 秋分の日, 23日 (金)
- 休講
- 2016年9月15日 (木), 16日 (金)
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- ガイダンス — 平面・空間ベクトルの幾何学から、高次元数ベクトルの幾何学へ 配布資料
- 行列式
- 2次行列式, 3次行列式の復習 — 「符号付き面積」「符号付き体積」としての理解
- 2次行列式の基本3性質: 多重線形性, 歪対称性, 単位行列の行列式は1
- 計算練習: 行列式の基本3性質が実際に成立していること
※ 私が『線形代数学Ⅰ』を担当した学生には期末試験を返却しました。クラスが変わった人で、期末試験の返却を要望する方は個別にお知らせ下さい。
※ 次週 (9/22, 23) は 休講です!! 履修登録は確実にしておくこと!! また 行列式の基本3性質は丸暗記する位しっかり復習すること!!
講義日程
1EJ・1EH・1ES科 (UNIPA も参照のこと)
9月 15日, 22日 (休講), 29日
10月 6日, 13日, 20日, 27日 (旭祭による休校日)
11月 3日 (文化の日 / 休校日), 10日, 17日, 24日
12月 1日, 8日, 15日, 22日, 29日 (冬季休校)
1月 5日 (冬季休校), 12日, 19日, (26日)
1EK・1EF科 (UNIPA も参照のこと)
9月 16日, 23日 (休講), 30日
10月 7日, 14日, 21日, 28日 (旭祭による休校日)
11月 4日, 11日, 18日, 25日
12月 2日, 9日, 16日, 23日, 30日 (冬季休校)
1月 6日 (冬季休校), 13日 (センター試験 / 休校日), 20日, (27日)