トップページ > 講義 > 2015年度 > 代数学入門
代数学入門 Introduction to Algebra
工学部・未来科学部 1年生〜
全学科 (月曜5限)
担当: 原 隆
場所: 2号館2501教室
講義内容 (シラバスより):
整数 (0,±1,±2,...) は最も「素朴な」数の概念であり、ともすれば実数などと比べて非常に単純な数の様にも考えられがちである。しかし、〈整数の世界〉が〈実数の世界〉とはまた違った意味で非常に奥深く魅力的な構造を持っていることが徐々に明らかになり、古来より数多くの数学者達を研究に駆り立ててきた。さらに近年では、暗号理論など我々の生活に密接に関わる分野にも整数の理論が応用されるようになっている。
この講義では初等整数論の初歩について学習する。整数を割った「余り」の概念の復習から始め、「余りの数の世界」に於ける様々な法則の金字塔たるフェルマーの小定理、オイラーの定理を理解することを目指して講義を進める。時間が許せば応用的なトピックスについても扱う予定である。
教科書: 遠山啓著『数の不思議 — 初等整数論への招待』 (SBクリエイティブ)
このページには主に講義のメモ (個人的な備忘録に近いです) 及び配布物等を掲載してゆく予定です。
お知らせ / 更新履歴
- 今年度の講義はすべて終了しました。半年間お疲れ様でした。
- 答案の返却は1月28日(木) の補講以降 40903A室にて受け付けます
講義内容
- 2016年1月28日 (木)
-
- 学期末考査 答案返却
答案の返却は1月28日(木) 補講以降 40903A室にて受け付けます
基本的に平日のみ / 1月29日 (金) は 14:40—15:00 か 18:30— のみ
いつも在室しているとは限らないので、事前にメールでアポイントを取ることをお奨めします。
- フェルマーの最終定理から代数的整数論の世界へ
- フェルマーの最終定理
- n=3,4 のときの証明の方針 — ガウスの整数、アイゼンシュタインの整数を用いて「因数分解」する
- ラメ、コーシー等のアイデア: 1のn乗根を付け加えた整数での「因数分解」
- ラメ、コーシー等の議論の破綻: 素因数分解の一意性の崩壊
- クンマーの理想数のアイデアとイデアル — そして代数的整数論の世界へ
- 参考資料12
※ 1の3乗根の誤植を赤字で修正してあります。
お疲れ様でした。
- 2016年1月25日 (月)
-
- 学期末考査 試験問題 略解
速報 55名受験 S:18名 A:21名 B:10名 C:4名 D:2名 11名放棄
※ 試験問題の訂正 (第8問) は赤字で反映してあります。また、「2016年度」ではなく「2015年度」学期末考査でした。
最後まで詰めが甘くてごめんなさい m(_ _)m
- 採点講評およびアンケートの自由解答欄へのコメント
- 2016年1月18日 (月)
-
- 応用2: ガウスの整数
- ガウスの整数の定義
- ガウスの単数とその求め方 — ノルムを利用して
- ガウスの素数とその分布
- フェルマーの2平方和定理とその意味: 4で割ると1余る奇素数はガウス整数としてさらに因数分解出来る!
- 素因数分解の一意性とピタゴラス数の求め方への応用
- 参考資料11 (取り敢えず演習問題の解答のみ追加)
※ 演習問題11-1. (1) の問題文を間違えていたので赤字で修正しておきます。混乱させてすみません。
- 小テスト10 問題 解答
39名受験 平均点: 2.33点/7点 最高点: 7点 (1名)
- 2015年12月21日 (月)
-
- 応用1: RSA公開鍵暗号
- 共通鍵暗号と公開鍵暗号
- 共通鍵暗号 (古典的暗号) とその問題点
- 公開鍵暗号 — 鍵の共有問題に対するディフィー、ヘルマン等のアプローチ
- RSA公開鍵暗号
- 鍵生成プロトコルについて
- 暗号化、複合化の手順について (オイラーの定理の応用)
- 計算演習: RSA公開鍵暗号の鍵生成プロトコルと暗号化、複合化
- RSA公開鍵暗号の安全性 — (大きい数の) 素因数分解の困難性
- 参考資料10 (2016. Jan. 14
演習問題解答追加)
- 小テスト9 問題 解答
49名受験 平均点: 3.78点/7点 最高点: 7点 (4名)
- 2015年12月14日 (月)
-
- 合同式 (続)
- オイラーのφ関数とオイラーの定理 (続)
- オイラーの定理の証明の概略 (フェルマーの小定理の証明と比較して)
- オイラーのφ関数の性質
- 素因数がひとつの場合のφの計算
- オイラーのφ関数の乗法性
詳しい解説をする時間が無くなってしまいました。すみません。
詳細はテキスト『数の不思議』の p.p.139—142 を参照して下さい。
- オイラーのφ関数の計算法: n の素因数分解を基に
- 本講義の成績評価について
- 参考資料9
※ 系の中の数式の pr の指数が間違っていました。正しくは er–1 です。すみません。
こちらに置いてあるものでは赤字で直しておきました。
- 小テスト8 問題 解答
51名受験 平均点:5.43点/7点 最高点: 7点 (13名)
- 2015年12月7日 (月)
-
- 合同式 (続)
- フェルマーの小定理 (続)
- 応用: 法 p での逆元の求め方 (続)
- 証明の概要: 「法 p での掛け算の表」を観察する
- オイラーのφ関数とオイラーの定理
- オイラーのφ関数の定義と計算例
- オイラーの定理
- 応用: 法 n での逆元の求め方
- 参考資料8 (Dec. 17. 演習問題の解答追加)
- 小テスト7 問題 解答
57名受験 平均点: 5.28点/7点 最高点: 7点 (20名)
- 2015年11月30日 (月)
-
休講
- 2015年11月23日 (月) 勤労感謝の日
-
- 合同式 (続)
- 連立合同方程式と中国式剰余定理
- 孫子算経の数当て問題 — 「余りの情報からもとの数を求める」
- 連立合同方程式による書き換えと中国式剰余定理
- 連立合同方程式の解法について
- フェルマーの小定理
- フェルマーの小定理の主張と例
- 応用: 法 p での逆元の求め方
- 参考資料6 (連立合同方程式と中国式剰余定理; Dec. 7. 解答を追加)
- 参考資料7 (フェルマーの小定理; Dec. 16. 解答を追加)
- 小テスト6 問題 解答
54名受験 平均点: 5.67点/7点 最高点: 7点 (23名)
- 2015年11月16日 (月)
-
- 合同式 (続)
- 一次合同方程式 (続)
- 一次合同方程式の解法Ⅱ — x の係数と法 n が互いに素でないとき
最大公約数で 法 n も含めて約分する
- 問題演習: 一次合同方程式の解法Ⅱ
- 不定方程式への応用
- 不定方程式への応用 — 適当に modulo して x か y の一次合同方程式に帰着する
- 問題演習: 不定方程式への応用
- 今回は参考資料は配布していません。参考資料5の後半が今回の講義の該当部分です。
- 小テスト5 問題 解答
55名受験 平均点: 5.93点/7点 最高点: 7点 (27名)
- 2015年11月9日 (月)
-
- 合同式 (続)
- 合同式の応用例
- 大きな数を割ったときの余り: 1と合同になるような羃乗を探す
- 一次合同方程式
- 一次合同方程式とは? — 一次方程式と比較して
- 一次合同方程式の解法Ⅰ — x の係数と法 n が互いに素なとき
- 問題演習: 一次合同方程式の解法Ⅰ
- 法 n での逆元の定義
- 法と互いに素な整数には逆元が存在する
証明はフェルマーの小定理, オイラーの定理によるので、取り敢えず保留 (お楽しみに!)
- 参考資料5 (Nov. 16 すべての問題の解答を公開)
※ 問題5-1. (1), (2), (3), (7) は今回の講義の内容で解けるので、解いておこう。
また、テキスト『数の不思議』の問題31も解ける筈なので、是非チャレンジを!!!
- 小テスト4 問題 解答
51名受験 平均点: 5.35点/7点 最高点: 7点 (20名)
- 2015年11月2日 (月)
-
休校日
- 2015年10月26日 (月)
-
- 合同式
- 合同式
- 定義のその意味 — 「整数を余りで分類する」
- 合同式の基本性質: 合同式の加減乗について
- 合同式の応用例
- 参考資料4 (Nov.4. 演習問題の解答追加)
- 小テスト3 問題 解答
56名受験 平均点: 5.32点/7点 最高点: 7点 (17名)
- 2015年10月19日 (月)
-
- 一次不定方程式 Ⅰ (続)
- ベズーの補題 — ユークリッドの互除法を用いた一次不定方程式の特殊解の構成
- 演習問題: ユークリッドの互除法を用いた一次不定方程式の特殊解の構成
- 整数の素因数分解
- ユークリッドの補題 — ベズーの補題の応用として
- 素因数分解の存在と一意性定理 (詳細は下記参考資料参照)
- 参考資料3 (ベズーの補題と素因数分解の存在と一意性定理の証明、演習問題の解答付)
- 小テスト2 問題 解答
58名受験 平均点: 6.09点/7点 最高点: 7点 (32名)
- 2015年10月12日 (月) 体育の日
-
- 約数と倍数 (続)
- 一次不定方程式 Ⅰ
- 一次不定方程式の定義と例
- 一次不定方程式の整数解が存在する必要条件
- 一次不定方程式の解の構造 — ひとつ整数解が存在すれば、無限個の整数解が存在する
- 参考資料2 (演習問題の解答付)
- 小テスト1 問題 解答
58名受験 平均点: 6.41点/7点 最高点: 7点 (44名)
- 2015年10月5日 (月)
-
- 約数と倍数
- 割り算定理
- 割り算定理の主張と例 (特に負の数が絡む場合)
- 割り算定理の証明: 商と余りの存在と一意性
- 約数、倍数、素数の定義
- 公倍数と公約数
- 公約数、最大公約数の定義
- 公倍数、最小公倍数の定義
- 「互いに素」の概念
- ユークリッドの互除法
- 互除法の原理の紹介 (証明は次週)
- 互除法を用いた最大公約数の求め方
- ユークリッドの互除法の問題演習
- 参考資料1 (演習問題の解説付)
- 2015年9月28日 (月)
- 休講 (補講等の日程は未定)
2015年9月28日 (月) 休講 とします
なお、小テストは 10月12日 (第3回の講義 / 授業実施日) から 開始予定です。
※ 4限に実験が入っている学生がいるため、小テストの実施を 講義終了時 に変更致します。
- 2015年9月14日 (月)
-
- ピタゴラス数
- ピタゴラス数の定義、例
- ピタゴラス数の性質: a2+b2=c2 のとき、a, b の少なくとも一方は偶数
- 余りに関する分類: 合同式へ
- フェルマーの最終定理について
- 履修についてのガイダンス ガイダンス資料 (足りなくてすみません)
※ 小テストについて: 前の時間に実験が入っている学生には何らかの対策をします。少々お待ち下さい。
講義日程
1EK・1EF科 (UNIPA も参照のこと)
9月 14日, 21日 (敬老の日 / 休校日), 28日 (休講)
10月 5日, 12日, 19日, 26日
11月 2日 (休校日), 9日, 16日, 23日 (勤労感謝の日 / 授業実施日), 30日 (休講)
12月 7日, 14日, 21日, 28日 (冬季休校)
1月 4日 (冬季休校), 11日 (成人の日 / 休校日), 18日, 25日, (28日 / 月曜日授業実施日)