情報処理Ia 第8回

はじめに

本日の内容はPowerPointでのプレゼンテーション資料作成です。自分の考えが伝わりやすく内容を把握してもらいやすい表現のスライドを作るためのスキルを習得しましょう。

PowerPointとは

プレゼンテーション資料を作成するアプリケーションで、人に何かを説明する資料を作成できます。 具体的には、紙芝居のようにスライドを見せていくことができます。 これをスライドショーといいます。 学術的な発表や、講演、ビジネスでのプレゼンなどでよく使われます。

スライドには、 文字、図、グラフの他、音や動画も挿入できます。 また、アニメーション機能によってスライドに動きを持たせることもできます。 動きをつけることで、相手に伝わりやすい資料を作成することができます。

Wordと同じ、Microsoft Officeの仲間なので、操作メニューが含まれるリボンなどに 共通点が多く、文字の装飾や、箇条書き、図の挿入等は同じ操作で行うことができます。

編集作業をはじめる前にすべきこと

わかりやすく、簡潔で、言いたいことが伝わるプレゼンをする、これがすべてですが、どうすればいいかは試行錯誤してやっていく必要があります。とりあえず、おおよその道筋を示しておきます。

まず構成を考える

PowerPointでプレゼンテーション資料をつくるにあたって、まず全体の構成を考える必要があります。つまり、どうすれば相手にうまく伝わるかを考える必要があります。

いきなりスライドを1枚ずつ作成し始めるのではなく、ざっくりとストーリー展開を考えながら、各スライドのタイトルにあたるような言葉を考えていきます。10文字程度の長さで考えるとよいでしょう。それらをスライド一覧のように並べて、起承転結のような流れができているか、必要なら順番を入れ替えたりして、最後のまとめのスライドに向けて全体のメッセージが集約されていくかどうかを俯瞰的に考えるのがよいと思います。 そうして全体の構成が決まってから、各スライドに含める内容を考え始めます。

デザインにも気を配る

  1. 文章はできるだけ簡潔にする。
  2. フォントもある程度大きい方がよい。
  3. 1枚のスライドに情報を詰め込み過ぎない。
  4. 文字だけでなく、視覚的にわかりやすい図やグラフを取り入れるとよい。
  5. ただし、グラフの数値や文字は細かいと見えにくいので簡略化する。
  6. スライドに載せるには細かすぎる詳細なデータなどは手元の資料として配布することを考える。
  7. アニメーションの使いすぎは逆効果。
  8. 図にしろ、アニメーションにしろ、あくまで、自分が伝えたいことを相手に伝わりやすくするために使用する、ということを忘れずに。
  9. 最初に表題のスライド、最後にまとめのスライドを作成する。
  10. スライドの枚数が多くなったときには、2枚目に目次のスライド(何についてどういう話が展開されるかが俯瞰できるようなスライド)を作成する。
  11. 1枚のスライドに複数の内容を詰め込まない。1枚につき1つのことを説明する。

わかりやすいプレゼンを作るための指南書やウェブサイトを探す

プレゼンテーションのテクニックについては、本もたくさんありますし、ウェブにも様々な情報があるので探してみるとよいでしょう。とくにデザインについては、多くの実例を見ることが大事です。

2冊ほど参考本を挙げておきます。どちらもamazon.co.jpのkindleunlimitedの読み放題で無料で読めます。

PowerPointの操作

資料の作成手順

編集作業は次のような流れになります。
  1. PowerPoint を起動する。
  2. ファイルを開く。
  3. 題名を入力する。
  4. スライドを追加して、編集する。
  5. 必要に応じて、4を繰り返す。(時々ファイルを保存する)
  6. アウトライン、スライドショーで出来上がりを確認する。
  7. (ナレーションを追加する。)
  8. 満足のいく仕上がりになるまで手直しをする。
  9. ファイルを保存して閉じる。
  10. PowerPointを終了する。
これからPowerPointの基本的な機能について順に説明していきます。提出課題を作成するのには十分ですが、説明できる範囲は限られます。 Microsoftの公式PowerPointサイトがありますので、必要に応じて自分で検索して調べられるように、リンクを載せておきます。

起動

PowerPoint2016/PowerPoint2019/PowerPoint2021はインストールして使うアプリ版しかありませんが、Microsoft365版のPowerPointは、Web版と、インストールして使うアプリ版の両方が利用可能です。ただWeb版の方は機能が制限されます。教室端末にインストールされているのはPowerPoint2019で、学生が大学から提供されたライセンスを使って自分のPCにインストールするのはMicrosft365になります。講義ではPowerPoint2019かMicrosft365のインストール版を想定して説明しています。
【Windows:大学】 をクリック→をクリック。
【Windows:Microsoft365】 ウィンドウズロゴキーでメニューを表示させたら「すべてのアプリ」(Win11)/「アプリの一覧」(Win10)のPの項目からPowerPointを探してクリックすると起動します。
Windows10の場合、ウィンドウズロゴキーでメニューを表示させたときタイルをクリック→タイルをクリックで起動するとWeb版になると思いますので、そちらは使いません。
毎回Pの項目からを探してクリックするのが面倒な場合は、を右クリック(2本指タップ)→「スタートにピン留めする」を選ぶとタイルが登録されます。自分で登録したタイルをクリックするとアプリ版が起動するはずです。
「スタートにピン留め」するタイルはドラッグ&ドロップで並べ替えることができますし、いくつかのタイルをまとめることもできます。タイルを削除するときは、右クリックメニューから「スタートからピン留めを外す」を選びます。
【Mac:Microsoft365】 DockにあるPowerPointをクリックするか、DockのFinderをクリック→アプリケーションをクリック→PowerPointを探してダブルクリックして起動します。
をクリックして表示されるアプリのアイコンは、ドラッグ&ドロップでDockに追加できます。よく使用するアプリはDockに並べておくとよいでしょう。Dockに登録されたアイコンはFinderとゴミ箱以外はドラッグ&ドロップで並べ替えることができます。削除するときは、Dockからドラッグして「削除」の文字が表示されるまでDockから離してドロップします。
Microsoft365のPowerPointを自分のパソコンで起動したときには、ブラウザ上で起動しているWeb版でないことを確認してください。Word同様、下図のように見分けられます。

開く

新規に作成するとき

アプリケーションウィンドウが開いた後、新しくプレゼン資料の作成を始めるには、 「新しいプレゼンテーション」をクリック(あるいはダブルクリック)します。 これで、スライドが1枚用意されて、それを編集できる状態になります。
Microsoft365で「新しいプレゼンテーション」をクリックするとウィンドウの右側に「デザイン アイデア」という項目が開くかもしれませんが、右側の[×]バツ印ボタン(←この赤い丸の部分)をクリックして閉じて下さい。(必要ならいつでも「ホーム」タブの「デザインアイデア」をクリックして表示できます。)

すでに保存されているファイルを再編集するとき

起動時に、すでに保存してあるファイルを再編集する場合には、「開く」を選びます。
【Windows:教室端末】
[他のプレゼンテーションを開く]→[最近使ったアイテム]や[このPC]をクリックしてをファイル探します。

【その他の環境】
WindowsMac
「最近使ったアイテム」(Windows版Microsoft365)、「最近使ったファイル」(Windows版PowerPoint2019)、「最近使ったフォルダー」(Mac版Microsoft365)の項目で表示されるファイルをクリックするか、「他のプレゼンテーションを開く」(PowerPoint2019)や右図の「このPC」(Windows版Microsoft365)や左図の「自分のMac」(Mac版Microsoft365)をクリックして、目的のファイルを探し出してクリックします。これでファイルが開いて再編集できるようになります。

今開いているファイルをそのままにして、別のファイルを編集したいとき

すでになんらかのファイルを開いた後に、別のファイルを編集したい場合には、「ファイル」タブ(Windows)や「ファイル」メニュー(Mac)をクリックすれば起動のときと同じように「開く」や「新規」(Windows)/「新規作成」(Mac)のメニューが表示されます。

保存

編集した内容は自分でファイル名と保存先フォルダを決めてファイルとして保存します。保存の際は「上書き保存(Windows)/保存(Mac)」か「名前を付けて保存」かを選びます。「ファイル」タブ(Windows)あるいは「ファイル」メニュー(Mac)をクリックするとこの2つのメニューが表示されます。

上書き保存」(Windows)、「保存」(Mac)は、一度ファイル名と保存先フォルダを決めてしまえば、あとは繰り返し文書を上書きして保存します。編集途中であっても編集中の内容が失われないように、こまめに保存するとよいでしょう。一番最初に「上書き保存」するときには、「名前を付けて保存」と同じ操作をすることになります。

名前を付けて保存」を選ぶと、毎回ファイル名や保存先フォルダ、ファイルの形式などを決めて保存することになります。内容を変更した文書をオリジナルと別名で残したいときや、ファイル形式を変換したい場合に利用します。

「名前を付けて保存」や一番最初の「上書き保存」のときは、保存先フォルダを選べます(Mac版とWindows版の下図を参考にしてください)。PowerPointファイルの拡張子は「.pptx」です。ファイル名の拡張子は自分で入力してもいいですし、省略しても選んだファイル形式の拡張子が保存時に自動的に付与されます。 最後に「保存」ボタンをクリックして保存します。

【Windows:大学】 「このPC」の「U:」を選んで、あとはそのままそこにでも、U:にあるフォルダにでも好きに保存して下さい。保存時のファイル名は候補がすでに示されていると思うので、必要なら拡張子より前の部分を変更して下さい。拡張子は「ファイルの種類」を選ぶと適切な拡張子に変わります。形式を変更する必要がなければ「PowerPointプレゼンテーション(*.pptx)」のままにして下さい。
【Windows】「このPC」を選んだときの図です。赤で囲った部分が保存先フォルダです。ここをクリックするとエクスプローラーが開くので、そこで保存先フォルダを変更できます。
「PowerPointプレゼンテーション(*.pptx)」がファイル形式です。それ以外の形式に変換したいときには、クリックして変更します。その上の「ここにファイル名を入力してください」とある箇所にファイル名を入力します。
【Mac】「場所」という項目で保存先を指定します。 黄緑で囲った部分をクリックして「オンラインの場所」と「自分のMac」を切り替えます。また青で囲った部分をクリックすることで表示方法を変えられます。

ファイル形式は「PowerPointプレゼンテーション(.pptx)」です。それ以外の形式に変換したいときには、クリックして変更します。「名前」の欄にファイル名を入力します。
「ファイル」メニューが表示されている状態から、何も選択せず、直前の画面に戻りたい場合には、Windowsではをクリック、Macではメニューの外でクリックします。

Web版のPowerPointで作成したファイルを自分のPCに保存するには

Web版のPowerPointでファイルを作成してしまった場合には、保存先はOneDriveになります。 自分のPCに保存する方法はいくつかありますが、例えば、Web版で該当ファイルを開いているときに、「ファイル」→「名前を付けて保存」→「コピーのダウンロード」の順にメニューを選べば、自分のPCにファイルをダウンロード(保存)できます。

名前を付けて保存で形式変換

ファイルの形式を変換したいときには、「名前を付けて保存」で、 ファイル形式を変更して保存します。 PDFファイルに変換したり、OpenDocument PresentationといわれるODPファイルに変換することができます。 ODPファイルは、プレゼンテーションソフトで作成されるスライドの標準ファイル形式の一つです。拡張子は「.odp」です。
ただしODP形式への変換に対応していない古いPowerPointもあります。
いずれにしてもPowerPointの機能を失わずそのまま保存するためにオリジナルは必ずPPTX(PowerPointプレゼンテーション)形式で保存しましょう。

終了、閉じる

「閉じる」は、「開いた」文書の編集をやめて「閉じ」ます。編集した内容を保存したい場合には、「閉じる」前に保存作業をします。

Macはデスクトップ画面左上に「PowerPoint」メニューがあるのでこれをクリックして「PowerPointを終了」を選ぶとPowerPointが終了します。

Windowsの「ファイル」タブをクリックして表示されるメニューには、「閉じる」があっても「終了」がありません。 「閉じる」を行って編集途中の文書がなくなって、WindowsのPowerPointを終了したい場合には、アプリケーションウィンドウ右上端の[×]ボタンでウィンドウを閉じます。

Microsoft365のPowerPointで保存せずに閉じようとして「保存しますか?」と聞かれたら「保存」(保存して閉じる)か「保存しない」(保存しないで閉じる)か「キャンセル」(閉じずに編集を続ける)を選びます。 「保存」を選ぶときには、「名前をつけて保存」の場合と同じでファイル名、ファイル形式、保存先フォルダを必要なら変更できます。Mac版では「名前をつけて保存」と同じウィンドウが表示されているはずです。Windows版は少し違っていて、ファイル名の入力ボックスの右側に拡張子が表示されています。規定の場合であれば「.pptx」です。ファイル形式を変えたい場合には、この拡張子をクリックして表示される一覧から目的の形式を選びます。 保存先フォルダは、Windows版では「場所を選択」の項目で指定します。 ファイル 保存先フォルダは「場所を選択」のところに表示されているフォルダです。右図の場合は、OneDriveなっていますが、ここをクリックして別のフォルダを選ぶことができます。もし、保存場所の横にあるコンテキストメニュー「 ファイル」をクリックすると、「 ファイル」のメニューが表示されるので「規定の場所に設定」を選べば最初に候補として表示される場所(既定とかデフォルトなどど呼ばれます)を設定し直すことができます。

初期画面

パワーポイントウィンドウの各部の名称を確認しましょう。
【Windows:教室端末のPowerPoint2019】


【Windows : Microsoft365】
 

スライドのサイズ

スライドサイズは、ワイド画面(16:9)にあらかじめ設定されていますが、[デザイン]→[スライドのサイズ]アイコンをクリックして、標準(4:3)に変更可能です。どちらにするかは発表環境に合わせて決めますが、大抵の場合、ワイド画面で大丈夫です。

スライド内の枠に文字を入力する

「新しいプレゼンテーション」で編集を開始した直後は先ほどの初期画面の画像と同じような画面になっていると思うので、「タイトルを入力」とある枠内をクリックすると文字列が入力できるようになります。ここには表題を入力します。また、「サブタイトルを入力」とある枠は、サブタイトルの他、自分の所属、名前などを入力するのに使用されることが多いです。
スライド上にある「タイトルを入力」と表示されているような、枠で囲まれたボックスをプレースホルダーと言います。プレースホルダーは、そこに何を加えればよいかわかるように文字列やアイコンが表示されていて、それらにあわせた書式設定がされています。例えば最初のこのスライドでは、ユーザにテキストの入力を促していて、見出しフォント、サイズ、色が書式設定されています。これらの設定はユーザが後から変更できます。
プレースホルダーなどのスライド上にあるコンテンツの枠内をクリックすると、その枠が囲んでいる領域が選択されている状態で操作対象になり、枠外のどこかをクリックすると枠の選択が解除されます(枠の表示が消えます)。

スライド内の枠の移動、サイズ変更、回転

ここからのアニメーションまでの機能については講義資料としてGoogleClassroomに提示した動画で動きを確認できます。

スライド内のコンテンツをクリックして枠が表示された状態で、枠の「境界線」にマウスカーソルをもっていってカーソルの形が十字に変わった状態でドラッグすると枠を移動させることができます。また、枠の「境界線」や「角」にマウスカーソルをもっていってカーソルの形が双方向矢印に変わった状態でドラッグすると枠の大きさを変更することができます。

さらに、枠が選択されている状態では中央上部にのような印が表示されているので、これをドラッグすると枠を回転させることができます。

スライドの追加、レイアウト

「ホーム」タブの「新しいスライド」新しいスライド(PowerPoint2019)、新しいスライド(Microsoft365)をクリックすると、アウトラインペインで朱色の枠で表示されたスライド(スライドペインで編集中のスライド)の次に、新しいスライドが追加(挿入)されます。

このとき、「新しいスライド」傍の()ボタンをクリックすると右図のような一覧が表示されるので、追加されるスライドのレイアウトを選ぶこともできます。

レイアウトというのは、スライドの中に含まれるプレースホルダーの個数や配置のことだと思って下さい。多くの概念を説明しきれないので、ここではプレースホルダーも単に「枠」として説明します。白紙を選んで、自分で自由に枠を追加して配置することもできますし、レイアウトで選んでスライドに配置済みの枠であっても実際に編集作業をしていって削除したり、大きさを変更したり、位置を変えたりできます。

スライドを追加した後で、「ホーム」タブの「レイアウト」(左図)をクリックして、レイアウトを選択し直すこともできます。

スライド毎にレイアウトは変更できます。

スライドの削除

アウトラインペインに並んでいるスライドのうち、削除したいスライドをクリックして、 [delete]キーを押します。
アウトラインペインに並んでいるスライド上の右クリックメニューにも「スライドの削除」があります。

スライドの順番を変える

アウトラインペインに並んでいるスライドのうち、順番を変えたいスライドを上下方向にドラッグ&ドロップすることで、そのスライドの順番を変えることができます。

スライドのテーマと色合いを変更する


「デザイン」タブの「テーマ」でスライド全体の背景色や基本の文字色等をいつでも設定し直すことができます。また同じ「デザイン」タブの「バリエーション」でスライド全体の配色を好みの色合いに変更できます。(Macは図のような「テーマ」や「バリエーション」の文字はありません)

「バリエーション」で選べる色合いは「テーマ」毎に用意されているので、先に「テーマ」を選択する必要があります。(MacでもWindowsでも左側を選んでから右側を選んで組み合わせます。)

実際にテーマとバリエーションをスライドに適用させるどうなるかをこちら(外部のMicrosoftのPowerPointのヘルプサイト)の動画(35秒)でみることができます。

文字に関する操作あれこれ

文字の入力、削除

スライドには基本的に枠があるので、その枠内をクリックしてから、文字を入力します。

文字の入力や、削除、挿入、変換等は、Wordと同じようにできます。

入力が終わったら、枠外をクリックすると、枠の表示が消えます。入力した文字のあたりをクリックすればまた枠が表示されて、文字を入力できるようになります。

テキストボックスの追加、削除、コピー

新しいスライドを追加したときに「白紙」を選択すると枠がありません。 枠がないと、文字を入力しようと思ってもできません。 このときにはテキストボックスを追加して、そこに文字を入力します。

新しいテキストボックスをスライド内に追加するには次のようにします。

  1. 「挿入」タブにある「テキストボックス」()をクリックします。
    「テキストボックス」のクリックでなく)をクリックすればドロップダウンメニューが表示されるので縦書きか横書きのテキストボックスを選択できます。
  2. スライドペインにあるスライド内で、目的のサイズのテキストボックスをドラッグして作成します。
    ドラッグではなく、クリックでもテキストボックスが挿入されます。最小サイズのテキストボックスになりますが、文字を入力するに従ってサイズが大きくなります。
テキストボックスを削除したい場合には、枠をクリックして(テキストボックスが選択されている状態で)キーボードの[delete]キーを押します。

テキストボックスを(中身のテキストごと)複製したい場合は、枠をクリック→[ctrl](Win版)/[command](Mac版)+[d]キーです。

テキストボックスに限らず、スライド内に配置した大抵のコンテンツ(例えば画像や図形など)はこの方法で複製できます。
テキストボックスの移動やサイズ変更は、すでに説明した枠の移動、サイズ変更と同じ操作で実行できます。

箇条書き、段落番号、階層

「ホーム」タブの「段落」にあるを利用すると、Wordと同じようにテキストボックス内の文字列を箇条書きにして行頭に記号や番号をつけたりできます。

さらに箇条書きの階層を、「ホーム」タブの「段落」グループにあるをクリックすることで上げたり(左側のボタン)、下げたり(右側のボタン)できます。

文字のスタイル、効果

Wordと同じく「ホーム」タブの「フォント」グループ内(左図)を操作して、文字のフォントや大きさを変更したり、色を付けたり、太字にしたりといった操作ができます。
また文字入力時は、「描画ツール」の「書式」(PowerPoint2019)、「図形の書式」(WindowsのMicrosoft365)、「図形の書式設定」(MacのMicrosoft365)というタブがあります。このタブをクリックして、「ワードアートのスタイル」(右図参照)にある機能を使うと、文字に様々な効果をつけてデザインすることができます。

ノート

実際のプレゼンでは、スライドを表示させながら説明するわけですが、説明する内容を全部スライドに書き込むとごちゃごちゃしたスライドになります。スライドの補足的な説明や発表時にスライドを見せながら口頭で説明する内容などは、「ノートペイン」と呼ばれる領域に入力しておくとよいでしょう。

PowerPointのウィンドウ下のズームバーの近くにある「」をクリックすると下図のようにノートペインが表示されます(「ノートを入力」と表示されている部分がノートペインです)。もう一度クリックすると非表示になります。

また、「表示」タブの「ノート」をクリックしても表示/非表示を切り替えられます。

ノートペインと、スライドペインの間の境界線を上下にドラッグする(境界線上にマウスカーソルを持って、マウスカーソルの形が双方向矢印に変わったらドラッグする)ことで、ノートペインの領域を大きくしたり小さくしたりすることができます。

ノートペインの中でクリックすれば、文字カーソルが表示されてノートに文字を入力できます。

ノートはスライド毎に1ページずつ作成できます。

スライドを表示してプレゼンテーションをする際「発表者ビュー」機能(後述)を用いるとノートに書き込んだ内容を見ながら発表できます。また、印刷して手元に持って発表することもできます。 印刷手順は、PowerPointのヘルプサイトのこちらにあります。

画像の追加、削除

スライドに画像を追加することができます。

「挿入」タブの「画像」(Windows)や「写真」(Mac)をクリックして追加します。手順はWordと同じなので、前々回のWordの講義資料を参考にして下さい。Wordの図と違いPowerPointの図は最初からドラッグしてどこにでも配置できるため「文字の折り返し」の機能は不要で存在しません。

画像の位置を移動させたり、サイズを変更したり、回転したりするには、画像をクリックして枠を表示させてすでに説明した枠に関する操作をします。

画像以外の場所をクリックすると枠は消えます。

画像を削除したい場合には、枠内をクリックするなどしてマウスカーソルが十字になっているときにキーボードの[delete]キーを押します。

画像をクリックして枠が出ているときは、PowerPoint2019では「図ツール」の「書式」タブ、Windows版Microsoft365のPowerPointでは「図の形式」タブ、Mac版Microsoft365のPowerPointでは「図の書式設定」タブが表示されています。
このタブをクリックして「図のスタイル」や「図の枠線」などのボタンを利用すると、周囲をぼかしたり枠で囲ったりといった効果を付けることができます。 「図のスタイル」は「クイックスタイル」としてまとめられていることがあります(下図参照)。

Windows とか
Mac

【参考】作成する資料に画像を加えたいときに使えるフリー素材のサイトは多いので探してみて下さい。自分が使っているフリー素材のサイトをいくつか挙げておきます。無料で利用できますが著作権は放棄されていないのが普通なので規約などを読んでください。

図形描画

スライドに線や丸や矢印などのあらかじめ決まった図形を描画する機能があります。 この図形に関する操作は基本的にWordと同じです。

PowerPointの図形描画機能は、ベクター画像を作成するのに便利に使えます。講義資料の図もPowerPointで作成して、スクショで画像ファイルにして(ファイル形式変換で画像ファイルとして書き出すこともできるのですが、スクショの方がトリミングもファイル形式変換も楽なのでスクショしています)、Webページに組み込んだものがいくつかあります。

挿入

「挿入」タブにある「図形」(とかとか)をクリックすると右図のような一覧が表示されます。これはWindows版でMac版は見た目が違いますが中身は同じです。

ここから挿入したい図形をクリックして選んで、スライド内で目的の大きさの領域をドラッグすると、その図形が挿入されます。

複製

図形をクリックして選択したら[ctrl](Win版)/[command](Mac版)+[d]キーを押します。

削除

図形をクリックして選択したら[delete]キーを押します。


図形の書式設定タブでできること

図形が選択されているとき(クリックで選択。枠も表示されます)は、PowerPoint2019では「描画ツール」の「書式」タブ、Windows版Microsoft365では「図形の書式」タブ、Mac版Microsoft365では「図の書式設定」タブが表示されます。

PowerPointヘルプサイト:図形に関する操作

手順を説明しきれませんので、PowerPointのヘルプサイトの該当ページへのリンクを載せておきます。

SmartArt

[挿入]タブ→ SmartArtアイコンで、Wordと同様にSmartArtグラフィックをスライド内に挿入することができます。 SmartArtアイコンはウィンドウ幅が狭いときには「図」ボタン()のブルダウンメニューの中にあります。

手順はWordと同じなので、ここでは説明を省きます。

SmartArtグラフィックのオブジェクトが選択されているとき(クリックで選択。枠も表示されます。)は、PowerPoint2019では「SmartArtツール」の「デザイン」タブと「書式」タブ、Windows版Microsoft365では「SmartArtのデザイン」タブと「書式」タブが表示されます。
「デザイン」タブや「書式」タブには下図のような機能があります。図はPowerPoint2019ですが、Microsoft365でも同様です。
【デザイン】

【書式】

例えば、色を変更したいときにはデザインタブの「SmartArtのスタイル」グループにある機能を使うことができます。

ちなみにSmartArtを組み合わせることもできます。下図は、「手順」レイアウトの一つの四角を大きくして、そこに「循環」レイアウトを加えました。

PowerPointヘルプサイト:SmartArtに関する操作

PowerPointヘルプサイトにあるSmartArtグラフィックに関する手順で、見ておくと参考になりそうなリンクを挙げておきます。講義で教えていない作成手順もありますし、何ができるか知っていると今後の助けになるでしょう。

アニメーション機能

スライド内のテキスト、画像、図形、表、SmartArtグラフィックなどのオブジェクトにアニメーション(動き)を設定することができます。

スライド内のテキスト、図などにアニメーションを追加する、削除する

アニメーション効果を追加する手順は次の通りです。
  1. アニメーションを設定するオブジェクト(画像、図形、SmartArtなど)をクリックして選びます。対象がテキストの場合は、範囲をドラッグします。
  2. 「アニメーション」タブにある「アニメーション」グループ(ウィンドウ幅が十分でないと下図のように表示されません)から「フロートイン」「スライドイン」などのアニメーション効果をクリックして選びます。Windowsでは右図で赤く囲った部分をクリックすると適用可能な効果をすべて表示できます。Macではマウスカーソルをこの領域内に入れるとが表示されるのでクリックすると一覧表示されます。
    Windows
    Mac
  3. 「効果のオプション」(上図の青で囲った箇所、Macも少し右に離れたところに同じアイコンがあります)が濃く表示されてクリックできるときには、オプションを選ぶことができます。「スライドイン」などのアニメーションを選んでいる場合は効果のオプションとして移動方向(効果のオプションのアイコンが矢印などに変わります。)などを選ぶことができます。「フェード」など「効果のオプション」がないアニメーションもあります。このときは、「効果のオプション」は薄い字で表示されてクリックすることができません。
アニメーション効果を追加したオブジェクトやテキストには、左側に四角で囲まれた番号が付きます(アニメーションマーカーといいます)。

追加したアニメーション効果を削除したい場合には、アニメーションマーカーの番号をクリックしてから[delete]キーを押します。

スライド内のアニメーションを確認する

アニメーション効果を追加した後、「アニメーション」タブで表示されるリボンの左端にある「プレビュー」(とか)をクリックして、実際の動きを確認します。

また「アニメーション」タブにある「アニメーションウィンドウ」(下図参照)をクリックすると、スライドペインの右側にアニメーションウィンドウが表示されます。

PowerPoint2019(Win版)Microsfot365(Win版)Microsfot365(Mac版)
表示されたアニメーションウィンドウ内の「ここから再生」などをクリックして動きを確認することもできます。

アニメーションについて細かい設定をする

特に設定しなければ、プレゼンテーション(スライドショー)を行っているときに、クリックすることで(あるいは[return]キーや[n]キーを押したとき)、アニメーションが開始されます。

開始されるタイミングを変更したいときには「アニメーション」タブにある下図の部分で設定し直します。

WindowsMac
アニメーション効果が実行される順序などを変更したい場合には、アニメーションウィンドウを表示させて、そこに表示された対象をドラッグして移動させれば変更できます。

PowerPointヘルプサイト:アニメーションに関する操作

PowerPointヘルプサイトでアニメーションの追加に関する説明ページはこちらにもあります。

具体例:1行ずつテキストを表示する

実際に、サンプルファイル(← リンク先を保存してダウンロードしてファイルを開いてみると7枚目のスライドで実際の動きを確認できます)の例で手順を見てみましょう。サンプルファイルは自由に中身を書き換えてもかまいません。

まずは図のように入力したとします。

  1. 「滑り込みます」をドラッグして、「アニメーション」の「スライドイン」をクリック。
  2. 「そぅっとそぅっと」をドラッグして、「アニメーション」の「フロートイン」をクリック。
  3. 「くるくるくるくる」をドラッグして、「アニメーション」の「ターン」をクリック。
  4. 「ぽーんぽんぽん」をドラッグして、「アニメーション」の「バウンド」をクリック。
  5. 「両側から、ほら」をドラッグして、「アニメーション」の「スプリット」をクリック。
上記の操作を行った後のスライドの外観とアニメーションウィンドウは下図のようになります。
WindowsMac

【参考】画面切り替え機能

プレゼンテーション(スライドショー)で次のスライドに移動する(次のスライドを表示する)とき、視覚的な効果を追加することができます。

  1. 視覚的な効果を追加したいスライドをアウトラインペイン内でクリックします。
  2. 「画面切り替え」タブにある「画面切り替え」グループ(図)で「フェード」「プッシュ」などを選びます。図で赤く囲った部分をクリックすると他の適用可能な効果が表示されます。
    Windows
    Mac
  3. 「効果のオプション」(図中の青で囲った箇所)が濃く表示されてクリックできるときには、オプションを選ぶことができます。例えば、スライドが切り替わる際に動く方向などを変えることができます。
  4. 「プレビュー」(上図中のオレンジで囲った部分)をクリックして、実際にスライドがどのように表示されるかを確認します。
  5. 視覚的な効果を追加した後、削除したい場合には、「画面切り替え」の左側にある「なし」(上図中の緑で囲った部分)をクリックします。(「なし」は一番最初の方にあるので赤で囲った部分をクリックして表示を適当に切り替えて探してください。)
さきほどのアニメーションの説明中にリンクを張ったとの同じサンプルファイルの9枚目のスライドを表示させてプレビューをクリックすれば実際の動きを確認できます。

スライド一覧、アウトライン表示

スライド一覧やアウトライン表示することでスライド全体を俯瞰してみることができます。手順は以下の通りです。
【Windows】 [表示]タブの「プレゼンテーションの表示」にある「アウトライン表示」や「スライド一覧」をクリックする。
【Mac】デスクトップ上部の[表示]メニューから「アウトライン表示」や「スライド一覧」をクリックする。
スライドの表示を初期のアウトラインペインとスライドペインのある状態に戻すには、「標準」を選びます。

スライドショー

スライドショーの実行

「スライドショー」タブの「スライドショーの開始」にある「最初から」を選ぶと、スライドを先頭から順番に全画面表示します。
PowerPoint2019(Win版)Microsfot365(Win版)Microsfot365(Mac版)
資料が仕上がったら、「最初から」を選んでスライドショーを実行し出来上がりを確認します。また実際にリハーサルをして発表にかかる時間を計測します。

スライドショーの実行中の操作

キーボード操作
次へ nキー、 spaceキー、returnキー
前へ pキー、Backspaceキー(Macキーボードの場合、deleteキー)
スライドショーの終了esc(escape)キー
マウス操作
次へ左クリック
ポップアップメニューの表示右クリック

発表者ツールの利用

スライドショーの実行に関して「発表者ビュー」という機能があります。発表者はスライド以外にノートなどの内容を見ながらプレゼンテーションできます。参加者側に表示されるのはスライドのみです。
この機能を利用するには、Macでは「スライドショー」タブの「発表者ツール」をクリックします。Windows(Macも)は、スライドショー実行時に、左下に表示されるアイコン(マウスカーソルを近づけると表示されます)のをクリックして表示されるメニューから「発表者ツールの使用」を選びます(図参照)。
発表者ツール外観

PowerPointヘルプサイト:発表者ツール

PowerPointヘルプサイトで発表者ツール説明したページへのリンクを載せておきます。
プレゼンテーションを開始してノートを発表者ビューで見る(Windows)
プレゼンテーションを開始してノートを発表者ビューで見る(Mac)

最終課題

期限

6月29日木曜日

最終課題

自分の好きなこと、熱中していること、興味のあること、趣味などについて、簡潔に説明するプレゼンテーション資料をPowerPointで作成して下さい。作成にあたって下記の条件を満たすようにしてください。作成したPowerPointファイル(拡張子は.pptxのはず)をGoogle Classroom内の最終課題のところに追加して提出して下さい。

条件

ということで細かいことをいろいろ書きましたが、要するに「主観的な視点でわかりやすく簡潔な」プレゼン資料を作ってください。

注意

採点基準

おわりに、次回

次回

以上で情報処理Iaの講義は終了です。テスト期間中にあたる次回は講義はありません。私は一応教室にくるので、質問のある人や、その時間に提出課題を作成したい人がいれば教室に来て下さい。

成績評価

成績評価については、第1回アンケート提出1点に第2回から第8回までの提出課題の得点を加えた合計点(100点満点)で評価します。点数を付けたものは順次返却していきます。遅れて提出する場合の最終締め切り日も、最終課題の締め切り日と同じです。それまでの期間、単位取得に問題がある場合などに個別に連絡する可能性があります。

授業期間終了後のGoogle Classroomについて

授業期間終了後も Google Classroom のクラス登録(メンバー登録)はそのままにしておいてください。「登録を解除」してしまうと、教員側では履修者としてメンバー表示されず、授業期間中の提出物等も確認不可となります。そうなると成績評価できなくなる可能性もあるので、提出ファイル等を含めすべてそのままにしておいてください。
当面利用しないクラスについては「クラスカードを並べ替える」機能があるので、邪魔であれば後方へ移動しておいてください。
クラスカードを並べ替える(外部ページ、クリックで別タブで開きます)

この講義資料Webページについて

今年度中はアクセスできます。WebページをPDFファイルなどに保存しておきたい場合には、印刷メニューで印刷先をプリンタでなくPDFにするとPDFファイルとして保存できます。具体的には、Chromeの場合、以下のような手順になります。
  1. ページ閲覧時の右クリックメニューから「印刷」を選ぶ。
  2. 「印刷」のためのウィンドウが開くので、「送信先」に「PDFに保存」とか「Microsoft Pring to PDF」などPDFが含まれるものを選ぶ。
  3. 「保存」(あるいは「印刷」)ボタンをクリックする。
  4. いつもの「名前を付けて保存」のときと同じウィンドウが開くので、保存先フォルダと、ファイル名を確認して「保存」ボタンをクリックする。(このときファイルの種類、あるいはファイルの形式は、PDFドキュメントとかPDF文書とかAdobe Acrobat Documentといった表示になっているはずです。)

ということで、お疲れ様でした!最終課題を楽しみにしてます。


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